サンナ・マリン首相が語る“ガラスの天井”「いつでも社会に存在する」「私たちは闘っている」

6

2022年05月27日 08:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真Sanna Mirella Marin/1985年生まれ、ヘルシンキ出身。2019年から第46代フィンランド首相。フィンランド社会民主党代表(撮影/写真映像部・東川哲也)
Sanna Mirella Marin/1985年生まれ、ヘルシンキ出身。2019年から第46代フィンランド首相。フィンランド社会民主党代表(撮影/写真映像部・東川哲也)
 新型コロナウイルスとウクライナ侵攻の脅威に立ち向かうサンナ・マリン首相。そんな36歳の若きリーダーは、仕事と子育てを両立する一人の女性でもある。女性のキャリアを阻む「ガラスの天井」との闘い、自身の10年後について、AERAの単独インタビューで語った。AERA 2022年5月30日号の記事から。(全3回の3回目)


*  *  *


──首相の座についたのは19年、34歳という若さだった。フィンランドでは史上最年少、女性としては3人目の首相だ。リーダーシップについて、国民から不安の声は出なかったのか。


マリン首相:私が首相になってから、二つの世界危機が起こりました。就任後数カ月で新型コロナウイルスのパンデミックが起こり、そして現在のウクライナでの戦争です。この間、多くの試練がありました。でも、私はとても誇りにも思っています。私たちはコロナ禍に取り組み、ウクライナでの戦争に対処すると同時に、国内で多くの改革を進めてきたのです。 


 教育でも多くの改革をしましたし、ヘルスケアや社会保障改革も行いました。歴代の内閣も取り組もうとしましたが、私たちが成し遂げました。それからデジタル化やカーボンニュートラルなど新しい課題にも着手しています。持続可能な経済、社会、環境を作るために歩みを進めてきました。


──フィンランドは35年までにカーボンニュートラルを目指すことを表明している。同時に石炭由来の火力も使わなくする、という野心的な目標も掲げている。


フィンランドでは、若い首相が次々に改革を成し遂げている。そこには女性が突き当たる“ガラスの天井”があるとは思えない。そう尋ねると、意外な答えが返ってきた。


■仕事と家庭両立できる


マリン首相:ガラスの天井はいつでも社会に存在します。私たちは闘っているのです。たとえば、育児休業の改革について話しましたが、それもその一つです。子どもが小さいうちは依然として母親に大きな負担がかかります。父親がもっと育児に携わるべきだと思いましたし、それは義務ではなくて父親の権利でもあります。


 性別による賃金格差の問題もあります。女性のほうが男性より賃金が低いのです。解消すべく立法をしましたが、それが現実です。しかし、未来に向けて格差は解消し、ガラスの天井は日々破っていかねばなりません。



──首相と同じように子育てとキャリアの両立に取り組んでいる人たちは、日本にもたくさんいる。首相からこんなメッセージが寄せられた。


マリン首相:皆さんに強調したいのは、あなたは仕事も家族との生活も両立できる、その能力があるし、権利もあるということです。子どもや家族は人生を豊かにしてくれます。もちろん、それが大変なのはわかっていますが、両立できるようにするのが社会の義務であり、政治の役割です。


──自身のゴールは何だろうか。10年後でも46歳。その時、何をしているのだろうか。


マリン首相:首相としてのゴールは、政府プログラムに記されたことを成し遂げ、改革を進めること。私は目の前の課題に集中し、世界を変え、フィンランド社会におけるたくさんのことに変化をもたらしたい。私自身のキャリアについては、ゴールはありません。私が政界に入った理由でもある課題に取り組むだけです。世界をより良い場所にしたいと努めるかぎり、間違うことはないと思っています。


(構成/朝日新聞編集委員・秋山訓子)


※AERA 2022年5月30日号より抜粋



【おすすめ記事】【1回目】サンナ・マリン首相 単独インタビュー 「国と未来を守るための決断」の背景とは


このニュースに関するつぶやき

  • こうやって海外の女性政治家は持ち上げながら、日本の女性政治家は叩くのが日本のメディアのダブスタ。高市さんに首相やって欲しかったなぁ。
    • イイネ!22
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(6件)

前日のランキングへ

ニュース設定