東尾修も動画配信に意欲?「立ち止まってしっかり理論構築できる」

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2022年05月28日 07:00  AERA dot.

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写真東尾修
東尾修
 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏が「週刊朝日」で連載する「ときどきビーンボール」。今回は、OB解説について。


【写真】西武ライオンズのアカデミーによる野球教室
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 このコーナーができて400回目となった。とりとめもないことばかり書いてきた気がするが、ここまで続けさせてもらえているのも読者の方々がいるからこそ。昨今、野球界のOBは発言の場が限られてきていた。その中で、これだけのボリュームをもって伝えさせていただけていることに感謝したい。


 かつて、野球はテレビでも視聴率が20%を大きく超え、地上波で巨人戦が中継されないことはなかった。若い世代の方々は、それすらも知らないだろうが、昭和の野球では、テレビ中継が終わると、ラジオで試合の結末を知る……という方々がいっぱいいた。


 野球界のOBは、テレビやラジオ解説にひっぱりだことなり、それぞれ「あの人の解説がいい」「わかりやすい」などの声も頂戴した。その声とともに、自分の野球への考え方、ファンの方々の切実な思いを体にしみこませ、自分の中での野球というものの視野を広げていった。現役時代には見えなかった多くのことを勉強させてもらった。


 近年、テレビ中継はCS放送へと移行した。地上波での放送は数えるばかりである。ラジオも含め、解説の仕事をしながら全国を飛び回れた時代が懐かしいとともに、今の状況には寂しさを感じるようになっていた。


 ただ、最近になって違う動きが出てきている。それがYouTubeをはじめとする動画配信である。プロ野球界のOBが動画を配信することで、自分の考え、野球にどう取り組んできたか、自身の野球観を伝えることができる場となっている。一番の利点は、時間を気にせずに自分の考えを伝えられること、一つひとつの事象について、立ち止まってしっかり理論構築できることである。


 さらに、昔話もテレビではなかなか言えないことも、その場であれば言える。私もこのコラムの中でいろいろな昔話をしてきたけども、今の野球界との違い、古き良き日のプロ野球ではこんなことがあった……などとこれからも伝えていきたいと思う。





 コラムのような文章と、実際に映像の中でしゃべることとは、また違う価値があるのかもしれないが、共通しているのは、どうやって野球の魅力を伝えるかということ。全国での野球教室も少なくなってきている中、少年少女を中心に「野球」というスポーツをよりおもしろく、より深く伝えていけることは、野球を未来につなげていくことだと考えている。


 今年も5月24日から交流戦が始まる。昨年もオリックスがここで勢いをつかんで、リーグ優勝をもぎとった。ここまで下位に沈んでいるチームも、大きくチームを転換させる機会でもある。個人的には、今セ・リーグの本塁打、打点のタイトル争いへ好スタートを切っている巨人の岡本和真、ヤクルトの村上宗隆、DeNAの牧秀悟あたりが、データの少ないパ・リーグの投手相手にしっかりと実力を発揮できるか。さらにロッテの佐々木朗希投手がそういったセ・リーグを代表する打者をどう抑え込んでいくか。個の戦いにも注目していきたい。


東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95〜2001年)に2度リーグ優勝

※週刊朝日  2022年6月3日号


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