東京→横浜の「テレワーク移住」に大苦戦した話 一筋縄ではいかない引っ越しのアレコレ

0

2022年05月29日 13:11  ITmedia NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia NEWS

写真新居の居室。部屋が増えたので、前は置けなかったテレビを置けるようになった
新居の居室。部屋が増えたので、前は置けなかったテレビを置けるようになった

 いきなり筆者の話で恐縮だが、先日、東京都から神奈川県横浜市に“テレワーク移住”した。賃貸が契約更新の時期に差し掛かっていたが、入社以来ずっとテレワークで会社に行く機会が少ないので、都内にいる意味もないと思い引っ越した。



【その他の画像】



 結果としては満足だったが、引っ越しやその準備に当たっては、過去の経験と勝手が違って戸惑うことが多々あった。本記事では、筆者がテレワーク移住時にぶつかった壁をレポートする。



●会社行かなくていいんですか? せっかく引っ越したのに?



 そもそも筆者が都内に住んでいたのは、東京都千代田区にあるオフィスへのアクセスを良くするためだった。もともとは横浜に住んでいたが「毎日会社に行くなら東京に住んだほうがいいはず」と考え、2020年4月の入社に合わせて池袋周辺に引っ越した。



 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大と重なり、アイティメディアは筆者の入社と同タイミングで在宅勤務を実施。配属先のITmedia NEWS編集部も同様だった。その後、弊社は働く場所を従業員が選択できる「スマートワーク制度」を正式に導入。感染収束後も継続することが決まり、せっかく東京に引っ越したのに出社することがほぼなくなった。あまりに会社に行かなかったので配属直後にこんな記事を書いたほどだ。



参考記事:「出社の仕方が分かりません」新卒筆者が語る“コロナ世代”のホンネ



 たまに出社したり、発表会や会見に出席したりすることもあるが、多くても週に1〜2回。これなら横浜でも対応できる。つまり都内にいる意味がなくなったわけだ。そこでテレワーク移住を決めた。



 引っ越すに当たっては、多少家賃が上がってもいいので、どうせなら実家近くの横浜近辺で、今より広い部屋がいいと考えていた。当時、隣人がなぜか毎朝大声でAKB48の曲の歌詞を音読するせいで、早起きせざるを得ないという悩みを抱えていたので、静かな場所だとなおうれしい。しかし、いざ部屋探しや準備を進めるといくつかの壁にぶち当たった。



●ウソ、一人暮らしにちょうどいい物件、なさすぎ……?



 まず、単身でのテレワーク移住にちょうどいい物件が見つからない問題に直面した。筆者は当初、以下のような条件で物件を探していた。



・所在地:神奈川県横浜市か隣の川崎市



・広さ:1LDK



・家賃:東京の賃貸からプラス1万円程度



・構造:鉄筋コンクリート造



・最寄り駅までの近さ:徒歩10分程度



・その他:近隣に大きなスーパーがあること、できれば角部屋



 しかしいざ部屋を探すと、条件に合う物件が見つからない。物件の空いたり埋まったりが活発になる3〜4月に部屋を探していたにもかかわらず、とにかくいい部屋が見つからなかった。



 「前の引っ越しのときはもう少し部屋を見つけやすかった気がするんだけどな」と思っていくつかの不動産屋に聞いてみると、部屋がないのには理由があることが分かった。どうやら筆者と同じことを考えている人が多いらしい。



 そもそも筆者が探しているような物件は、一般にはファミリーやカップル向けの部屋だ。こういった家族向けの部屋は一度人が入ると、その後しばらく空きにくい。良い条件の物件ならなおさらだ。業種や職種によっては、テレワークの普及によって転勤が減ったことも影響しているかもしれない。



 しかし筆者と同じように都内から神奈川県、埼玉県、千葉県などへのテレワーク移住を考えている人は増えており、良い物件を巡る競争は激しくなっているという。つまり、ただでさえ空いていない物件を単身者で取り合っているわけだ。



 とはいえ、せっかく引っ越しをするのだから妥協はしたくない。仕事終わりや隣人にたたき起こされた朝の時間を使って必死に部屋を探した。当初は1種類のスマートフォンアプリだけを使って部屋を探していたが「これは難航するかもしれないぞ」と思い、途中から複数のアプリを使うスタイルに変更。結果、間取りのみ1LDKではなく2DKになったが、後はほぼ希望通りの物件を見つけられた。



●面倒くさい! テレワーク環境の再構築



 もう一つ直面した問題が、テレワーク用の作業環境だ。筆者は東京の賃貸で、ある程度手間を掛けて自宅の作業環境を構築していた。例えばスイッチャーを活用し、会社用PCとプライベートPC間で同じモニターやキーボードを使えるようにしたり、モニターアームを使ってマルチディスプレイで作業できるようにしたりしていた。



 しかしテレワーク移住に当たってはこれを一度解体し、組み直す必要がある。ただ机をばらしたり配線をつなぎ直したりするだけならいいが、そうもいかない。部屋の色味が違えば机を買い換えたくなるし、そうすると機材の位置や必要なコードの長さも変わる。コンセントの位置が変わったので、延長コードや電源タップを買い足す必要もあった。



 そうすると配線が複雑になっていき、せっかくの新居なのにコードで足元が汚く見えてしまう。以前は足元に収納ボックスを入れて隠していたが、部屋が広いとごまかし切れない。仕方がないので机にひっかけられるカゴや結束バンドを使ってコードをまとめて──などと対応していると、思った以上に手間を取られた。



 コードについてはもう一つ手間のかかることがあった。光回線の配線だ。筆者はPCでゲームをするのが好きなので、どうしても有線でPCとルーターをつなぎたかった。しかし新居はファミリー向けの2DK。ダイニングキッチンにしか光コンセントがない。



 さすがにダイニングキッチンにデスクは置きたくないので、作業部屋は別の部屋にした。しかし、そうなると光コンセントとPCが遠くなり、有線接続の難易度は上がる。仕方がないので、取りあえず手元にあった長めのLANケーブルを使ってPCとルーターを強引に接続した。扉の下にケーブルを通せる隙間があったのでどうにか実現できたが、代わりに少し見栄えが悪くなった。



 悩み事はもう一つある。部屋が増えたので、これまで居室にまとめていた家具を他の場所に移したところ、作業スペースを広くすることができた。一方で、物が減ったからか、Web会議時に自分の声が部屋に響くようになってしまった。会議中恥ずかしいので対策したいが、まだ着手できていない。



●ありがとう、隣人にたたき起こされない朝



 とはいえ、引っ越し自体はおおむね満足だ。ほぼ地元なので両親の家が近く、すぐに訪ねられるし、前の部屋より広いので友達と家で遊びやすい。何より隣人に安眠を妨害されることがなくなった。毎朝歌詞の朗読で目覚めるのはつらかった。本当によかった。



 考えなしに「テレワーク移住しよう!」と思うと筆者のように苦労するが、時期を新生活シーズンと重なる3〜4月からズラしたり、部屋探しの時点から作業環境の構築を考慮しておくと、もっと楽に引っ越しができるかもしれない。



 ITmedia NEWSでは他にも、埼玉県在住の谷井記者がテレワーク移住したときのレポートも掲載している。筆者より順調な引っ越しだったようなので、成功例が見たい人はどうぞ。



参考記事:もう出社しないので東京から埼玉に引っ越してみた “テレワーク移住”はアリかナシか 部屋探し編



出社しないつもりで“テレワーク移住”した筆者、突然の現地取材と出社を経験


    前日のランキングへ

    ニュース設定