GTA、スーパーGT第2戦富士のアクシデント後の流れを説明。再発防止策をドライバーらと共有

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2022年05月29日 13:31  AUTOSPORT web

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写真スーパーGT第2戦富士でのアクシデントについて説明するGTA坂東正明代表
スーパーGT第2戦富士でのアクシデントについて説明するGTA坂東正明代表
 5月29日、スーパーGT第3戦『たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE』が開催されている三重県の鈴鹿サーキットで、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表、服部尚貴レースディレクターが定例記者会見に出席し、5月4日に富士スピードウェイで開催された第2戦『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』の決勝レース59周目のメインストレートで発生したアクシデントについての説明を行いつつ、その後のレース再開までの対応、また事故再発防止に向けた取り組みを説明した。

 スーパーGT第2戦富士の決勝59周目に発生したアクシデントでは、ドライバーに大きな怪我はなかったものの、観戦していたファンが飛散したパーツで軽傷を負うなど、大きな影響を及ぼした。この件については、5月29日にスーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表、服部尚貴レースディレクターから、アクシデント時の映像を交えつつ、メディアに向けて説明がなされた。

■レース後のセーフティカーランでの再開について
 アクシデントの状況については別項を参照いただきたいが、レースはクラッシュにより破損したガードレールの修復が必要となり、長時間の赤旗中断となった。その後、レースはガードレール部分の前にタイヤバリアを応急的に設置し、セーフティカーランで再開した後、チェッカーを迎えることになった。再開についてもさまざまな議論が起きていたが、服部レースディレクターはこの件についても説明した。

「大きなクラッシュがメインストレートで起き、ガードレール含めかなりの損傷がありました。実際にレースの距離としてはレース成立に至らない、75パーセントに届かない距離でした。当初はガードレール打ち直しを検討しましたが、そうすると、レースの最大延長時間までに間に合わないことが分かりました」

「そこで、なんとかレースを続けるための策はないかということで、タイヤバリアによる応急処置をトライしてもらいました。最大延長時間の20分弱の時点で、私と競技長とともに修復現場を見にいきましたが、やはり、いちばん怖いのはセカンドインパクトでした。もし次に何かあったときに、このまま続けるのは難しいという判断であると審査委員会と話しました」

 ただ、服部レースディレクター、また坂東正明代表としては「このままレースを終わるというのは考えていなくて、できるだけ残り時間、レースを成立させるために、セーフティカーでスタートし、できるだけ(レース距離の)75%を超えるところに近づけたい思いがありました」という。

「運営団もそうですし、主催者も含めて、レース再開は望んでいますし、これからも事故があったからレースは終わる……というのではなく、ちゃんとレースを再開させるために私たちは動くと思います。天候など仕方がないこともありますが、今後もレースを成立させるために全力を尽くしていきます。もちろん安全が第一というのは変わりませんが」

 なお、このレースでは二度の給油を伴うピットストップ義務づけが課されていたが、「基本的にあの段階で、75%の距離、ハーフポイントになります。2回の給油義務は基本的な考え方として、レースの3分の1、3分の2に行うと思いますが、セーフティカーランで終了していますし、その間にピットに入ってもそれは認められない。またハーフポイントはレースがちゃんとできていない状態なので、ポイントを半分にします……ということです。そのため、義務はキャンセルさせていただきました。もし仮に、75%を超えてフルのレースが成立していたら、2回の義務をこなしていないチームにはペナルティが課されます」と説明した。

■第3戦鈴鹿で再発防止策をドライバー、監督と共有
 また、今後のアクシデントについて坂東代表は「事故の再発防止に関するものを行っていきたいと思う。第2戦ではお客さまで怪我をされた方がいらっしゃるということもあるので、フェンスの形状なども対策していきたいし、お客さまについては心からお見舞いを申し上げたい」と語った。

「二次災害という意味では、高星選手が避けた技量、クオリティはものすごく高い。ここについては、すごい危険回避能力がある。また高星選手を搬送し、精密検査をして翌日退院となったが、GTAメディカル、富士の医療体制もあり、今回チェックもして鈴鹿に出場することができた」

 さらに坂東代表は「あれだけのクラッシュのなかでドライバーを無傷で保護できたモノコックの安全性、ニッサン/ニスモの車両と、全体的なクオリティの高さ、技術力がこのレースを成り立たせていると思うので、その点も感謝したい」と語った。

「レスキュー体制、処理、事故後3秒でセーフティカーが出るなど、非常に早かった。レースディレクターから事業部を中心に早い体制でできたことは良かったと思う。また検証についても、レース事業部、DSOと適宜話をして情報共有して、さらにJAFとも連絡を取りながら、レース部会、安全部会と話をし、我々でまとめたミーティングをとった」

 今回の件については、服部レースディレクターからも説明があったとおり、下記の再発防止策が明文化され、第3戦鈴鹿のドライバーブリーフィング、監督ミーティングで共有されている。内容は下記のとおりだ。

* * * * *

ピットイン車両
・方向指示器を出し後続車両にピットインする事を知らせる。

トラブル車両
・ハザードランプあるいは方向指示器により後方車両に自車がスロー走行状態にあることを明確に知らせる。
・走行ラインを外し、迅速にコース外に出る。
・レーシングスピードで走行する事が困難な場合は迅速にピットインを判断する。

追越す側の車両
・危険を察知した時には仲間を守る行動をとる。
・危険察知の為のアンテナを常に張っておくこと。
・前走車がピットイン/トラブル車両である事の意志表示をしている場合は車両の後方につかない。

チーム
・RD(レースディレクター)無線等から発信されるスロー走行車両の位置など危険予測に関する各種インフォメーションをタイムリーにドライバーに伝達する。

また、オーガナイザーとは下記の対応の共有化を図り、再発防止策とする。
・ポスト間の連携、伝達方法の改善
・旗提示の迅速化
・現場→レースコントロール→チームへのインフォメーションの迅速化

* * * * *

■事故調査報告書をJAF、FIAに提出
 さらに、第2戦のレース後からこの日の記者会見までの間に、JAF日本自動車連盟を交え、さまざまな事故検証会議などが行われ、調査報告書がJAFを通じてFIA国際自動車連盟まで提出されるという。「GTAで調査結果をJAFに提出し意見交換をし、再発防止に努めていく。また、JAFからFIAにも調査結果を提出し、世界中のモータースポーツの安全向上のため発信できるようにJAFを通じてやってもらう」と坂東代表は語った。

 今回、GTアソシエイションから発表された事故検証のプロセスは下記のとおりだ。

* * * * *

1.事故検証プロセス
5月4日(水)
決勝直後からレースディレクター、DSO、GTAでコース監視カメラや車載映像、マーシャリングシステムによる車速、車間距離などの検証に着手。

5月11日(水)
JAFと1回目の事故検証会議を開催
同会議にはJAFモータースポーツ部⾧をはじめ、レース部会、安全部会、技術部会の各部会長が出席。JAFからGTA(レースディレクター、大会審査委員会)ならびに富士スピードウェイ(大会組織委員会、競技長)に対する事故発生状況等を聴取。

5月16日(月)
GTAスポーツ部会を臨時開催
GTAからスポーツ部会委員に事故調査報告書をスポーツ部会に提出。今後の再発防止策として、ウインカーやハザードランプの有効的な活用、ドライバーのモラルの啓発、ポスト間の連携強化などを議論。

あわせて、鈴鹿大会において対面形式でドライバーブリーフィング、監督ミーティングを行い、事故検証の結果や再発防止策を関係者と直に共有することを決定。

5月19日(木)
GTA取締役会
レース事業部より事故報告書と再発防止策を提出。事故に絡んだ当該チームとGTAで個別面談を行うことを決定。

5月20日(金)
事故調査報告書、再発防止策をJAFに提出
同日、エントラントにも鈴鹿大会に向けた再発防止策を書面展開。

5月25日(水)
JAFと2回目の事故調査会議を実施
事故調査報告書をベースに映像を交えて事象の報告と再発防止策を説明。

5月27日(金)
監督ミーティング、ドライバーブリーフィング
鈴鹿大会参加の全エントラントに対面にて事故検証結果と再発防止策を説明。

このニュースに関するつぶやき

  • 塾長もスポンサーなんですよね・・・・・( ̄ー ̄; ヒヤリ すごいなぁ( ̄ー ̄; ヒヤリ
    • イイネ!10
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