男の子の遊びに興味がない長男 「将来偏見の目で見られたら…」価値観を押し付けていた私を変えた姉の言葉

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2022年05月29日 20:20  まいどなニュース

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写真「どうして周りの男の子と同じ遊びに興味を示さないの?」ふと不安になったTさんですが…
「どうして周りの男の子と同じ遊びに興味を示さないの?」ふと不安になったTさんですが…

「トランスジェンダー」という言葉をご存知でしょうか。生まれつきの体の性別と本人が認識している性別が一致していない人のことをいいます。最近ではよく知られつつありますが、理解を示す人ばかりではありません。そのため、大切な人の性別と趣味・思考が一致していないとわかったとき、誰に相談していいのかわからず悩んでしまう人もいます。私の友人Tさん(関西在住・30代)もそういった1人でした。かつてTさんは息子のRくんが女の子が好きなものに興味を示すことにどう理解してあげるべきなのか悩んでいました。

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周りの男の子と同じ遊びに興味を示さなかった長男

Tさんには2人の息子がいます。長男はおっとりタイプ、次男は活発なタイプと2人は正反対の性格です。Tさんが長男Rくんの趣味・思考が女の子寄りだと気づいたのは、Rくんが3歳の頃でした。

Rくんは1歳の頃からプリンセスが主人公のアニメが好きだったのですが、当時Tさんはそのことについて深く考えていなかったようです。ところが、2歳になってもRくんのプリンセス好きは変わらず、周囲が戦隊ヒーローに憧れはじめる3歳になっても、Rくんはかわいいプリンセスのほうを好みました。保育園では周りの男の子はヒーローごっこを楽しんでいたそうですが、Rくんは女の子とおままごとやお人形遊びをしていたようです。

「どうして周りの男の子と同じ遊びに興味を示さないの?」と、ふと不安になったTさんは、Rくんに男の子向けのおもちゃをプレゼントしました。そのおもちゃに対し、弟のAくんは興味を示したのですが、お兄さんのRくんは一切興味を示さなかったといいます。Rくんが「買って」とおねだりするおもちゃは、女の子向けおもちゃばかりでした。

Tさんは「小学生になる頃には、趣味や思考は変わるかも」と深く考えないようにしましたが、昔気質のTさんの夫は「今のうちから男らしさを意識させないと、このままだとRが不安だ」と女の子のおもちゃをすべて隠しました。もちろんRくんは大号泣だったそうです。「どうしたらいいの?どうしてこの子は女の子向けのおもちゃを好むの?」とTさんは悩み続けました。

「誰がRの気持ちを理解するの?Rの理解者がいなくなるよ」

実は、Tさん自身も幼少期は車や変身ベルトなど男の子向けのおもちゃを好んでいました。だからこそ、「大きくなればそのうち男の子向けのおもちゃにも興味を示すはず」と思っていたのですが、Rくんは一向に変わらず、小学生になる頃には語尾に「〜なのよ」や、一人称が「私」と女の子のような喋りかたになっていきました。

これによりTさんの悩みは本格化し、Tさんは実の姉に「Rに男の子として自覚してもらうためにはどうしたらいいの?」と相談しました。「Rが女の子のような話しかたで話すようになって…。今はまだ大丈夫だけど、大きくなればなるほど偏見の目で見られるんじゃないか…と考えると怖い」とも話しました。

すると、Tさんの姉はあっけらかんとしてこう言ったといいます。

「どうしてそんなに深く悩むの?本人が好きなものを理解してあげたらいいだけじゃない?男の子だから男らしくいなきゃいけないの?元気で成長してくれたらいいじゃない。親が理解してあげないと、誰がRの気持ちを理解するの?これから先、もしRにつらいことがあったとしても、親は必ず味方になって受け止めてあげないと、Rの理解者がいなくなるよ」と。

その言葉にTさんは「自分の価値観だけをRに押し付けていたのかもしれない」と気づいたそうです。そして、今までのRくんとの関係を振り返ると涙が止まらなくなったと言います。

Rくんは本当はピンクのランドセルが欲しかったのに、Rさん夫婦の顔色を見て「ネイビーのランドセルでいいよ」と言ったこと。プリンセスの着せ替えドレスが欲しかったのにRさん夫婦には言えずに、こっそりおばあちゃんに買ってもらっていたこと…。

「お姉ちゃんの言うとおりだ。私はRが元気で成長してくれさえすればいいのに、他の子と比べて、Rの考えを否定していたのかもしれない」と気づいたTさんは、それまでRくんに言っていた「女の子の言葉を話すのはおかしい!」という言葉を封印したそうです。

   ◇   ◇

親は「他の子とうちの子は違う」と感じると、とても大きな不安に襲われます。それは、我が子が大切で、「苦労をさせたくない」「幸せになってほしい」と思うからでしょう。しかし、今のTさんはしっかりとした口調で話します。

「Rがトランスジェンダーなのか、単なる女の子向けのおもちゃが好きなだけなのか今の段階ではわからない。Rが大きくなって、性というものを意識しはじめた頃に、ようやくわかることだと思うから。でも、私は親として、Rの気持ちを理解してあげたいと思う。だから、周りが何を言っても、私はRの気持ちに理解を示し、どんな話にでも耳を傾けようと決めた」

そんなTさんは、以前とは見違えるほど明るい表情をしていました。あれほど頑固にRくんに男の子らしさを教えようとしていたTさんの夫も、今ではそっと見守っているそうです。

(まいどなニュース特約・長岡 杏果)

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