高い守備力が武器のロッテ・小川龍成「バッティングで結果を出さないと」

4

2022年05月30日 11:14  ベースボールキング

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ベースボールキング

ロッテ・小川龍成(球団提供)
◆ 「もっとレベルアップする必要がある」 

「試合に出る機会も多くなり、スタメンで何回か出て、昨シーズンよりかは落ち着いた気持ちでというか、自分の思った通りのコンディションでできているのかなと思います。そのなかでまだ結果がついてきていないので、もっともっとレベルアップする必要があるのかなと思います」。

 開幕してからここまでをこのように振り返ったのは、プロ2年目のロッテ・小川龍成だ。

 プロ1年目の昨季はオープン戦で12球団トップの5盗塁をマークし、開幕一軍入りへアピールを続ける中で、同年3月19日の巨人とのオープン戦で途中交代。コンディショニング不良により開幕をファームで迎え、東京五輪明けの8月以降は一軍でプレーしていたものの、20試合に出場して、打率.000、2盗塁という成績だった。

 今季は『9番・遊撃』でスタメン出場した4月23日のオリックス戦でプロ初安打を含むマルチ安打をマークすると、4月26日の楽天戦では田中将大からレフト前に安打を放った。3・4月は7試合で17打席立ったが、5月は16試合で12打席と、代走、守備固めでの出場が多かった。

 小川は「守備の確実性、長所でアピールすることと、バッティングの面では率を残したり、相手が嫌がるようなことをしたり粘り強さの部分でもっともっとやっていかないといけないなと思っています」と、スタメン出場するために必要なことを挙げる。

 エチェバリアが三塁と遊撃で出場しているが、そのほかの選手たちは調子の良い選手が起用される傾向にある。小川も打ってアピールをすれば、試合に出場するチャンスはグッと増えるのだ。


◆ ボールに食らいつく

 今季の小川の打撃を見ると、バットを短く持ち、追い込まれてからはノーステップ気味に打っている。

 「なかなか率が残せない中で、追い込まれてから相手の球数を増やしたり、そこから粘れば四球に繋げていけたりとか、そういったやるべきことが自分のなかであると思っているので、そこを意識した結果、ノーステップ気味というか、ボールに食らいつく意識でやっています」。

 4月23日のオリックス戦では第3打席と第5打席に7球を投げさせ、1−1の7回一死二塁の第3打席は四球を選びチャンスを広げた。


◆ 反対方向への意識

 昨年ZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では、徹底して反対方向に打ち込む姿があった。

 「バットの軌道が反対方向に打つと内側から出るので、インサイドアウトを常に意識してやっています。それを意識づけるためにもしっかり逆方向から入っていくというか、そういう意識でやっています」。

 シーズンがはじまった今も、「最初の方は意識的に逆方向に打って、最後の方はコースに逆らわずにやっています」と基本的には“反対方向”を中心に打っている。

 小川が意識しているのは「強く低い打球」だ。「低いライナーであったり、強いゴロとまではいかないですけど、そういった低いライナーを打つことを心がけています。それが少し出ているのはいい部分」と自己分析する。


◆ 持ち味の守備

 自身の持ち味である守備については「試合に出る機会が増えてきたので、打球の速度、ランナーのスピードに少しずつ慣れてきた部分があると思います」と手応えを掴む。

 小川は捕ってから素早くボールを握り変え、一塁に送球していたが、ここ最近の守備を見ていると、スピードよりも確実に1つのアウトを奪いにいっているようにみえる。

 捕ってから素早く握り変えることを今も意識しているのか訊いて見ると、「練習では結構意識しているんですけど、そのなかでミスが多かった。捕って、握り替えて投げるという風に、あんまり繋げて考えるとそこでミスが起こる。1個1個、捕る、投げる、握り替える、その動作はひとつずつやっているように意識してやっています」と明かした。

 また、「(中村)奨吾さんによくアドバイスをもらいにいくときとか、教えてくださったりすることがありますね。自分の場合、グローブを引く癖があるので、それだと強い打球、イレギュラーに対応できない。少しボールの方に出しにいくというか、手で引かないで、足で前にいきながら投げると送球に繋がると教えてもらっています」と、二遊間を組む二塁手の中村奨吾に守備についてアドバイスをもらうこともあるという。森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチからも足を使って守備をするよう言われており、小川が大事にしている部分だ。

 現在は代走、守備固めがメインで、時々スタメンで出場という起用法になっている。小川はスタメン、レギュラーで出場するためには「バッティングで結果を出さないといけない」と力強く意気込む。

 「粘り強さ、相手の嫌なことをして繋ぎのバッティングができれば、スタメンの機会はどんどん増えると思う。あとは守備でしっかり一つ一つ確実にアウトを取っていくことが一番大事だと思う。そこを大事にしていきたいと思います」。守備、走塁のレベルは高く、バットで結果を残していけば、スタメン、その先のレギュラー定着も見えてくる。

取材・文=岩下雄太

このニュースに関するつぶやき

  • 一昔前に比べ、現在のNPBでは打撃力の高い「大型二遊間」選手が目立つ時代。ところが鴎には、そういう選手が現れない。これは、二軍の打撃コーチに堀がいるからでないかねぇ。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(3件)

ニュース設定