ロッテ、繋がりを欠いた打線とともに気になる守備陣のミスの多さ

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2022年06月04日 10:32  ベースボールキング

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ロッテ・井口資仁監督
◆ 守備のミスから失点

 ロッテは、巨人との3連戦の初戦に3−10で敗戦した。

 試合前まで防御率1.33だった先発・佐々木朗希が5回5失点で降板。打線も巨人先発・戸郷翔征の前に、得点をあげることができなかった。それでも、8回に2番手・デラロサから安打と四球で二死一、二塁の好機を作り、レアードが第9号3ラン。

 2点差のまま9回表の攻撃を迎えたいところだったが、その裏からマウンドにあがった廣畑敦也が5失点と、終わってみれば3−10というスコアだった。

 打線の繋がりも問題だが、それとともに気になるのが守備のミスが多いこと。

 3日の巨人戦も、8回にレアードの3ランで2点差に迫り反撃ムードが高まったなかで、その裏の守りで今季初めて三塁の守備についたレアードのファンブルをきっかけに5点を失った。

 2日のヤクルト戦も8回、同点に追いつかれなお一死一、二塁という場面で、長岡秀樹が放ったセカンドへのゴロを中村奨吾がファンブル。続く内山壮真に決勝の3点適時二塁打を許し敗れた。

 今季をここまでを振り返っても、2−4で敗れた4月9日のオリックス戦は1−0の5回にショート・藤岡裕大の悪送球から一、二塁となり佐野皓大に逆転3ランを浴びれば、4月23日のオリックス戦も2−2の11回にセカンド・中村のファンブルでサヨナラ負け、5月1日の日本ハム戦は0−0の4回にサード・三木亮の悪送球から先発・ロメロが突如崩れ9失点で大敗、5月14日のオリックス戦は0−0の初回無死二塁から宗佑磨のセンター前の打球をセンター・岡大海がファンブルしている間に二塁走者の生還を許し、結果的にこの1点で敗れるなど、敗戦に繋がる守備のミス、記録に残らない守備のミスが多い。

 打線が打てないことを考えれば、投手陣を中心に守り勝っていかなければならないが、今季のロッテは守備でも不安定さが見られる。

 交流戦も4カード目に突入し、後半戦に入ったがここまでロッテは4勝6敗。交流戦前の楽天、ソフトバンクの上位との3連戦をいずれも2勝1敗で勝ち越し、交流戦最初のカードの広島戦も勝ち越して、ここから上昇していくかと思われたが、現在2カード連続で負け越し中。首位と8.5差、借金6で交流戦を迎えたが、上位とのゲーム差を縮められず、借金は8に膨らみ、首位とのゲーム差も10まで広がってしまった。

◆ 積み上げてきたもの

 井口監督が就任してからは投手陣に球数を投げさせ、犠打や右打ちで走者を進め、さらには1本の安打で“1つ先の塁”を狙った走塁などで得点し、投手陣がそのリードを守りきる野球で2年連続Aクラスとなった。本塁打で得点する華やかさはないが、緻密な攻撃で1点を奪い、投手陣を中心にしたディフェンス力を武器に勝利を積み重ねるこれまでになかった嫌らしい野球ができるようになった。

 補強面においてはシーズン途中にチームが不足しているポジションをトレードや外国人選手の獲得で補い、20年は澤村拓一、昨季は加藤匠馬、国吉佑樹がシーズン途中にトレードで加入し、CS進出の立役者となった。近年は“ピンポイント補強”が奏功している。

 若手選手への育成という点でも、野手は体づくりと並行しながら試合に出場し、安田尚憲、山口航輝は2年目までファームでみっちりと鍛え、3年目に一軍の舞台に上がるという流れを作り、投手陣も基本的には1年目からいきなり一軍で起用するのではなくウエイトトレーニングやランニング、投げ込みなど体づくりを行うというのがここ数年の流れだ。球団として育成方針を振り返ったり、この先の若手選手を育成していくための蓄積されたデータを球団としてしっかり管理もしている。

 常勝軍団となるために、チームとしての目指すべき方向性を示し、取り組んできた。ただチームが勝てないと、これまで積み上げてきたもの、取り組んできたことを否定されるというのが世の中だ。

 2年連続2位でAクラスに入り、今年こそはという機運が高まった中で、開幕からチームは状態が上向きそうで上向かない。そんな戦いが続いている。まだ半分以上試合が残っている。このままやられっぱなし、言われっぱなしでいいのだろうかーー。勝利への執念、厳しさ、意地というものをもっと見せて欲しい。

文=岩下雄太

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  • 「打てない」「守れない」この二点が今の段階で露呈されるのにはワケがある。平たく言ってしまえば【練習不足】【練習がぬるい】。ただそれだけのことだろ。>続く
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