連覇と、昨年果たせなかった日本一を目指す今季のオリックス。監督、コーチ、選手、スタッフらの思いを、「猛牛 ストーリー」として随時、紹介していきます。
第24回は、大阪の街を明るくすることなどに貢献した地元のヒーローを招く「なにわのHERO始球式」で登板した、大阪府看護協会前会長の高橋弘枝さん（64）です。
イチローに魅せられ、現役引退後にシアトルまで出向き球場で応援グッズを購入したほどのファン。
コロナ禍の医療の現場で貢献した高橋さんは、看護を含めた医療の現場はチームワークで成り立ち、プロ野球チームと共通する部分があるといいます。
◆ 「とにかく大阪府民を守るために」
場内アナウンスで紹介された「なにわのHEROINE」、高橋さんが背番号「728（なにわ）」のユニホームに身を包んで登場すると、スタンドからは大きな拍手が沸き起こった。
|
|
|
|
高橋さんは、1961年、大阪厚生年金病院に就職し、同院看護部長などを経て、2016年から22年6月17日まで「公益社団法人 大阪府看護協会」会長を務めた。在職中は、看護師が働きやすい環境の体制整備や、専門性を最大限発揮するための支援、教育研修の強化などに取り組んだ。
とくに注力したのが、新型コロナウイルスによる医療のひっ迫への対応だった。大阪府から要請のあった宿泊療養施設やコロナ重症センター、ワクチン接種の現場への看護師派遣に対し、病院などのほか、離職して医療の現場から離れている約1400人の潜在看護師らの協力を求め、医療崩壊を防ぐことに尽力した。
「とにかく大阪府民を守るために、貢献できることを全部やろうという気持ちでした。看護協会の役員や職員、地区の理事さんらがみんな一致してやってくれ、大阪府などの行政も現場の声を聴いてどんどん改善するように動いていただきました。何より、一体感があり、一致団結して戦いました。看護職として、大変な時期に貢献出来たことがうれしい」と、コロナ禍に立ち向かった日々を振り返った。
◆ 地元・大阪のヒーローを招く企画のきっかけ
イチローがオリックスに在籍中からのファン。「プロとして追求している姿がカッコいいから憧れた」といい、マリナーズを現役引退後、「セーフコ・フィールド」を見学にシアトルを訪問したほどだ。「壁面の写真を撮ったり、ショップでTシャツなどの応援グッズを買ったりしました」という。
|
|
|
|
「ひとり一人が自分の役割をしっかりと持った自律した人たちが集まり、いい仕事が出来る。それをするためにはコミュニケーションが必要です。野球でも9人がまとまり集中するためには、ベースにコミュニケーションがあって信頼がある。ここに行ったらこの人が守ってくれ、この人が打ってくれるという信頼感があって動いていくところは同じです」
会長として在職中に協会のポリシーとしたのが「大阪をご機嫌な街に」だった。質の高い看護を提供することで、府民に笑顔になってもらおうという趣旨だそうだ。
オリックスの今季の合言葉は「全員で��W�瓠幣弌砲�う！！」。
「1人も欠けることなく、みんながご機嫌で、笑顔でいたいですね」という高橋さんの願いも叶い、首位・ソフトバンクに競り勝ち「ご機嫌」な夜になった。
ヒーローによる始球式には、これまで大阪市内の自宅付近の河川に入水自殺しようとした女性を発見し、早期救助につなげた元高校球児や、東京五輪パラリンピック、アーチェリーの上山友裕さん、住宅火災で逃げ遅れた住人を救助した男性が登板。
|
|
|
|
米スーパーボールの試合前セレモニーに、両エンジンが停止した旅客機をハドソン川に不時着させ乗員・乗客の命を救ったパイロットのチェズレイ・サレインバーガーさんらクルーが招かれ、スタンディングオベーションを受けた光景が脳裏にあった花木さん。いつか同じようなことが出来ないかと考えていたことから、ヒーローによる始球式の企画がスタート。
広報部の西田光さんは「これからも、なにわのHERO、HEROINEに紹介していきたい」と話している。
取材・文＝北野正樹（きたの・まさき）
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2024 SEESAW GAME, Inc. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。
スポーツ
