「巣ごもり」で気になる家の“ニオイ問題” 簡単ひと手間で解消

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2022年06月22日 16:40  AERA dot.

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写真エアコンの周囲はホコリが取れるモップや雑巾を用いる。洗剤を使うときは二度拭きいらずのものを使うと便利 (ダスキン提供)
エアコンの周囲はホコリが取れるモップや雑巾を用いる。洗剤を使うときは二度拭きいらずのものを使うと便利 (ダスキン提供)
 気付かないうちに強くなる、家の中のニオイ。

「家に帰って玄関を開けると、モワーッと嫌なニオイが押し寄せてくる、あれって本当に嫌ですよね。コロナ禍で在宅時間が増えると生活臭が強くなるので、こうした経験をしている人は増えていると思われます」


【重曹水・クエン酸水の作り方はこちら】
 こう話すのは、家事アドバイザーの毎田祥子さん。日々、育ち盛りの中学生の息子の汗くささと格闘しているという。

「学校から帰ってきたらすぐにお風呂。感染対策とニオイ対策が一緒にできるので一石二鳥です」と笑う。

 現代の家の構造が生活臭に影響していると指摘するのは「におい・かおり環境協会」理事で大同大学教授(かおりデザイン専攻)の光田恵さんだ。

「特にマンションがそうですが、気密性が高い家が増えました。その結果、昔の家のような風通しのよさが失われ、ニオイがいつまでも室内に充満するようになりました」

 ニオイ=悪者とは限らないが、生活の中で生じるニオイには、不快な気持ちにさせるものが少なくない。

 総合病院で清掃管理の経験などがある日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事の松本忠男さんが言うには、「ニオイがするところには、何らかの問題がある」。そこをキレイに掃除するようにというサインなのだ。特に悪臭が生じそうな玄関、トイレ、風呂、台所、エアコンの5カ所について対策を紹介しよう。

【玄関】
 玄関で悪臭を放つモノといえば靴だろう。

「靴がくさくなる原因は、靴の中にいる雑菌。エサとなる足の皮脂や汗を分解する際に独特のニオイを発生させるのです。気温が上がって汗をかきやすい、これからの季節は特にニオイが生じやすくなります」(光田さん)

 靴(玄関)のニオイには、「雑菌を減らす」「ニオイの原因物質を減らす」という二つの対策が重要となる。

 雑菌を減らすにはアルコール(エタノール)を靴の中に直接、スプレーするのが有効。アルコールは感染対策として市販されているもので十分だが、脱いだらすぐに吹きつけておかないと効果が薄れるので注意を。





 その後、十分に乾かしてから靴箱にしまう。翌日はその靴を履かず、別の靴にしたほうがよいそうだ。それでもくさいときはどうすればいいか。

「靴から出てくるあの酸っぱいニオイは、“イソ吉草(きっそう)酸”という酸性物質によるもの。アルカリ性の重曹を希釈した重曹水(※記事の最後に作り方を紹介)をスプレーして中和させます」と光田さん。

 玄関に限らず、ニオイ対策として心得ておきたいのは、「ニオイの元に直接アタックする」こと。アルコールや重曹水を靴の中に吹きかけるのは有効だが、予防的に漠然と靴箱の中に吹きかけても、十分な効果は期待できない。ただし、家の換気をする際に靴箱も開けるのは、中の空気を入れ替える意味で○だ。

【トイレ】
 トイレがくさいのは、尿が飛び散ることで“アンモニア臭”が発生するため。頻繁にトイレ掃除ができればいいが、なかなか難しい。

「最近は座って排尿する男性が増えていますが、飛び散り防止という意味では大正解」(毎田さん)

 尿臭を抑えるには、尿がついた状態を長くとどめておかないこと。便座カバーを使うなら、できれば毎日取り換える。覆うタイプより、上に置くタイプのほうがニオイ対策になる。

 頻繁に使うところだからこそ、家族の日々の協力も欠かせない。

「使う前後に便座の周辺にトイレ用の消臭スプレーをかけることを、家族全員にやってもらう。それだけでもニオイが抑えられ、トイレ掃除の間隔が空けられます」(同)

 消臭スプレーは市販のものを使ってもいいが、手作りでもいい。尿臭はアルカリ性なので、酸性のクエン酸水(※)が有効だ。便座や便器だけでなく、壁や床も忘れずに。



【風呂】
 これからの時期、見逃せないのはカビ臭。しけったような異臭がしたら要注意だ。

「そもそもカビは少量では臭いません。ニオイがするということは、かなり増殖している可能性が高い。すぐに対策を始めたほうがいいでしょう」と松本さん。発生源のカビを取り、発生させない対策が大前提となる。





 風呂で代表的なのは黒カビ。5ミリ程度の黒い点にカビの胞子は千個以上あると言われている。

「カビを除去するには市販のカビ取り剤を使います。黒くなっている部分に泡タイプの溶液を吹きつけたら、ラップで覆って半日ほど置きます。その後、水でよく洗い流します」(松本さん)

 カビが発生する条件は温度(20度以上)、湿度(60%以上)、汚れ、気流(風が通らない)の四つとされる。まずやることは、窓を開ける、換気扇をかける。これでだいぶ湿度が下がり、風通しがよくなる。そこに「ひと手間加えたい」と毎田さん。

「最後に入浴した人が浴室の壁などに冷水をかけておくと、浴室の温度が下がります。その際、水切り用のスクイージーで水滴を払っておくと、より効果的です」

【台所】
 食事の回数が増えるほど増えるのが生ゴミ。ゴミ出しの日は決まっているので、その間は家に置いておかねばならない。何とかならないか。

「おすすめは市販のパンやお菓子の袋。水分をしっかり切り、新聞に包んだ生ゴミをそうした袋に入れ、封をして捨てるという方法です」と、目からうろこの話をするのは光田さんだ。

 生ゴミ入れにはレジ袋やポリ袋を使うことが多いが、実はこうした袋はニオイの分子が透過しやすい。一方で、パンや菓子の袋はパンや菓子を酸化によって劣化させないよう、酸素を通さない構造になっている。よりニオイが漏れにくいというのだ。

 消臭効果を高めたければ、袋に入った生ゴミにアルコールを直接吹きかけよう。異臭を放つ雑菌類の繁殖を、ある程度は抑えられるそうだ。

 魚の生ゴミを処理するときはクエン酸水を使う。魚の生臭さは“トリメチルアミン”という成分などによる。アルカリ性なので酸性のクエン酸が有効という。なければ、レモン汁や酢を水で希釈したものでもいい。

【エアコン】
 しばらく使っていなかったエアコンを動かすと出てくる、あのえもいわれぬニオイ。「まさにカビ臭です」と松本さん。

「エアコンは室内の温かい空気を吸い込んで、それを冷やして送風する機械です。温度差で結露が生じやすく、そこに空気中のカビの胞子が集まり繁殖しやすい。最初に使うときにたまっていたカビが一気に放出されるので、あのようなニオイになるのです」





 業者に任せる手もあるが、自らできることもある。お掃除サービスで知られるダスキン・サービスマスター事業部の世良博文さんに聞いた。

「シーズン初めには、室外機の周囲や排水ホース、本体のフィルターの掃除を。フィルターは家庭用の中性洗剤でやさしく洗い、本体の周りはホコリをキャッチするモップなどを使います。細かい部分のホコリは綿棒を使って取るといいでしょう」

 掃除は電源を抜いてする。さらに、エアコンを使う前にしておきたいのが試運転。内部にたまっているカビの胞子を排出するのが目的で、窓を開け十分換気ができる状態にしてスイッチを入れ、10分ほど運転させる。

 プロに頼むと、素人にはできないファンや熱交換器などのエアコン内部をキレイにしてもらえる。「ファンに黒ずみが見えたら専門業者に掃除を依頼したほうがいい」(世良さん)とのこと。プロのエアコン掃除は5〜6月がハイシーズン。混んでいる時期を避ければ割引していることもあるので、賢く申し込むのがお得だろう。

 最後に、ついつい使いたくなる芳香剤や消臭剤、脱臭剤について。芳香剤はもともと悪臭や香りの不快感を感覚的に軽減させるもの。毎田さんは「ニオイは隠せても、汚れは取れない」と強調する。「毎日掃除ができない人のための、お助けグッズぐらいのイメージでいてください」

 一方、消臭剤は化学的な方法でニオイを消すもの、脱臭剤はニオイの元を吸着するなどして物理的に取り除くものだ。使ってもよいが、やはりニオイの元を絶つことを第一に考えたい。

「気になるのは、芳香剤の使いすぎや重ね使い。消臭スプレーに添加されている香り、ルームフレグランスなど世の中は香り製品であふれています」と光田さん。こうした製品は生活臭を消す一方、体調を崩すなど別のニオイ問題をもたらす可能性があるという。

「本来、清潔にしていればニオイはそれほど気にならないもの。過剰に香りを付けないよう、上手に付き合っていくことが大切です」(光田さん)

※【重曹水・クエン酸水の作り方】
重曹水:スプレーボトルに水100mlと重曹小さじ1杯を入れ、振って混ぜる。*1週間〜10日ほどで使い切る

クエン酸水:スプレーボトルに水(あるいはぬるま湯)100mlとクエン酸小さじ2分の1杯を入れ、振って混ぜる。*その日のうちに使い切る

(本誌・山内リカ)

※週刊朝日  2021年6月4日号


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  • やっぱり換気だよね〜
    • イイネ!12
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