人生29年でいまさらエヴァ旧劇場版を見たら1時間ベッドで呆けた話 「こうする以外に、道はなかったのだろうか……」

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2022年06月24日 19:07  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真(「残酷な天使のテーゼ」MUSIC VIDEO(HDver.)より引用)
(「残酷な天使のテーゼ」MUSIC VIDEO(HDver.)より引用)

【※以下、いまさらですが「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズについてのネタバレが含まれます】



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 人生29年で今さらエヴァTVアニメ版を見た筆者、ついに、ついに旧劇場版も見終わりました……!



 第弐拾伍話と最終話を見て衝撃を受け、「旧劇場版でやっとちゃんとしたエヴァの最後を見られる……」と思い、ついにその最後が見られたわけなんですが……。



 ……ちょっと頭の中がぐちゃぐちゃになったまま、いまだに消化できていないような状態になっております。見終わった後、1時間以上ベッドの上で呆けました。



 ここからは、あ……ありのままに起こったことと筆者の感想を話すぜ……!



●まず「EVANGELION:DEATH(TRUE)2」を見る



 旧劇場版には、いくつか作品があると聞き、まずはNetflixで「EVANGELION:DEATH(TRUE)2」を。ただ、これは総集編という意味合いが強く、新しいシーンはほぼありませんでした。ですが、TVアニメ終盤の暗さから離れて物語中盤の明るかった感じを久々に見ることができ、なつかしい気持ちもわいてきました。ああ、このころに戻りたい……。



 ちゃんとした完結編は、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」ということなので、続いてこちらを視聴することに。



●冒頭から「どんな映画だよ」



 映画は、目を覚まさないアスカのいる病室にシンジ君が行くところから始まります。トウジやケンスケと離れ、旧綾波は死んでしまい、カヲル君を殺してしまったという絶望的状況のなか、唯一目の前にいるアスカにひたすら助けを求めるシンジ君。揺さぶっているうちにアスカの服がはだけてしまい、見えてしまった上裸を見て、自慰をしてしまうんです。いや冒頭から



 「どんな映画だよ」



 と突っ込んでしまいました。ただ、だんだん慣れてきて、そこまで衝撃を受けなくなってきている自分もいるんですよねこれが……(慣れって恐ろしい)。



 映画ではすでに、最後の使徒カヲルくんは倒され、あと視聴者を待っているのは、人類補完計画くらい。ミサトさんが車内で「出来損ないの群体としてすでに行き詰まった人類を完全な単体としての生物へ人工進化させる」と言っているのですが、この段階ではあんまり意味が分かりませんでした。後で知って「知らない世界の方が良かった」ってなるんだけど。



 その後、少しは落ち着いたはずのネルフ本部に攻撃が仕掛けられます。相手は、あの謎の組織ゼーレに差し向けられた戦略自衛隊。どうやらゲンドウとゼーレの間で人類補完計画を巡って考えが合わず、対立してしまったようなんです。



 ネルフ本部にどんどんと押し寄せてくる戦車や兵隊、ミサイル。ネルフの隊員たちが次々と殺されていきます。武器を持たず、逃げたり投降したりする隊員たちにまで戦闘員が容赦なく鉛玉を食らわせていく様に、悲しい気持ちが抑えられませんでした。どうしてこんなことしなきゃいけないんだよ……。



 そんな危機的状況ですが、シンジ君はうずくまって何もしないまま。戦闘員が頭に銃を突き付けても抵抗するそぶりすら見せません。ミサトさんに助け出され、またも「初号機に乗れ」といわれるのですが、シンジ君はもうぐでんぐでん。



 しかも、その後、弐号機に乗せられたアスカのシーンに移るのですが、海中で「死ぬのは嫌…死ぬのは嫌…」と何度もつぶやき、頭を抱えているような状態です。



 もうどんだけ悲惨なんだよ……。



 暗すぎる展開に、僕が嫌になってきました。でも、次から次へとくる展開に、映画が始まってからずっと目が離せないんですよね……。一瞬も集中力が切れることなく見入ってしまっていました。



●うぅぅぁぁあああぁぁああ……。



 その後、なぜかアスカが「お母さん、ずっと一緒だったのね」と覚醒。戦略自衛隊を弐号機でぶっ倒していくと、羽根を生やした白いエヴァンゲリオン9体も現れます(ゼーレはいつのまにかこんなのまで開発していたっぽい)。「(活動限界まで)残り3分半で9つ…一匹につき、20秒しかないじゃない」と話すアスカ。おおお、燃えるぜこの展開……! そうだよ、巨大な人造人間エヴァンゲリオンが敵を倒していく話だったよな、これ(え、違う?)。



 と思ったら、ここでなんとミサトさんが戦略自衛隊の銃弾に倒れてしまいます。最後に、精神崩壊気味のシンジ君に“大人のキス”をして(全然関係ない話で恐縮ですが、「電車男」で出てきた“大人のキス”の話はここから来てるんだ……と10数年たった今ようやく知りました)。さらに、ゲンドウを殺そうとした赤木リツコさんも、母に裏切られたショックのまま逆にゲンドウに殺されてしまいます。



 白いエヴァを次々と倒していき、善戦しているように見えたアスカにも、庵野監督の魔の手は襲ってきました。やられたようにみえた白いエヴァは実はまだ生きており、相手が放ったロンギヌスの槍が弐号機の頭を貫通。アスカの絶叫が響き渡ります。しかし、白いエヴァは攻撃を止めることなく、なんと囲んで弐号機を食い始めるんです。



 うぅぅぁぁあああぁぁああ……。



 もうドン引き。ネルフの人々が虐殺され、ミサトさんやリツコさんは失意の中で死に、ついばまれた弐号機の頭から目玉がぶらーんぶらーんと揺れているシーンを見て、



「第弐拾伍話と最終話を見ていたころの世界にもどりたい……」



 とすら思い始めました……。ぐああ……。



●そして、人類補完計画が始まる……。



 そこから先の話は、“新世紀”というより、“世紀末”という感じでした。まさに世界の終わり。「Air」編後に唐突に始まるエンディングなんてもはや驚くことじゃない。ここから先は、悲鳴と絶叫、恐怖の声ばかりが流れます。



 まずは、ぐちゃぐちゃになった弐号機を見てシンジ君が絶叫。再び目覚め、乗り込んだ初号機が悪魔になったような描写は、「すごすぎる……」ともはや感動すら覚えるほどの作画です。



 そして、ついに始まる人類補完計画。



 リリスと綾波がなんか分からないですけど融合し、巨大化した白い綾波が大気圏すら越えて起き上がってきます。それに合わせ、白いエヴァの身体から浮き上がるおびただしい数の綾波の顔。この間、シンジ君は「ひいっ」しか言ってません。これ、映画見ずにこの記事だけ読んだ人からしたら何言ってるかさっぱり分からないだろうな―――。



 さすがにこんな状況にもなれば、シンジ君も「もう嫌だ…もう嫌だ…」と頭を抱えます。実際、見ている時の僕の心境もそんな感じでした。子どものころ、インフルエンザにかかってこんな悪夢見たことあったような……。



 映画は、シンジ君の小さいころ、友達は先に母親と帰ってしまい、公園に1人取り残されるシーンに移ります。この制作陣、作品に身をささげている……。その後、アスカから「あんた私のこと分かってるつもりなの」と罵倒され、蹴られ、あっつあつのコーヒーを浴びるも、「ねえ誰か僕を…お願いだから僕を助けて」「一人にしないで」と懇願するシンジ君。ついには、怒りに任せアスカの首を絞めてしまいます。



 そして、始まる地獄。



●………。



 そこからは、人生29年間、ホラーやファンタジー、ミステリーやSFなど色んな映画やドラマ、小説を読んできた僕でも、ほとんど見たことがないほどトラウマの展開でした。



 終末感のあるピアノの旋律と歌声に合わせて地球に大量の綾波が現れ、TVアニメ版からおなじみのネルフ職員たちが次々にオレンジの液体へと飛散していきました。綾波に囲まれて恐怖に顔をゆがませる人から、リツコさん(綾波が変化しました)に抱かれて泣きながら笑顔で「センパイ…センパイ…」という人まで。



 一方、ゲンドウは、初号機に頭から食われます。さらに、槍のようなものに貫かれ、なぜか「あっ… ああ!」と快楽にもだえる白いエヴァ達(注:顔は綾波です)。



 その後、地球全体がオレンジ色に染まり、人々の絶叫が響き渡ります。



 もう、あぜんです。



 どうしてこうなった……。



 誰か助けてよ……。



 その後、実写の世界に入り、劇場に座っている人々の姿が映ると、もはや何を見ているのか、これは俺の夢の中の世界だったのかと錯覚すらし出すように。インターネットに庵野監督への誹謗中傷が描かれた場面では、この時の庵野監督は精神的に大丈夫だったのか、心配で胸が痛くなってきました。



 結局シンジ君は人類が1つになる道を捨て、元の世界に戻ってきましたが、周りはオレンジ色の海。そして、隣にいたアスカの首を絞め、「気持ち悪い」と言われて映画は終わりです。エンディングは途中に流れたので、ここで本当にブツッと終わりました。



 ………。



●希望はあった?



 なんと書いたらいいのだろう。おそらく、これを当時劇場で見ていたら、見終わった後座席からしばらく立てなかったでしょう。家で部屋を真っ暗にして見ていた自分ですら立てなかったのだから。しかも、当時の人々はTVアニメから1年以上経って見せられたのがこの劇場版なんですからね。



 個人の感覚ですが、大河ドラマの主人公が1話で生まれてから50話くらいで死ぬまでを一気に見たような、言葉では書き記し尽くせない虚脱感と切なさがありました。



 ハッピーエンドの作品だけが良い作品ではない。バッドエンドだからこそ伝えられるメッセージもある(そもそも人生をハッピーエンドで終えられる人間が、この地球上にどれだけいるのだろうか)。そういう意味で、この作品が伝えたいメッセージは伝わってきました。



 誰かに自分を理解してもらいたい、愛してもらいたい、助けてほしい――――。心の底からそれを渇望している一方、では自分は誰かにそうしているのか。頭の中にその言葉が繰り返し響くだけで、そこから先にたどり着けない心の中のぐちゃぐちゃ。それなら、みんな1つになった方が楽じゃないだろうか―――。しかし、最後、主人公は1つになることから離れ、別々でも対話をする道を選んだんです。自己の世界に閉じこもることなく、他人と関わる現実の人生を。



 しかも、綾波の台詞によると、自らの心で自分自身をイメージできれば、みんなヒトの形を取り戻せるといいます。そういう意味で、これからの世界への希望をかすかに見ました。



●こうする以外に道はなかったのだろうか……。



 しかし、自分を納得させようとする理屈を飛び越えて出てきてしまったのは、



 こうする以外に、道はなかったのだろうか……。



 という心情でした。



 子どもであるシンジくんをエヴァに乗せ続けてきた大人のリツコさんとゲンドウ、ミサトさんは、心の救済がほとんどないまま死んでしまいました。



 大人が現実を押し付け、子どもの願いや思いを踏みつけるような行為は大嫌いだし、そんな大人は子どもがぶっつぶしてほしいと思いますが、それでも、こんな幕切れを迎えたことに心がもやもや。



 しかも、シンジくんはあれだけ「父親と向き合いなさい」と言われ続けてきたにも関わらず、息子と父親が正面切って向かい合うことはなく、2人の関係は平行線、いやむしろねじれの位置にあったようなまま。親子だからといって向き合わなきゃいけない訳では全くないし、現実の世界では向き合いたい時にもうその人はいないなんてざらだと思いますが、ユイを喪失した2人のこれまでの関係を思うと、あのまま終わってしまったのはとてもさみしかったです。



 見終わった後は、何とも言えない気持ちに包まれ、これで良かったのか、そうじゃないのか消化できないまま1時間以上ベッドの上で呆けていました。



●終わりに



 旧劇場版を見終えてトラウマが植え付けられてしまった僕ですが、救われるのは(救われる……?)、エヴァには新劇場版があるということ。とここまで書いて前回の記事でも「旧劇場版を見れば気持ちが整理されるだろう」と夢見ていたことを思い出し、そんなことはなかった現実に恐ろしくなっていますが。



 ただ、新劇場版は当初映画館でやっていた時はTVアニメを映画化したものなのかと思っていましたが、どうやらそうでもないようで。今度こそ、この心のもやもやを晴らしてくれるようなエンディングを夢見て、新劇場版を心して見たいと思います。



 では最後に一言。



「結局、魂のルフラン、どこで流れるんだぁああっっ!!!」(やっと聴けるかと思ったら結局流れなかった)



 ※後日、編集部の先輩に「魂のルフラン」が流れるという「シト新生」のブルーレイを借り、ようやく見られそうです。


このニュースに関するつぶやき

  • テレビシリーズ→シト新生→EOE をリアルタイムで観たからこそ味わう感情もありましたね。 待ってる間に期待値が上がりまくりからのあの突き落としは衝撃的過ぎた。
    • イイネ!3
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