マンガだって立派な教科書!? 現役東大生が読む「勉強になるマンガ」を教科別に覗いてみた

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2022年06月25日 20:10  まいどなニュース

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写真現役東大生はどんなマンガを読んでいるのでしょうか
現役東大生はどんなマンガを読んでいるのでしょうか

「東大生」と聞くと、どんなイメージを持たれますでしょうか。抜群に学力が高く、特に専門分野への造詣が高い一方、娯楽などはさほどしないガリ勉タイプ……そんなイメージを持たれる人がいたら、それは前時代の話かもしれません。

【写真】東大生が読むマンガ、数学の勉強に役立つ『賭博黙示録カイジ』

興味深い本が刊行されました。『東大×マンガ』東大カルペ・ディエム著/監修:西岡壱誠(内外出版社)という本です。

現役東大生が選んだ「勉強になるマンガ」を55冊紹介・レビューしたものです。さらに国語・数学・理科・社会と、教科ごとにタメになるマンガと、どんな読み方がポイントなのかも紹介されており、これまでのマンガのレビュー本とはまた違う視点からの見方が面白いです。ここでは本書の中から、「東大生が読むマンガ」をいくつかピックアップしてご紹介します。

【国語に役立つ・東大生が読むマンガ】『【推しの子】』(集英社) 

まずは東大生が選んだ【国語に役立つマンガ】を見ていきましょう。東大農学部の姜利英さんがチョイスしたのは『【推しの子】』でした。

主人公が前世の記憶を持ったまま生まれ変わる、いわゆる“転生もの”のファンタジー作。2021年6月「TSUTAYA」が主催する漫画賞「第5回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」で3位を受賞。同年8月には「ニコニコ動画」と『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA) が創設したユーザー参加型のマンガ賞「次にくるマンガ大賞」コミックス部門で1位となった注目の作品です。

姜さんによると、「舞台設定を捉えられるようになると、国語の長文読解が解きやすくなる。それ以上に物語を深く楽しめるようになる」とのこと。確かに作品のストーリーは理解すべき情報がやや多めで、前世・今世が行き交うため、それを楽しみながら読み進めれば、長文の読解力が鍛えられるのも納得です。

【数学に役立つ・東大生が読むマンガ】『賭博黙示録カイジ』(講談社) 

続いて【数学に役立つマンガ】を見ていきましょう。東大文学部の布施川天馬さんがチョイスしたのは『賭博黙示録カイジ』でした。

大金を賭けたギャンブルのヒリヒリ感を感じさせてくれるストーリーで、1996年に『週刊ヤングマガジン』で連載を開始するやいなや、大人気となった作品。同年には「第22回講談社漫画賞」を受賞した。アニメ化、ゲーム化、パチンコ化、パチスロ化、実写映画化がされています。

布施川さんによれば「ギャンブルが“運の勝負”ではなく、“数学的な頭脳戦”に変化」「カイジが信じているものは“数学的な頭脳戦”ではなく“数学”」とのこと。さらに「カイジのようにゲームに真剣に向き合うと、数学の新たな世界が開けるかもしれない」とも綴られており、ギャンブルマンガを数学的視点で見る面白さ、新たな発見を紹介しています。

【理科に役立つ・東大生が読むマンガ】『薬屋のひとりごと』(スクウェア・エニックス)

続いて【理科に役立つマンガ】を見ていきましょう。東大経済学部のの方で『東大×マンガ』の監修も行った西岡壱誠さんが選んだのは『薬屋のひとりごと』でした。

大陸のとある大国で、医師である養父を手伝い花街で働いていた少女・猫猫。人さらいによって後宮に下女として売られた後、皇帝のお世継ぎが連続死していることを知ります。薬の知識がある猫猫は“違う原因”があると推測。後宮に渦巻く事件に、毒と薬の知識を持つマッドサイエンティストな猫猫が次々と巻き込まれながら、解決へと向かうストーリーです。

西岡さんによれば「大学入試に必要な、日常生活の中の理系の知識 それが楽しく自然と学べる作品」「医学・生物学をはじめとする理系の知識が、物語の謎を解くキーワード」「勉強していれば主人公より早く謎が解けてしまう」とのことで、ある意味では『東大×マンガ』の象徴的なチョイスのようにも感じます。また、西岡さんは「“学校で習う知識をどう活かすか”が学べる」「実はこれからの大学入試で問われるのは、こういう日常生活とのつながり」とも結んでおり、『薬屋のひとりごと』の全体構成もまた学びが多いと紹介しています。

【社会に役立つ・東大生が読むマンガ】『江戸前の旬』(日本文芸社)

最後に【社会に役立つマンガ】を見ていきましょう。東大文学部の布施川天馬さんがチョイスしたのは『江戸前の旬』でした。

単独タイトルとしての累計発行部数は1250万部(2019年9月時点)。スピンオフ作品などを含めた累計発行部数は1500万部を超える大ヒット作で、江戸前寿司店を舞台に描かれた人情物語的作品です。

布施川さんによれば「鮨職人の目を通して描かれる課題は日本の地理や産業を学ぶきっかけになる」「『江戸前の旬』に描かれている事柄は、どれも僕たちの暮らしに密接したものばかり。日本中の地理や産業について考えるきっかけになる」と語っています。この柔軟な読み方もまた東大生ならではと思いました。読んでみると、確かに“寿司“を通した様々な地理や海流の話、はたまたアニサキスなどの魚特有の寄生虫の話などもあり、社会だけでなく理科にも活用できる描写が数多く見受けられました。

まず、読んでみて、東大生の考えに共感したり反発したりすることで、知識や教養を身につけてほしい

ここまでに紹介した現役東大生が選んだ「勉強になるマンガ」はほんの一部で、『東大×マンガ』にはまだまだ多くの作品が紹介されています。その切り口がまず面白く、本書そのものもまた「勉強になるマンガのレビュー本」としての機能だけでなく、「現役東大生はどんなことを考えているか」を知ることができる一冊でもありました。

本書を担当した内外出版社の編集者にも話を聞きました。

「『東大生が読むマンガ』の傾向は、男女問わず『男性向け』といわれている漫画雑誌に連載の作品が多いような気がします。舞台設定が複雑で、余白がある内容というか考えさせられる内容に人気があるみたいです。あるいは、主人公が目的に向かって努力し、つまずきながらも、成長していく話も人気があります。

本書制作中、当たり前ですが、紹介する作品の著作権を侵害しないように同じ出版人として最新の注意を払いました。しかし、それぞれの作品の担当編集の皆さんが、真摯に本書と向き合ってくださり、かなりご協力していただきました。感謝しかないです。

また、今回の本は執筆者が14人いて、全員が現役の東大生です。彼らの斬新な考え方に触れるのは、新鮮な驚きと学びになりました。個性ある原稿を、個性を損なわないように調子を揃え一冊にまとめるのは苦労しつつも楽しかったです。

『マンガ好き』『マンガがそんなに好きじゃない』方も、まずは読んでください。何故ならマンガを読むと人生が豊かになるし、自分の中に物語が蓄積されて、勉強にも大きくつながっていくからです。

『漫画で勉強?』と疑わずに好きな漫画が載ってれば、まずはそこから読んでください。

東大生の考えに共感したり反発したりしてください。そして『でもそうかな』『いや違うな』など『なぜ共感するのか』『なぜ反発するのか』と、いろいろ考えてください。

そうするうちに自ずと知識や教養が身について、勉強そのものが楽しくなりますよ」(内外出版社・担当編集者)

本書で紹介された作品の作者の中には、東大生のレビューを興味深く読み激励のコメントを寄せた人もいたそうです。また、大学受験を目指す高校生をターゲットにしていたはずが、中学受験を目指す親御さんからの反響もあったとか。単なる「マンガレビュー本」と思ったら大間違いの、新発見と学び満載の一冊、ぜひ手にとってみてください。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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  • 東大生が何か偉いのか?権威主義には辟易。
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