影山優佳、手話を披露しながらWEリーグの取り組みに感激「選手にしかできないこと」

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2022年06月26日 08:01  TVerプラス

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6月25日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25〜)は、初年度のシーズンを終えた女子プロサッカーのWEリーグを特集。WEリーグの岡島喜久子チェアと、日向坂46の影山優佳をゲストに迎え、日本初の女子サッカープロリーグの1年目を振り返った。

去年の9月に開幕し、今年の5月まで熱戦が繰り広げられた初年度のWEリーグ。初優勝を果たしたINAC神戸レオネッサがリードするも、三菱重工浦和レッズレディースや日テレ・東京ヴェルディベレーザなどの名門も力を発揮し、3位以降は混戦となるなど、大きな盛り上がりをみせた。しかし、観客動員数の伸び悩みをはじめとした課題も浮上。WEリーグでは開幕当初の目標を平均観客数5000人としていたが、全日程を終えた平均観客数は1500人ほどにとどまった。

この結果には女子サッカー界のレジェンド・澤穂希も「チームだったり日程だったり、どういう選手がいるのかということを、もっと発信していかないと、いろいろな人の目や耳に入らない」とコメント。WEリーグではSNSを使って積極的な情報発信を行ってはいるが、そもそもJリーグと比べてもホームの試合数が少なく、話題になりづらいという現実があった。

岡島チェアは、この課題について、「プレシーズンカップということで、カップ戦をする予定になっています」と宣言。2年目はこれまで以上に真剣勝負の舞台を増やし、より多くの人の目に触れる機会を作っていくという。

さらに、岡島チェアは「“スタジアムに来たら面白い”というものを作っていかないと難しい」と、サッカー以外の取り組みが重要だと指摘。影山も「スタジアムに来たことによって、商店街で安く買えたり散髪が半額になったりとか、そういう地域の人が生活しやすくて楽しくなるようなアイデアは一個ありかなって思います」と提案する。

実際に各クラブも観客数を増やすための施策を行っており、アルビレックス新潟レディースでは、J1の男子チームと同じ日に戦う共催試合を実施。男子と女子の試合の間の空き時間には、ワンコインでアルコール類を飲み放題にするなどのアイデアで、サポーターを喜ばせた。

集客面では、WEリーグ初となるビッグプロジェクトも成功を収める。今年の5月14日、WEリーグの初代女王に輝いたINAC神戸レオネッサと、皇后杯を制した三菱重工浦和レッズレディースが、国立競技場で歴史的な一戦を戦った。初の国立開催には両チームのサポーターが詰めかけ、来場者はWEリーグ初となる1万人越えを達成。子ども連れのサポーターも多く、女子サッカーの裾野拡大にもつながった。

WEリーグ成功のカギは、いかに女子サッカーを普及していくかということ。スペインでは、女子チャンピオンズリーグの試合で観客動員数9万人越えの世界記録が生まれていた。この驚きの観客動員数には、MCの勝村政信も「日本ってどうしても女子と男子で分けて考えちゃうじゃないですか。でも、海外ってそんなこと関係なくて、良い試合を見に行くっていうことじゃないですか」と納得する。

ヨーロッパサッカーの最前線で20年に渡り活躍し、WEリーグの理事も務める佐伯夕利子は、これまでスペインの女子サッカーリーグが行ってきた取り組みに言及。実は、スペインでは試合を全てスタジアムで開催するのではなく、トレーニングセンターで行なうのがスタンダードなのだという。

トレーニングセンターには様々なカテゴリーのピッチがあり、佐伯は「ピッチが10面あって、そこにトップチームのトレーニングピッチがあって、3歳児もいて、レディースもいて、知的障害者のチームもいる。みんなが常に稼働している状態」と説明。結果としてカテゴリーの垣根を超えたコミュニティが形成され、スペインサッカーの醸成につながっていった。

また、スペインではリーグ戦にスポンサーが入り、試合観戦は無料の試合が多い。ジェンダー平等の意識が強い欧州では、企業が女性の社会進出をサポートしており、女子サッカーチームへの投資も増えているのだという。

WEリーグでも、女子サッカーにおける社会的な価値を重視しており、「女子サッカーを通じて社会の実現・発展のために各クラブがアクションを起こす日」として、「WE ACTION DAY」を導入。大宮アルディージャVENTUSでは、所属選手たちによるサッカー教室が開かれており、選手が直接子どもたちに指導を行っていた。

サッカー教室では、サッカーと同時に選手が手話も教えており、スタジオでは影山がかつて学んでいたという手話を披露。「大好きな選手たちが手話を身近なものだと感じさせてくれるというのは、本当に今すごく感動していて。“WE ACTION DAY”でWEリーグの選手たちにしかできないことだなっていうのは、すごく感銘を受けました」と話した。

他にも、ジェンダー問題をテーマにディスカッションを行うなど、選手全体にWEリーグの理念は浸透しつつある。岡島チェアが「私たちは先に行ってるんだっていう気持ちをちゃんと持って、自信を持って前に進んでいかなくてはという気がします」と意気込むと、影山も「常に問題提起をしていくことは、日本サッカー界だけじゃなくて、社会全体にとって本当に必要なことだなって思います」と賛同していた。
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