ドコモに聞く「dポイントクラブ」改定の背景 なぜ契約年数を条件から撤廃したのか?

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2022年06月27日 09:22  ITmedia Mobile

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写真新会員プログラムでは、ドコモの利用年数ではなく、直近3カ月間のdポイントの利用実績で判定される
新会員プログラムでは、ドコモの利用年数ではなく、直近3カ月間のdポイントの利用実績で判定される

 NTTドコモの共通ポイント「dポイント」の新たな会員プログラムがスタートした。これまでの「ステージ制」から「ランク制」となり、ランクアップの仕組みや特典が大幅に変更された。新会員プログラムをなぜ導入したのか、どんなメリットがあるのか。同社の担当者に話を聞いた。



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●「ポイント獲得数」を判定条件とすることで、よりたまりやすく



 dポイントを利用するには、キャリアを問わず加入できるdポイントクラブに参加する必要がある。キャリアフリーサービスであり、ドコモの回線ユーザー以外も使える共通ポイントだ。



 そのdポイントクラブでは、会員特典を提供するためにステージ制を導入していた。「1st(ファースト)」から「Pt(プラチナ)」までの5ステージがあり、ステージアップするには一定以上のドコモ回線継続利用期間または6カ月間累計で一定以上のdポイント獲得数が必要だった。



 プラチナステージになるには15年以上の継続利用か6カ月で1万ポイントを獲得するという条件で、セカンドステージに上がるだけでも、4年以上または600ポイントが要求されていた。



 それに対して新会員プログラムではランク制となり、1つ星から5つ星までの5段階であることは変わらないが、ドコモ回線の継続利用の条件が廃止された。dポイント獲得数だけが条件となり、累計期間も3カ月に短縮されている。1つ星から2つ星へのランクアップには3カ月で100ポイント、3つ星では600ポイントの獲得が条件で、最上位の5つ星には5000ポイント獲得が必要となる。



 このランク制の導入について、南部氏は「『dポイントがたまる、使える』をもっと実感してほしい」という背景があったと話す。これまでのステージ制では、ステージアップしてもdポイントの獲得率に変化がない上に、「dポイントを獲得しなくてもドコモ回線を長期間継続しているだけでステージが上がる」という状態だった。



 ステージ制で提供されていた特典は、例えばプラチナステージではイオンシネマでのACチケット(ペア)や百貨店商品券、東京ディズニーリゾートパークチケット(ペア)などが抽選で当たるというクーポンの提供がメインで、ドコモ回線の継続期間に応じて誕生月にdポイントをプレゼントする「ずっとドコモ特典」など、基本的にドコモユーザー向けに設計されていた。



 そのため、仮に6カ月で1万ポイントをためてステージアップしても、得られるdポイントに変化はなく、ドコモユーザー以外だとあまりメリットがなかった。「ポイントがたまりやすい、という特典を提供できていなかった」と南部氏は指摘する。



 その結果、dポイントがたまりやすいように設計をしたのが今回の新会員プログラムだという。1つ星が基本の1倍だが、2つ星以上だと基本ポイントに特典ポイントがプラスされる形になる。2つ星だと1.5倍、3つ星と4つ星で2倍、5つ星では2.5倍の獲得率になるため、ポイントがたまりやすくなる、というのが基本設計だ(なお、従来のクーポンのうち、「ドコモチューズデー」「リロプレミアクーポン」は、会員全員に提供されるようになった)。



 基本の200円1ポイントの場合、2つ星では200円で1ポイント(小数点切り捨て)だが、400円なら3ポイントになる。3つ星になれば200円で2ポイント、400円で4ポイント、5つ星だと200円で2ポイント、400円で5ポイントとなるわけだ。



 これが1000円の商品を購入した場合、1つ星だと5ポイント、2つ星だと7ポイント、3つ星と4つ星で10ポイント、5つ星では12ポイントとなる。単純に2.5倍になるわけではない。中にはポイント獲得率が100円で1ポイントの店もあるので、そうした場合は5つ星なら200円で5ポイントと一気に増える。そうした店を活用すれば、さらにたまりやすくなるだろう。



 毎月の獲得上限が1万5000ポイントで、特典分ポイントは期間限定であること、上位ランクになっても小数点切り捨てのために、2つ星や5つ星でも200円1ポイントの店なら400円を基準に考えないと最大倍率にならないといった、苦心の跡が見える設計。いずれにしても南部氏は「従来は抽選でエントリーが必要だったが、必ずもらえる特典で、dポイントがたまりやすいと感じてほしかった」とその狙いを話す。



 もちろん、ドコモ回線の継続期間は長かったがd払いはそれほど使っていない、というような人だと、ランクが下がることはある。今回の新会員プログラムの狙いもそこにあり、dポイントやd払いを利用する人に特典を提供することを主軸に置いたものだ。



 これまでのように、ドコモ回線のユーザーだからといって優遇するわけではないが、従来も特典を得られなかったahamoユーザーやドコモのエコノミープランのユーザー、そしてMNPがしやすくなった昨今の状況も踏まえて、新規にドコモに加入したユーザーに対しても、継続期間が短いというだけで特典が得られないという状況を避ける狙いもある。



●1つ星から2つ星アップへのハードルを低くした



 新会員プログラムではさらに、1つ星から2つ星へのランクアップに必要なポイント獲得数を100ポイントにしたというのも工夫した点のようだ。「最初のハードルをかなり低くして、ランクアップしやすくなるように作った」と南部氏。



 例えば「ギガホ」ユーザーであれば、3カ月の月額料金の支払いだけで2つ星になる。「今までポイントに興味がなかったという人でも、1.5倍のポイントになると使うモチベーションになるのでは」と南部氏は言う。ギガホをdカード GOLDで支払っている人なら、それだけで4つ星だ。



 ahamoユーザーであれば月額料金の支払いだけで、3カ月で60ポイントがたまる。あとは40ポイント分の買い物をすれば100ポイントはクリアできるため、100円1ポイントの店なら3カ月で4000円の支払い、200円1ポイントの店なら3カ月8000円の支払いで達成できるため、比較的達成は容易だ。



 加えて、dポイントカードを提示してd払いまたはdカードで支払いをすると、dポイントが二重取りできる仕組みになっており、この二重取り分はいずれもランクアップ対象となる。そのため、基本ポイントが200円で2ポイント、1000円の支払いなら10ポイントがランクアップ対象となる。100円1ポイントの店ならさらに倍になるので、よりランクアップしやすい。



 さらに、d払いにdカードを登録すると、dカードの1%還元が追加され、1.5%還元(200円3ポイント)になる。しかもd払いやdカードは100円ごとのポイント還元なので、200円1ポイント還元のdポイント加盟店で、dカードを登録したd払いで300円分の支払いをすると、dポイントとd払いは1ポイントずつ(0.5%還元)だが、dカード分が3ポイント(1%還元)になるため5ポイント獲得できる。1000円の支払いなら16ポイントだ。それが全てランクアップ対象となるため、ahamoユーザーなら3カ月3200円の支払いで2つ星にランクアップする。



 ドコモユーザーの場合は月額料金だけでランクアップしやすいが、回線がなくても、100ポイントの2つ星ならば3カ月2万円程度。コンビニエンスストアやドラッグストアなどの普段の用途に加え、飲み会で支払いをまとめる、といった使い方をすれば簡単に上がりそうだ。



 3つ星へのランクアップ条件は3カ月で600ポイントになり、少し難しくなる。3カ月4万円程度だが、南部氏は「ネイルサロン、美容室、マッサージなど、ある程度まとまった金額の店で、定期的に行くところを意識すれば上がるのではないか」と話す。



 「生活のシーンの中で、ポイントをためやすいヒントは色んな所にある」と南部氏。dポイントを使うほどにたまりやすさが実感できるという点をアピールして、ユーザーの利用促進を促す考えだ。



●複数の決済手段の中からメインで使ってもらえるように



 こうして、使ってもらうことを重視する方針となったのは、複数の決済手段を併用する人が多いからだ。携帯回線は1つのキャリアにすれば、(普通は)他のキャリアを併用することは少ない。



 ところが決済手段の場合、クレジットカード、電子マネー、コード決済などがあり、それぞれ店舗に応じてサービスを使い分けることも多い。コンビニエンスストアのようにほとんどの決済に対応している店で、dポイントやd払いを使ってもらえるように、「たくさんの人に経験してもらえることを大事にしたい」と南部氏。



 「dポイントがたまる」手段は、d払い、dカード、iDでのdカード、dポイントカードの提示といくつかのパターンがあり、いずれかを定常的に使ってもらって、ドコモの決済サービスにユーザーをつなげていきたい考え。そのためにも、まずはハードルを下げてポイントアップをしてもらい、dポイントがたまりやすいと実感してもらうことを目指したという。



●加盟店を拡大し、たまりやすいことを認識してもらう



 利用促進のためには、加盟店の拡大も欠かせない。コンビニエンスストアやスーパー、ドラッグストアなど、dポイントの利用が可能な店舗は拡大している。南部氏も、「新しいユーザーとの接点が一番多いのは加盟店」と指摘。dポイントへの接点がない人も、店舗でお得になることで使ってもらえるように、加盟店拡大は今後も重視する。



 大手チェーンだけでなく、地場のスーパーや地域密着店、地元でよく使われる店というのがあるので、そうした店舗にもd払いを含めてdポイントの導入を進める。こうした点では、自治体とのキャンペーンも重要で、キャンペーンを契機に地域の小規模店舗でも導入を目指す。



 中小・個店では特に、d払いの決済手数料や付与するdポイントの購入が必要になるため、負担が増える。それには、マーケティングの支援、送客といったメリットを提供。現在も「スーパー販促プログラム」として、クーポンなどのサービスも提供しているが、「まだまだ足りないところはある」と南部氏。現時点で詳細は明らかにされなかったが、加盟店向けにも、今後取り組みを強化していく方針だ。



 ドコモは、dポイントのたまる決済手段としてd払いとdカードがあり、三位一体で決済事業の拡大を担っているが、加えて、金融事業への拡大も目指している。銀行では三菱UFJ銀行との合弁会社を設立予定で、ポイント投資や保険なども手掛けているが、基本的には提携によるサービス展開となっている。



 他の共通ポイント陣営が金融事業もグループ内に抱えている中、ドコモの戦略は「提携だけでなく、その都度どの形で展開するのが最適かを検討して広げていく」(同)としている。



 ポイント投資をはじめとして金融事業への展開は、「ためる」だけでなく「使う」ことにもつながる。新会員プログラムでは「『たまる』に注力した」と南部氏が認めている通り、「まずは使ってもらってたまりやすいことを認識してもらう」という位置付けで、続いて「使う」に対する取り組みも検討しているという。



 使える場所(加盟店)を増やすだけでなく、ポイントの出口をいかに拡大するか。南部氏は、ポイント投資への利用拡大を目指すだけでなく、「いろいろな取り組みを発表したい」と話している。



 なお、新会員プログラムになったことで、今後大規模キャンペーンを縮小していくのかという問いに対して南部氏は、「全部やめるというわけではなく、ブーストできない部分では、やはりキャンペーンが必要」との認識。動向を見ながら、キャンペーンの実施も検討していくそうだ。


このニュースに関するつぶやき

  • 私の場合、次回のランク下がるんだけど…。長期契約者の特典だけは削ってくれるなよ。
    • イイネ!28
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