広島入りの秋山翔吾、日本で活躍できるかは“未知数” それでも獲得が成功の理由

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2022年06月27日 18:00  AERA dot.

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写真メジャーリーグ・レッズ時代の秋山翔吾(写真/gettyimages)
メジャーリーグ・レッズ時代の秋山翔吾(写真/gettyimages)
 メジャーからNPBへの復帰を表明していた秋山翔吾が広島入りを決断した。


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 古巣の西武、資金力のあるソフトバンクも獲得に動いていたが広島と3年契約を結んだ。日本での実績は申し分はなく“即戦力”としての期待も高まるが、かつてのような輝きを日本で見せられないのではという懸念があるのも事実だ。


 秋山は西武に在籍した通算9年間で1405安打、116本塁打、513打点、112盗塁と素晴らしい成績をマークした。2017年には首位打者に輝き、2015年に記録したシーズン216安打は今でもNPBの歴代最多記録だ。守備でも6度のゴールデングラブ賞を獲得するなど、走攻守揃った球界を代表する名選手だった。また、真面目に野球に取り組み、チームを第一に考えプレーする献身性も高く評価されていた。


「結果はもちろん野球への姿勢も素晴らしかった。感情を表に出すことなく淡々とプレーして結果を残す姿は若手の見本だった。秋山を見習えというが西武の新入団選手への教えだったのは有名。同じチーム内はもちろん他球団の選手からも慕われていた。グラウンド内外で模範になれるチームリーダーだった」(西武担当記者)


 日本での実績を携え19年オフに満を持してメジャー挑戦を表明。複数球団が興味を示す中、最終的に名門球団のレッズと3年総額2100万ドル(約28億4000万円)の契約を結んだ。


「レッズは米国最古のプロ球団です。かつてはトラディショナル・オープナーという、各球団より先に本拠地で開幕戦を行う権利があったほどの伝統球団。中西部の保守的な都市シンシナティがホームで、日本人選手には縁がないと言われていた。秋山との契約は名門復活への本気度の表れと話題になった」(在米スポーツライター)


 大きな期待を背負ってレッズに入団し、1年目はシーズン当初こそ苦労したものの中盤から後半戦にかけては適応の兆しも見せた。しかし飛躍が期待された2年目は良いところなくシーズンが終了。今年もオープン戦でアピールできず開幕ロースターから外れ、レッズを退団となった。その後パドレスとマイナー契約を結び、再びメジャーで活躍する道を模索していたが最終的に日本への復帰を決断することとなった。



 メジャーでの通算成績は142試合に出場し、71安打、本塁打0、21打点、9盗塁。守備では時折、周囲を唸らせるプレーを見せたが、日本での実績を考えると非常に物足りないものとなった。


「攻撃面でここまで壁にぶつけるとは意外だった。西武時代は広角に打ち分けるバットコントロールはもちろん、パワーとスピードも素晴らしかった。メジャーでは確実性も低くなり、力強い打球を打ち返すことができていなかった」(MLBアジア地区担当スカウト)


「打撃投手の球を打っても外野の頭を越えることが少なかった。パワー、打ち方の両方に問題があったのだろう。相手投手の球威を利用して逆らわずに打ち返すタイプ。確実にミートできなければ結果にはつながらない。渡米した日本人選手が直面する動く球への対応にも、予想以上に手こずった」(在米スポーツライター)


 メジャーでは苦しんだ秋山だが、34歳とまだまだできる年齢ではある。とはいえ、すぐさま活躍できるほどNPBのレベルは低くはない。


「日本復帰は懸命な選択。しかし、かつてのような結果を出せるかどうかは未知数。米国で2年以上プレーし、その間に多くのものが変化している。現在のNPBは極端な投高打低が進んでいる。また秋山自身も米国仕様の打撃に適応しようとしていたため、再びNPB仕様に戻さないといけない。早く調整を始めないと時間が足りない可能性もある」(在京球団編成担当)


 今季はロッテの佐々木朗希が完全試合を達成するなど、ノーヒットノーランが続出。さらに、6月26日終了時点で防御率1点台の投手が両リーグで7人も存在しており、投高打低が顕著だ。そんな中で、実績はあるとはいえ“実戦感覚”を失っている秋山が活躍できるか不安な部分も少なくない。


 また、技術的なことだけでなく、メンタルの部分も重要な要素になってくるという。


「精神面のケアも必要となるはず。世界最高峰の舞台での大きな挫折をした心の傷は大きい。また、渡米前から注目され各マスコミ、イベント等に引っ張りだこ。西武時代とは比べ物にならない待遇をされたことで、以前のようなハングリー精神が薄れていないかも心配」(在京球団編成担当)



 現状を見る限り、広島ではすぐに結果を求めるのは難しいかもしれない。しかし数球団が即座に獲得に動いたのは、グラウンド上でのパフォーマンス以外にも秋山に対して求めるものがあるからだ。同じような例として、広島・長野久義、西武・内海哲也のように際立った成績を残さなくても、チームに欠かせない存在になっている選手もいる。将来の幹部候補生として必要な人材になるとも言われている。


「獲得に手を挙げた球団はその辺も十二分に理解していたはず。技術は練習で高められても人格は変えられない。西武、ソフトバンクは秋山の影響力がわかっていた。広島も長野の例がある。今回の秋山争奪戦が過熱したのも理解できる」(西武担当記者)


 獲得に成功した広島は、ここから上位進出するための起爆剤としての役割も望んでいるだろう。しかしそれ以上に中長期スパンでの影響力を重視し、球団のレガシーになってくれるということも同時に期待しているはずだ。仮にグラウンド上で結果を残せなかったとしても不良債権と簡単には判断できない“価値”がある。広島ではグラウンド内外でどのような存在となるのか、新天地で戦う秋山に注目したい。


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