元ビリギャルが米国の教育大学院に留学 「高校時代に自分が変われた理由を科学的に証明したい」

202

2022年06月28日 11:30  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真小林さやか(こばやし・さやか)/1988年生まれ。偏差値を40上げて慶應義塾大学に現役合格したことで知られる。好きな言葉は「意志あるところに道は開ける」(photo 本人提供)
小林さやか(こばやし・さやか)/1988年生まれ。偏差値を40上げて慶應義塾大学に現役合格したことで知られる。好きな言葉は「意志あるところに道は開ける」(photo 本人提供)
 高校2年夏まで学年ビリのギャルだった小林さやかさんが米国の大学院に合格した。34歳になった元ビリギャルが、今どんな夢を描いているかを聞いた。AERA 2022年7月4日号の記事を紹介する。


【写真】ウエディングプランナーとして活躍していた頃の小林さやかさん
*  *  *


──米コロンビア大学大学院に合格しましたね。なぜ留学を?


小林さやか(以下、小林):2010年に慶應義塾大学を卒業しウェディングプランナーとして働いていた頃、ビリギャルの本が出版されました。それをきっかけに講演依頼がくるようになりました。その中で「ビリギャルってもともと頭よかったんだろう」「夢、見させるなよ」と言ってくる子どもにたくさん出会ったんです。自分なんて何をしても絶対に無理、というバリアーです。それがあまりに強いことにびっくりしました。


■1日8時間も英語漬け


 子どもたちの根底にある「闇」みたいなものは何だろう、どうやったらそのバリアーを外してあげられるんだろうと悩み始めました。結果、私自身がもっと学んで子どもたちの周りにいる大人を変えられるだけの力を持つべきだ、という考えに行き着いたんです。そんな時、(高校生の時に塾で教えてもらった)恩師の坪田信貴先生から「君さ、本気で教育をやりたいのなら一度日本を出ないとだめだよ」と言われ、留学を意識し始めました。そこでまず19年に聖心女子大学大学院に入り、人間の学びにフォーカスした「学習科学」を学び、21年に修了し留学を決意しました。


──米国の大学院には英語の試験、TOEFL(トーフル)(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの各30点で120点満点)で一定の点を取れないと出願できません。


小林:そうなんです。大学受験の勉強から15年間は英語から離れていたので、めちゃめちゃ勉強しました。1日8時間、まさに英語漬けでした。


──勉強法は?


小林:まず、英語学習の基礎となるボキャブラリー(語彙(ごい))を増やすため、英単語帳一冊を丸暗記し、同時に中学レベルの英文法も最初からやり直しました。その後、TOEFLを主催するETSが出している過去問を全てやりました。基礎を固めて実践を積み、苦手なところを潰していくことで正答率を上げるというプロセスは、大学受験の時と全く同じでした。


 最終的に104点取れました。最初に受けた時は62点で、合格したコロンビア大学の教育大学院は「足切り」が100点。自分でもよく頑張ったと思います。



──9月から大学院生です。


小林:楽しみしかありません。夫(37)も日本の会社を辞め、一緒に渡米します。夫は私以上に自由な発想の持ち主で、私がやりたいことを応援しつつも、彼も新しいことに挑戦するようで、2人でワクワクしています。


■子どもの蓋を外したい


──米国では何を学ぶのでしょうか?


小林:どのような学習環境があれば、学習者の高いパフォーマンスを効果的に引き出すことができるのか、つまりビリギャルだった私がなぜ高校2年生の時にあんなに変わることができたのか。認知科学を学び、それを科学的に証明したいです。修士課程は最低でも2年。貯金をはたいて勉強します。未来への投資です。


──そこまで小林さんを突き動かすものは何ですか?


小林:使命感でしょうか。私は人との出会いに恵まれ、今はこうしてポジティブに学ぶことを楽しめる人生を歩めていますが、本当に紙一重だったと自分でもよくわかっています。


 昔の私みたいに、大人から明確な根拠なく否定され、自信をなくし人生に絶望している子どもはたくさんいます。私がそこからこっち側に来たのは、可能性に蓋(ふた)をされている子どもたちの蓋を外してあげるために教育、さらにはそれを取り巻く環境を変えるという使命があるに違いない。そう、子どもたちと接する中で思うようになったのです。


 私のビジョンは「日本を世界一幸せな子どもが育つ国にする」ことです。日本の子どもたちの低い自己肯定感をなんとかしたい。そのために、「ビリギャルのモデル」としてではなく、一人の教育者として、貢献していきたいです。今回の留学は、そのビジョンに向かう新たな一歩。ニューヨークにある教育大学院という多様な価値観が集まる環境で、しっかり学んできたいと思います。


(編集部・野村昌二)

※AERA 2022年7月4日号


このニュースに関するつぶやき

  • 「留学」と「留年」を逆に覚えてた外国人留学生が留年してた(笑)
    • イイネ!30
    • コメント 2件

つぶやき一覧へ(122件)

前日のランキングへ

ニュース設定