ドラフト戦線に急浮上するのは? この夏に“大化け”の可能性秘めた高校生5人【投手編】

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2022年06月28日 18:00  AERA dot.

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写真帝京長岡・茨木秀俊(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)<br />
帝京長岡・茨木秀俊(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)
 沖縄、北海道、兵庫など高校野球の地方大会は既に開幕している地区もあるが、7月からはいよいよ全国で甲子園出場を目指す戦いが本格化することになる。ドラフト候補となる選手にとっては大きなアピールの場となるが、この夏の活躍次第で急浮上する可能性を秘めた選手について探ってみたいと思う。今回は投手編だ。(※「野手編」はこちら)


【写真】1試合20奪三振も!注目の大型サウスポーはこちら
*  *  *
・坂本拓己(北海道・知内) 180cm85kg 左投左打


 北海道の投手では斉藤優汰(苫小牧中央)と門別啓人(東海大札幌)の2人が評判となっているが、もう1人面白い存在になりそうなのが知内のエースである坂本だ。昨年秋の全道大会では初戦で士別翔雲に1対2で敗れたものの12奪三振をマーク。春の全道大会でも駒大苫小牧、東海大札幌の強豪を相手に好投を見せている。たくましい体格で下半身の強いフォームが特長で、力を抜いて楽に腕を振って投げられるストレートは数字以上の勢いを感じる。高校生サウスポーにしてはコントロールも安定しており、走者を背負ってから粘れるのも持ち味だ。夏の函館支部予選の初戦で2回をパーフェクト、6奪三振と圧巻のピッチングを見せ、ストレートの最速も143キロをマークしている。順調に勝ち進み、南北海道大会でも結果を残せば貴重なサウスポーだけに人気が高くなることも十分に考えられるだろう。


・田村朋輝(山形・酒田南) 182cm82kg 右投右打


 東北では1、2を争う存在と言われる本格派右腕。昨年秋はまだまだ細身だったが、それでもコンスタントに140キロを超えるスピードをマークし、早くから注目を集めている。今年の春は体つきが見違えるように大きくなり、さらにボールの力がアップしたように見える。手足の長い、いかにも投手らしい体つきで、腕の振りに柔らかさがあるのも持ち味。上から腕を振ることができ、指にかかった時のボールの角度も素晴らしいものがある。少しリズムが単調で、スピードの割にとらえられることが多く、昨年の秋、今年の春と東北大会では打ち込まれている。安定感はまだまだ課題が残るものの、ポテンシャルの高さは誰が見ても明らかである。この夏、どこまで試合をしっかり作れるようになるかに注目だ。




・茨木秀俊(新潟・帝京長岡) 184cm83kg 右投右打


 新潟県内では昨年夏の甲子園にも出場した田中晴也(日本文理)が上位候補と見られているが、もう1人プロから高い注目を集めているのが茨木だ。昨年秋の県大会では3位決定戦で13奪三振完封、続く北信越大会でも初戦で松商学園に敗れたものの3失点完投と見事な投球を見せた。均整の取れたたくましい体格で、フォームのバランスも良く、キャッチボールや立ち投げの時点からその素材の良さは伝わってくる。長いイニングでは球速が140キロ程度が多いが、昨年秋の練習試合では149キロを記録したプロ球団のスピードガンもあったとのことで、その潜在能力の高さは全国でもトップクラスだ。春の県大会では新潟明訓に打ち込まれてまさかの大敗を喫しただけに、夏はその悔しさを晴らすような快投を見せてくれることを期待したい。


・森山暁生(徳島・阿南光) 182cm83kg 左投左打


 今年の中四国を代表する大型サウスポー。昨年夏は2年生ながら徳島大会4試合を1人で投げ抜き、チームの甲子園出場に大きく貢献した。迎えた本大会でも初戦で沖縄尚学に敗れたものの、140キロを超えるスピードをマークして注目を集めた。今年の春も県大会の準々決勝(池田辻戦)では20奪三振をマークするなど、レベルアップした姿を見せている。他に安定した投手がいないチーム事情もあって、昨年から完投するケースが多く、その分どうしても力をセーブした投球にはなるが、6月に行われた天理との招待試合では9回の最後のボールがこの日最速の145キロをマークするなど、力を入れた時のボールはさすがという勢いがある。また緩くて大きいカーブを2種類操り、緩急を使えるのも持ち味だ。県内の同じサウスポーではセンバツで大阪桐蔭を相手に好投した富田遼弥(鳴門)も好投手だが、もし今夏の地方大会で投げ合いが実現すれば、高い注目を集めることは間違いないだろう。




・白浜快起(福岡・飯塚) 191cm83kg 右投右打


 スケールの大きさが魅力の大型右腕。旧チームからエースとなり、昨年夏の福岡大会ではチームをベスト4に導いている。春の県大会では5回戦で折尾愛真に敗れたものの、7回を投げて13奪三振と実力の片鱗を見せている。ステップの幅が狭く、上半身が強いフォームでまだ安定感には欠けるものの、それでもコンスタントに140キロを超えるスピードをマークできるのは素材の良さの表れである。また大型の割に意外に器用で、カットボール、フォークなどの変化球のレベルも高い。コントロールもアバウトではあるが、ストライクをとるのに苦労しないだけの制球力は備えている。春は足首の故障明けであり、またチーム内の不祥事で1カ月間の対外試合禁止などのハンデはあるものの、素材の良さは誰もが認めるところだけに、最後の夏での大ブレイクに期待したい。


(文・西尾典文)


【野手編はこちら】プロ注目の大砲や大型遊撃手も! この夏に“大化け”の可能性秘めた高校生5人


●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。


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