ゲームきっかけでマクラーレン購入? 正規販売店に聞くスーパーカーの世界

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2022年06月29日 11:31  マイナビニュース

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入ってみたいけど、敷居の高いスーパーカーの販売店。どんな顧客がいて、何をきっかけに超高級車の購入を決めるのだろうか。クルマを買う気がなくても、気軽に入って大丈夫? 東京にあるマクラーレンの正規販売店2店舗を訪問して話を聞いてきた。


○マクラーレンはクルマ好きの最終到達点?



マクラーレン・オートモーティブの正規販売店は日本に5カ所。マクラーレン東京(港区赤坂)、マクラーレン麻布(港区南麻布)、マクラーレン名古屋、マクラーレン大阪、マクラーレン福岡で、東京には2店舗ある。



マクラーレン東京は2012年6月にオープン。モータースポーツで歴史と実績を持つマクラーレンがロードカー(市販車)を手掛けるようになったのは意外にも遅く、マクラーレン・オートモーティブの設立は2010年、「12C」というクルマが登場するのは2011年と割と最近だ。なので、2012年オープンのマクラーレン東京はかなりの老舗だといえる。


マクラーレン東京のセールス マネージャーを務める平野徹さんによれば、12Cのシャーシの黒い部分はカーボンファイバーでできているとのこと。普通であれば鉄やアルミを使う部分をカーボンで作っているところが、マクラーレン市販車のすごさだという。



「マクラーレンはF1の世界で1981年に初めてカーボンモノコックを使い始めたメーカーです。軽くて頑丈で剛性の高いカーボンの採用でレーシングカーの性能は高まったんですが、すごいのは、市販車も同じように作っているところ。結果として、マクラーレンのロードカーは軽くて剛性が高く、乗り心地よく仕上がっています」(平野さん)



お客さんには往年のモータースポーツファンも多い。アイルトン・セナやアラン・プロストに憧れてマクラーレンのファンになった人もけっこういるそうだ。老舗だけに長い付き合いの顧客もいて、同店でマーケティングを担当する飯沢矩子さんによれば「12C時代からのファンにご来店いただいているのは、マクラーレン東京の特徴です」とのことだ。


「スポーツ・シリーズ」(パワーと価格を少し抑えたモデル、2021年3月に生産終了)では20〜30代にもリーチできたというが、平野さんが担当した顧客には昭和10年生まれの方もいたそう。全体として来店者の平均年齢は50代くらいだ。「フェラーリにもランボルギーニにも乗って、全てを乗りつくした方が最終的に行きつくクルマがマクラーレン」。平野さんはマクラーレンユーザーにこんなイメージをもっているという。



マクラーレン東京は単にクルマを売るためだけの場所ではなく、「マクラーレンコミュニティ」のハブとしての役割も担っているようだ。同店ではドライビングアカデミーや広い場所(大きな駐車場など)を使った走行会、ドライブも兼ねた遠方での食事会などを実施して、マクラーレンユーザー同士が交流したり、マクラーレンライフを楽しむためのきっかけにしたりできる場を定期的に作っている。「イベントの多さは全国一だと自負しています」(飯沢さん)とのことだ。



マクラーレン初となる量産プラグインハイブリッド車(PHEV)「アルトゥーラ」がラインアップに加わることで、「これまでマクラーレンに乗っていなかった人、ハイブリッドのスーパースポーツカーを探している人など、新しいお客様にご来店いただけるかも」と話す平野さんだが、今後の取り組みとしては「過去のクルマの再発見」にも注力していきたいそうだ。



「マクラーレンというロードカーのブランドは、12Cというクルマが出てからやっと10年ちょっとです。これまで、相当な勢いでニューモデルを出し続けてきたので、辞書で『矢継ぎ早』という言葉をひけば解説に『マクラーレン』と出てくるといわれたこともあったくらいでした。そうしたクルマたちは、新車として楽しむ時間が若干、少なかったと思いますので、これから再評価していければと個人的には思っています。認定中古車も出てきていますし、値段的にも手ごろになるので、若い方にもマクラーレンにデビューしていただきたいです」(平野さん)


○現代のスーパーカー世代とは?



一方のマクラーレン麻布は2018年9月オープンで、日本の正規販売店としては最も新しい。高級住宅街に囲まれた落ち着いた立地で、周辺にはランボルギーニ、ブガッティ、パガーニなど目もくらむようなラグジュアリーカー販売店が立ち並ぶ。「散歩のついでに車を買う、というお客さまもいらっしゃいます」と驚きの事実を教えてくれたのは、マクラーレン麻布でゼネラルマネージャーを務める向田大輔さんだ。


向田さんにマクラーレン麻布の顧客の特徴を聞くと、まだ設立から4年の若い店舗ということもあり、常連ばかりではなく新規客の割合が高いという。ニューモデルを導入したタイミングなど、時期によっては新規客が5割を超えることもあるそうだ。顧客の年代を尋ねると面白い話が聞けた。



「50〜60代がアイルトン・セナ世代だとすれば、40代はミカ・ハッキネン世代。30代の方からは『幼稚園の時にセナを見ていた』といった話をお聞きします。けっこう面白いのが20代のお客さまで、『きっかけはゲーム』とおっしゃる方がいらっしゃいます。圧倒的に多いのが『グランツーリスモ』。ゲーム内で見たマクラーレンがカッコよかったとか、乗ったマクラーレンが速かったとか、中には『(ゲーム内で)富士スピードウェイを何分で走りました!』とおっしゃる方もいらっしゃいました。ビジネスで成功して、ゲームに出てきたものを手に入れるということのようですね」


自分などは現実で手に入れられないからゲーム内で高級車を乗り回しているのだが、その逆をいっている人たちが確実にいるようだ。自動車ゲームで遊んでいた人がIT企業を起業したり、ユーチューバーとして成功したりする。彼らが現代のスーパーカー世代なのかもしれない。PHEVのアルトゥーラがラインアップに加われば、さらに多くの新規顧客に出会えそうだというのが向田さんの見立てだ。


マクラーレン麻布も、マクラーレンユーザーのコミュニティづくりや購入者のマクラーレンライフサポートに余念がない。サーキットでの走行会やプロカメラマン帯同でのドライブ撮影、少数参加のプチツーリングなど、さまざまなイベントを開催しているそうだ。なぜ参加者をしぼったツーリングを実施するのかというと、「多すぎると参加者同士が友達になりにくいから」(向田さん)。5〜7組にしぼることで、参加者がまんべんなく会話できるようにしているという。


今回は取材ということでマクラーレンの正規販売店にお邪魔したわけだが、そうした建前なしで店に入るのは、どう考えても敷居が高い。ちょっと飾ってあるクルマを見たいから、くらいの軽い気持ちで入っても問題ないのだろうか。まずはマクラーレン麻布 向田さんの回答だ。



「ショールームはクルマを販売するところというよりも、マクラーレンブランドがどういうものなのかを、買う買わないは別として、全てのお客様に説明する場所です。ここからマクラーレンファンを作っていく。その役割を担っていると考えています。確かに入りにくいとは思うのですが、全てのマクラーレンファンに対してウェルカムというのが我々の姿勢です」



次はマクラーレン東京の平野さん。ふらりとショールームに寄っても大丈夫?



「それはウェルカムです。ファンを増やすのは大事なことですし、マクラーレンの市販車は欧州では知名度が高いですが、日本ではまだまだご存じない方もいらっしゃると思います。マクラーレンのクルマには『スピードマーク』が付いていますが、これを見て『ひっくり返ったナイキのマークを付けたフェラーリが止まっている!』とおっしゃった方もいらっしゃったくらいですから(笑)。お子さん達にも、大きくなったら乗ってみたいと思っていただきたいですね」


というわけで、少なくとも東京にある2店舗では言質が取れた。マクラーレンに少しでも興味のある人は、気軽に訪問してみよう!(藤田真吾)

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  • 本当の金持ちならゾンダだろ、それも世界に5台しかない究極のゾンダ·レボルチオ。新車価格2.8億円、オークション価格だと倍以上すると言われている究極のモデル。
    • イイネ!5
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