自分の経血量って知ってる? 世界初の経血量を計測できる吸水ショーツが開発

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2022年06月29日 20:11  ウートピ

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抜群の吸収量と高い機能性を備えた吸水ショーツ“ベア”を展開する「ベアジャパン」と、ウエアラブルIoT技術を開発する「ミツフジ」が、経血量を計測できる吸水ショーツを共同開発すると6月23日、東京都内で開催された発表会で明らかにしました。女性のためのショーツ型ウエアラブルデバイスの開発は、世界初の取り組みです。

ショーツ型ウエアラブルデバイスとは何か?  どのような経緯でスタートしたのか? それによって何が実現できるのか? フェムテック市場の拡大と女性の健康課題の解決を目的とし、「23年度内に実用化予定」という同プロジェクトについて取材しました。

自分の経血量って知っている?

「経血量が多いor少ない」時に感じたり、口にしたりすることはあっても、自分の経血量を正しく測ったこともなければ、ましてや他人の経血量を知ることもないのが現状です。なんと、これまで日本で経血量を測定した最新のデータは15年も前で、わずか180人超の使用済みナプキンを測定するという原始的な方法でした。

しかし「晩婚化や初産の高齢化により、生涯に経験する生理の回数が大幅に増えた今だからこそ、生理を新しい視点で捉えるための『経血量を計測できる吸水ショーツ』の価値が高まっている」とするのは、ベアジャパンの盒兇みCEO。

正確かつ継続的に経血量を測る製品が誕生したら、世界的な快挙となり「ヘルスケアテックのイノベーション」(盒兇みCEO)となります。

経血量を測定する仕組みは?

その思いに賛同したのがウェアラブルIoT技術を開発する「ミツフジ」。1956年西陣織帯工場として創業し、2016年に導電性に優れた銀繊維をセンサーとした、着るだけで体の状態がわかるウェアラブルデバイスを開発した企業です。2020年には、心拍波形から深部体温上昇変化の推定アルゴリズム開発に成功し、その技術を応用した、手首につけるだけで暑熱リスクがわかる初のリストバンド型デバイスを発表するなど、様々なヘルスケアニーズに対応した製品開発を行っている企業です。

「経血量を計測できる吸水ショーツ」は、同社が独自開発した、ナイロン芯材の回りを銀でコーティングした繊維を使用。銀の性質の一つである導電性(電気を通す)を生かして電気的に経血量を推定できます。

福島県川俣町が着用試験やデータの蓄積をバックアップ

そして、もう一つ大きな役割を果たすのが福島県川俣町。ミツフジは、同地に開発の拠点となる工場を持っており、ベアジャパンも今回の協業を機に、2022年3月に福島県に支店を設立しました。

ミツフジの三寺歩社長とベアジャパンの盒兇みCEOが川俣町役場に挨拶に行ったところ、いちばん協力的だったのが、75歳の藤原一二(ふじわら・いちじ)町長。東日本大震災の時に、避難者のために生理用ナプキンを集めて回った自身の経験からその重要性に共感し、「ぜひ一緒にやりましょう」との回答が得られ、ベアジャパンとミツフジ、そして川俣町の三者協定締結に至ります。

今後、「経血量を計測できる吸水ショーツ」の着用試験やデータの蓄積には川俣町の皆さんが協力し、「23年度内の実用化」(三寺歩社長)を目指します。

女性疾患の早期発見にも…経血量の蓄積データの可能性

世界でも前例がない「経血量を計測できる吸水ショーツ」の商品化が実現すれば、継続的な計測とデータの蓄積が可能となります。それによって、何が実現できるのか?

「ベアジャパン」の医療アドバイザーを務める医学博士で産婦人科医の宗田聡(そうだ・さとし)医師は「女性自身が経血量を継続的に量ることで、個人の体調把握に役立てられ、女性疾患などの早期発見や、女性自身の健康への意識改革に役立てられます」とコメント。

さらに、「経血量が継続的に測定され、ビッグデータとして蓄積されることは、医学界にも大きなインパクト」とし、医学的発見や新たな医療分野への貢献などが期待されます。

経済産業省によると、日本における女性特有の月経随伴症状による年間の労働損失は4,911億円、社会経済的負担は総額6,828億円に及ぶ と試算*1されています。また、女性従業員の約5割が女性特有の健康課題などにより職場で困った経験があると回答*2しており、その多くが月経痛や月経前症候群によるものでした。つまり、生理の課題は、社会に与えるインパクトも無視できない世の中全体の問題となっています。

この「経血量を計測できる吸水ショーツ」によるデータの収集・蓄積が実現することは、その問題を解決する一助となり、「Bé-A〈ベア〉」という名前が「Girls be Ambitious」に由来するように、女性が大志を抱き、より活躍できる社会の実現に近づくのかもしれませんね。

*1 経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」
*2 経済産業省「働く女性の健康推進」に関する実態調査

川原好恵

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