ボーナスから引かれた税金が多すぎる!? 注意点は?

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2022年06月30日 18:32  All About

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写真ボーナスの支給を受ける際には、毎月の給与と同じで所得税等が差し引かれます。この差し引かれた所得税等が、ボーナスの金額に対して安いと感じたり、高いと感じたりすることもあるかと思います。
ボーナスの支給を受ける際には、毎月の給与と同じで所得税等が差し引かれます。この差し引かれた所得税等が、ボーナスの金額に対して安いと感じたり、高いと感じたりすることもあるかと思います。

ボーナスから天引きされる税金は、前月の給与により率が異なる?

賞与から差し引かれる所得税等の計算方法は複雑です。ボーナスから差し引かれる所得税等の計算は、賞与の額に一定の率を掛けて計算します。その率は、前月の給与により異なります。

つまり、同じ賞与の金額であっても、人により、差し引かれる所得税等が異なるのです。

同じボーナスであっても、前月の給与によって引かれる税金は変わる!

前提条件として、所得控除は、社会保険料控除(給与等の15%)、配偶者控除38万円、基礎控除48万円のみとします。

ケース1

・前月の給与:35万円、給与の社会保険料5万2500円、差引29万7500円
⇒賞与の税率:6.126%
(賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和4年分)より/以下同様)
・賞与額:60万円、賞与の社会保険料9万円、差引51万円

●所得税等額=51万円×6.126%≒3万1242円

ケース2

・前月の給与:20万円、給与の社会保険料3万円、差引17万円
⇒賞与の税率:2.042%
・賞与額:60万円、賞与の社会保険料9万円、差引51万円

●所得税等額=51万円×2.042%≒1万414円

同じ賞与60万円のケースであっても、前月の給与が35万円のケース1では、所得税等額が3万1242円、前月の給与が20万円のケース2では、所得税等額が1万414円となります。差額は2万828円。年2回の賞与だとすると、4万1656円の差になります。

ボーナスから引かれる税金が高すぎたり安すぎたりしても、年末調整により精算されます

人により異なるということは、同じ給与等年収(年間給与・賞与収入)であっても、賞与の所得税等は異なることを意味します。

でも、安心してください。給与や賞与の支給時に差し引かれた所得税等は、年末調整により精算されますので、原則として、給与等年収が同じで、所得控除などの他の条件も同じ場合には、所得税等の金額も同じです。

同じ年収の人のボーナスから引かれる税金、3つのケース

前提条件として、いずれのケースにおいても、給与等年収は540万円、所得控除は、社会保険料控除(給与等の15%)、配偶者控除38万円、基礎控除48万円のみとします。

ケース3

・給与等年収:(給与35万円×12カ月+賞与60万円×年2回)=540万円
・毎月の給与:35万円、給与の社会保険料5.25万円、差引29万7500円
・給与所得税等:6640円/月⇒7万9680円/年
(給与所得の源泉徴収税額表(令和4年分)より/以下同様)
⇒賞与の税率:6.126%
・賞与額:60万円、賞与の社会保険料9万円、差引51万円
・所得税等額=51万円×6.126%≒31,242円

所得税等合計:(6640円×12カ月+3万1242円×年2回)=14万2164円

ケース4

・給与等年収:(給与20万円×12カ月+賞与150万円×年2回)=540万円
・毎月の給与:20万円、給与の社会保険料3万円、差引17万円
・給与所得税等:2070円/月⇒2万4840円/年
⇒賞与の税率:2.042%
・賞与額:150万円、賞与の社会保険料22万5000円、差引127万5000円
・所得税等額=127万5000円×2.042%≒2万6035円

所得税等合計:(2070円×12カ月+2万6035円×年2回)=7万6910円

※ケース3よりもケース4の方が6万5254円少ないことになります。

ケース5

給与等年収:(給与45万円×12カ月+賞与0万円)=540万円
毎月の給与:45万円、給与の社会保険料6万7500円、差引38万2500円
給与所得税等:1万1800円/月⇒14万1600円/年
⇒賞与なし

所得税等合計:(1万1800円×12カ月)=14万1600円

よって、それぞれの所得税等合計は、以下になります。

・ケース3:14万2164円
・ケース4:7万6910円
・ケース5:14万1600円

では、年末調整後の年税額は?

給与等年収540万円で、上記前提条件での年税額を計算すると、12万6000円(端数処理後)になります。いくらになるのか計算してみましょう。

・課税される所得金額
388万円(給与所得控除後の給与等の金額)−167万円(所得控除)※=221万円
※社会保険料控除81万円【計算は540万円×15%】、配偶者控除38万円、基礎控除48万円

・年税額
(221万円×税率10%−9万7500円)×1.021(復興特別所得税)=12万6000円(端数処理後)

ケースごとの年末調整過不足は?

それぞれのケースごとの年末調整過不足は、以下のようになります。

・ケース3:1万6164円(14万2164円−12万6000円)の還付
・ケース4:△4万9090円(12万6000円−7万6910円)の不足(追加徴収)
・ケース5:1万5600円(14万1600円−12万6000円)の還付

ケース4が一番差し引かれた金額が少なかったため、結果的に年末調整時に5万円近くの追加徴収をされてしまうことになります。

毎月の給与の額(例:20万円)と比較して、賞与が多い(例:150万円)ケース4のような場合には、差し引かれている所得税等額が不足する可能性が高くなります。

年末調整時に追加徴収されてもあわてないように、賞与の時に蓄えておくなどの準備が必要です。

文:坂口 猛(ファイナンシャルプランナー)

税務大学校を卒業後、税理士事務所にて約7年間勤務。大手上場企業等で、財務・会計・税務に従事した後、独立。税金・相続・会計に強い実務派FPとして活躍中。相談業務や、執筆活動をおこなっている。
(文:坂口 猛(ファイナンシャルプランナー))

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