続く不調、もしかして「六月病」の可能性も?“働きすぎ”の日本人は7月以降に何をすべきか

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2022年06月30日 21:21  All About

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写真5月に注目される「五月病」はよく知られているが、「六月病」なるものも話題になり始めている。5月、6月と仕事の不調が続く場合、7月以降どうしたらいいのだろう。人材コンサルタントの小松俊明が解説する。
5月に注目される「五月病」はよく知られているが、「六月病」なるものも話題になり始めている。5月、6月と仕事の不調が続く場合、7月以降どうしたらいいのだろう。人材コンサルタントの小松俊明が解説する。
大きな環境の変化になじめず、職場で孤立し、モチベーションが低下する状況を「五月病」ということがある。一方、5月には不調を感じなかったがその後不調を感じ始めた人、もしくは5月に生じた不調がいまだ続いている人の症状を「六月病」という言葉で表すのも目にするようになってきた。

5月、6月と仕事の不調が続く場合、7月以降どうしたらいいのだろう。人材コンサルタントが解説する。

他国と比較しても働きすぎの日本人

転職理由のひとつに「業務が忙しすぎるから」という理由をあげる人が一定数いるのは、とても日本らしいといえる。日本は、有給取得率が60%と、主要先進国(ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、カナダなど)の80%前後と比較しても、休みを取らない傾向がある(※1)。

時間あたりの労働生産性の国際比較(※2)でも、先に挙げた先進国の中でも日本は最下位である。給料が上がらない日本の実情に関する報道が目立つ中で、気がつけば日本の一人当たり名目GDPは世界28位、同じアジアに位置する5位のシンガポールとは大きく水をあけられている(※3)。

このままでは、世界第3の経済大国であったとしても、働き方の豊かさを追求する先進国の各種比較調査から外されてしまう日がそう遠くないうちに来てしまうかもしれない。

ゆとりのない働き方をする日本人の実態がクローズアップされるたびに、このような働き方を続けていることが、どのような精神的、そして身体的な影響を日本人にもたらしているのか、心配になる。

日本人が他の国の人々と比較して特別にストレス耐性が強いわけもなく、やはり長時間労働や十分な休暇を取らないで働き続けることは、将来いろいろな形で不調をもたらすのではないか。

六月病の引き金とは

五月病とは、5月の大型連休明けに体調不良を起こし、モチベーションの急激な低下によって出社ができなくなるほど気持ちが落ち込む状態を指す(病として正式に名がついたものではない)。

5月に感じた不調は、その後どうなるか。環境に慣れることで改善される人もいることだろう。残業を減らし、休みも取れたことで体調が回復してモチベーションが回復する人もいる。良い相談相手に恵まれて、気持ちが晴れたという人もいるかもしれない。

一方、5月を過ぎれば五月病が話題になることも減る。夏に向けて、しばらくは国民の祝日もない。五月病で気持ちが落ち込んだ人にとって、実は6月からが本当の試練であることも多いのだ。最近では「六月病」という言葉を聞くことも増えてきた。

六月病は五月病が進行したものと、6月になって新たに発症するものの2種類があるとされる。後者の引き金として、特に注意したい状況が以下である。

(1)研修が終わり、各部署に配属された新入社員

同年代の仲間が周りからいなくなり、職場では世代が違う人ばかりに囲まれる。この配属後の変化にはストレスを感じる人が多い。

自分の仕事に忙しく、業務量も多くて長時間労働をしがちであるがゆえに、新しい社員に目をかけてくれる人はあまりいないというのが、忙しすぎる日本の職場の現状である。新入社員だけでなく、若手社員が他部署に異動した際にも、同様の現象が起きやすい。

(2)昇進して初めての管理職を経験する中堅世代

五月病が新社会人や環境の変化に順応しきれない若者が中心であることに比べて、六月病の場合、中堅社員も要注意といえる。中堅がゆえ、新社会人よりもストレス耐性がついているだけに発症が遅れるのと同時に、症状もその分重くなることが多い。

(3)その他

・夏のボーナスが減額、またはまったく出ないという知らせ
・梅雨時期の不安定な天候

ボーナスに関するマイナスなニュースが引き金になって、今の会社を辞めたいと、一気にそこに出口を見出す人も増える。6月の不安定な天候も、体調や心身のバランスに不調をきたすことを後押しする。

五月病ばかり注目されがちだが、実はこのように6月のほうがさまざまに不調の引き金があるとの見方もできるのである。

プレーヤーとして優秀な人の“昇進うつ”の存在

中堅社員が感じる不調として、新米マネジャーがよく陥りがちな問題がある。自分が部下として仕事をしていた時と同じように、部下が仕事をしてくれないことにストレスを感じる例だ。

このパターンにも季節性がある。昇進した4月から約3カ月が経った頃、部下の顔とそれぞれの特徴も把握し、いよいよチームとして総合力を発揮していきたいと思った矢先に、部下が指示通りに動いてくれない現実に直面するのである。

原因を探してみると、本人の意識や能力の問題であり、話し合っても問題は簡単に改善できない。なぜなら、上司が現場上がりの優秀な社員の場合、日常業務で部下に求めるスタンダードが高くなりがちだからだ。当たり前だと思っていることが当たり前でないことに愕然とすることも多い。

たとえば、新規顧客を訪問する際に顧客についての事前調査を部下に指示したが、その調査が甘すぎて、訪問時に役に立つような情報がまったく仕入れられていなかった。

具体的にどこまで調査する必要があるか、そこまで指示しなかったことが悔やまれるが、自分が部下だったときはそのくらいは自分で想像ができたし、わからなければ必ず先輩や上司に教えてもらっていた。

このような基本動作は、これまでの仕事の中で身につけておくべきであり、過去の上司は何をしていたのか、恨み節を並べたくもなるだろう。しかしこれが現実なのだ。

優秀な人であればあるほど、自分ができないことの悩みよりも、部下を動かせないことの方をストレスに感じるものである。それもあって、優秀な人もマネジャーになった直後に調子を崩すことがある。6月から7月にかけてそのときが訪れることが多い。

7月以降に取り組みたい対処法

ではこのような仕事の不調を長引かせないために、どのような対処法が考えられるだろうか。これ以上のストレスがかからないよう、ストレスの原因を特定して、それを取り除くことができればそれに越したことはない。しかしそれがうまくできない場合、コーピングと呼ばれるストレス対処法が効果的である。

コーピングとは、ストレスをいい方向に転換させる行動のことである。英語の「Cope」=「問題に対処する」という意味から派生した言葉である。ストレスは外部からの圧力や負担を強いられた時に起きる緊張状態であるので、その緊張をほぐすために効果のある行動のリスト、いわゆるコーピングリストを日頃から事前に作っておくことが効果的である。

たとえばサウナに入る、ランニングをする、小旅行に出る、マッサージを受ける、親友と会う、甘いものを食べるというように。さらにできることなら、それぞれの項目に点数をつけておくといい。

たとえば、マッサージを受ける=30点、親友に会う=50点、小旅行に行く=80点という具合に、よりコーピングの効果が高いものには高い点数をつける。何でもやればいいというものではなく、大切なことはストレスの具合に応じて自分で自分自身をねぎらう習慣をつけ、それを自己管理することである。

企業では、社員のパフォーマンス向上やストレス解消のために、さまざまなコーピングを設けている。たとえば、メンター制度、カウンセリング、1on1ミーティング、社内の緑化活動、社員間のランチ会、オフィスにお菓子ボックスを置くなど、これらはすべて社員のために用意している仕組みの数々である。

このような取り組みを個人レベルでも用意して自己管理に役立たせることは、長引く不調を抱え、7月以降はどう過ごそう?と不安になった時に効果がある。

会社を辞めて職場を変えるという選択肢もあり

最後に、いろいろな対処法を試してはきたが、5月、6月を過ぎても症状が悪化して辛い・ストレスへの対処法では効果が見られないという場合。そのときは、一度諦めて、新しい職場に変えるというのも選択肢である。

まずは4月からの3カ月間、自分が頑張ったことは評価してほしい。1カ月、2カ月でなく、3カ月も経過したのだ。自分なりにいろいろ工夫して改善するために、十分な時間をかけてきた。つまり、ある程度やれることはやったということである。

そのように納得できるならば、今の状態から一旦撤退して、もう一度やり直すことも選択肢に入れてもいいのではないだろうか。

場所が変わり、人が変われば、同じことをしても結果が変わることはよくある。もちろん自分で新たに挑戦したいことがあれば、それを試してみるのもいい。要は、六月病を忘れてしまうほど、大きな環境変化を起こしてもいいということなのだ。それは逃げるということではなく、再出発するだけのことである。

物事には相性やタイミングというものがあって、うまくいく時とそうでない時がある。五月病や六月病と十分付き合ってきた以上、もう一度新しい環境でやり直すことを考え、その準備を始めるには、7月や8月はいいタイミングになる。これからの時期、暑さをしのぎながら自分をねぎらいつつ、秋からの新たな再出発について思案してみるのもよいだろう。

【参考】
※1:世界16地域 有給休暇・国際比較 2021発表(エクスペディア)
※2:労働生産性の国際比較2021(公益財団法人日本生産性本部)
※3:世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング・推移(GLOBAL NOTE)
(文:小松 俊明(転職のノウハウ・外資転職ガイド))

このニュースに関するつぶやき

  • 忙しく働いても給与や休みに反映されない、業務改善しても結果は同じ。ならばどこが外国と違うのだろう?政治家どもがドMで特定の外国に献金してるのも原因の一つだよな?
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