保守派議連が配ったLGBTら性的マイノリティー「蔑視」冊子に怒りの声 「同質政治が生んだ問題だ」

26

2022年07月01日 13:10  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真「神道政治連盟国会議員懇談会」で配られたという冊子(松岡宗嗣さん提供)
「神道政治連盟国会議員懇談会」で配られたという冊子(松岡宗嗣さん提供)
 6月13日、多くの自民党議員が参加する「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合で配られた冊子が、波紋を読んでいる。


【写真】実際の冊子の中身がこちら
<夫婦別姓 同性婚 パートナーシップ LGBT ─家族と社会に関わる諸問題─>と題されたこの冊子は、弘前学院大学の教授による講演録とみられる。その内容を見ると、


<同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です>


<同性愛行為の快感レベルが高くてなかなか抜け出すことができないのは、ギャンブル依存症の人が沢山儲けた時の快感を忘れられず、抜け出せないのと同じなのです>


<同性愛者を擁護する教育をすれば同性愛者は増える>


 などと、同性愛者に対して差別的な見解が述べられていた。


 さらに、締めくくり部分にあたる<おわりに>では、


<性的少数者の性的ライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題となるからです>


 とも記されていた。多様性を尊重することの大切さがうたわれる近年の国際社会の流れとは真逆をいく、驚くべき主張である。


 性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人「fair」代表理事を務める松岡宗嗣さん(27)は、こう憤る。


「明らかに差別的で、ヘイトスピーチで憎悪をかき立てるような内容です。『神道政治連盟国会議員懇談会』には多くの自民党議員が参加し、安倍晋三元首相が会長を務めている。党内でも影響力が強いと思われる議連でこの資料が共有されたことに、問題の重大さがあると思います。実際、自民党議員の多くが同性婚の実現など性的マイノリティの人権保障に反対しています」


 この問題が大きく注目されるきっかけとなったのは、松岡さんが6月29日にYahoo!ニュースでこの問題を発信したこと。SNSなどでたちまち拡散し、<これが昭和ではなく、令和の今であることに暗澹たる気持ちになります>(作家・演出家の鴻上尚史さんのTwitterより)などと、次々と怒りや驚きの声があがった。




「SNS上の反応の多くは『これはおかしい』というもので、世の中の認識の変化を実感しています。今回の冊子や、差別的な考えを良しとする議員が間違っているんだと考える人が大勢いることは心強いです」(松岡さん)


 神道政治連盟は神社本庁を母体として1969年に設立された政治団体。2000年5月の総選挙前に当時の森喜朗首相が「日本は天皇を中心とする神の国」と発言して自民党が苦境に陥ったが、この発言も「神道政治連盟国会議員懇談会」の席で飛び出したものだ。


 そうした過去の経緯もあり、何人かの自民党議員に聞くと「私は知らない。関与していない」と皆、あわてて関与を否定。党関係者は「この時期にこんな話題が出て、選挙戦に影響がでなければいいが……」と顔を曇らせた。


 今回の一件は、たまたま飛び出した「失言」の類として片づけられない、根深い問題をはらんでいる。


「政治の領域が、シスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別と性自認が一致)・異性愛者の高齢の男性という"同質"な人ばかりに偏っている、という点が問題の一因だと思います。また、私はこの問題に少し関心のある人から、時々『欧米と違って日本は無宗教なのに、なぜいつまでも同性婚が認められないんですか』と聞かれるのですが、今回の冊子が神道政治連盟国会議員懇談会という場で配られていることからもわかるように、日本でも『宗教』に基づく差別によって、マイノリティの人権が侵害され続けている状況があることは認識しなければいけません」(松岡さん)


(本誌・村上新太郎)


※週刊朝日オンライン限定記事


このニュースに関するつぶやき

  • 「アベガー」とか「権利ガー」って騒ぐ奴等ってどうしてクーデターやろうとしないんだろうね?そんなに嫌なら霞ヶ関・永田町占拠してみろよ。出来ないくせに。
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(14件)

前日のランキングへ

ニュース設定