静かな「トレード市場」は活発化するのか 「狙い目」となりそうな選手を探った

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2022年07月01日 18:00  AERA dot.

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写真巨人・ウィーラー(左)と中日・鈴木博志(写真提供・読売ジャイアンツ/中日ドラゴンズ)
巨人・ウィーラー(左)と中日・鈴木博志(写真提供・読売ジャイアンツ/中日ドラゴンズ)
 例年トレードの多い6月だが、今年は無風に終わった。しかしまだトレード期間は残されており、水面下では調査を進めている球団もあるはずだ。実績はそれなりにありながらも、今年は出場機会に恵まれていない選手も少なくないだけに、そんな中から他球団にとって狙い目の選手はいないのか、探ってみたいと思う。


【写真】移籍して圧倒的な存在感を見せている選手がこちら
 まずセ・リーグで実績がありながら、今年一軍出場の少ない選手をピックアップしてみたところ、以下のような顔ぶれとなった。


・ヤクルト:星知弥(投手)、西田明央(捕手)、西浦直亨(内野手)


・阪神:二保旭(投手)、陽川尚将(内野手)、江越大賀(外野手)


・巨人:山口俊(投手)、戸根千明(投手)、北村拓己(内野手)、ウィーラー(内野手)


・広島:中村祐太(投手)、アドゥワ誠(投手)、正隨優弥(外野手)、大盛穂(外野手)


・中日:鈴木博志(投手)、岡田俊哉(投手)、堂上直倫(内野手)、福田永将(内野手)


・DeNA:阪口皓亮(投手)、山下幸輝(内野手)、細川成也(外野手)


 投手で他球団からするともったいないと思われている可能性が高いのが中日の鈴木だろう。ドラフト1位で入団し、1年目から一軍で53試合に登板。2年目には開幕から抑えを任せられて14セーブもマークしている。しかしこの年の途中から制球難もあって調子を落とすと、翌年以降は成績が低迷。一時はサイドスローに転向するなどしたものの、なかなか結果を残すことができていない。しかしそれでも150キロを超えるスピードは大きな魅力であり、年齢的にも今年で25歳とまだまだ若いだけに何かきっかけがあれば、大化けする可能性を秘めている。


 中日の投手では同じドラフト1位入団の岡田も実績は申し分なく、貴重なサウスポーで先発もリリーフも経験があるのは強みだ。過去2年間は防御率が4点台後半となっているが、まだまだ余力はあるはずだ。打撃陣の弱い中日だけに、野手との交換でこの2人を狙う球団が出てきてもおかしくはないだろう。



 一方の野手で最もすぐに戦力として期待できそうな選手と言えばウィーラーになる。一昨年のシーズン開幕直後に楽天から巨人にトレードで移籍したが、2年連続で二桁本塁打をマーク。昨年はわずかに規定打席に届かなかったものの、8割を超えるOPSをマークしている。今年は新加入のポランコ、ウォーカーの活躍もあって二軍暮らしが続いているものの、それでも気持ちを切らさずに成績を残しているのは立派だ。


 今年で35歳という年齢はネックとなりそうだが、パ・リーグ、セ・リーグ両方で実績を残しているのは大きなプラス要因であり、外国人枠に余裕があって打線をテコ入れしたい球団は獲得を検討しても面白いのではないだろうか。他ではルーキー2人と秋山翔吾の加入で一軍入りが難しくなっている正隨、大盛の外野手2人も他球団でチャンスがあれば活躍できる余地はまだまだあるだろう。


 次にパ・リーグも同じように今年出場機会に恵まれていない選手をピックアップしてみた。


・オリックス:山田修義(投手)、バルガス(投手)、T−岡田(外野手)


・ロッテ:田中靖洋(投手)、平沢大河(内野手)、菅野剛士(外野手)


・楽天:釜田佳直(投手)、横尾俊建(内野手)、岡島豪郎(外野手)


・ソフトバンク:大竹耕太郎(投手)、笠谷俊介(投手)、高田知季(内野手)、真砂勇介(外野手)


・日本ハム:池田隆英(投手)、清水優心(捕手)、高濱祐仁(内野手)


・西武:佐野泰雄(投手)、西川愛也(外野手)、高木渉(外野手)


 投手で他球団から人気になりそうなのがソフトバンクの大竹、笠谷のサウスポー2人だ。大竹は育成ドラフト出身ながら1年目に3勝、2年目に5勝をマーク。その後は一軍での登板機会が年々減少し、過去2年間はわずか2勝に終わっているものの、今年も二軍ではチームトップの投球回を記録するなど安定した成績を残している。先発タイプのサウスポーが欲しい球団も多いだけに、トレード要員となれば手を挙げるチームは出てくるだろう。


 笠谷も一昨年は4勝、昨年も3勝を挙げているが、今年は調子を落として二軍暮らしが続いている。ただこちらも二軍では防御率が1点台と格の違いを見せているだけに、他球団であればまだまだ働ける余地はあるはずだ。ソフトバンクも決してサウスポーが充実しているわけではないが、大関友久が大きく成長しているだけに、交換条件次第ではトレードを検討することも十分に考えられる。



 リリーフタイプのサウスポーではオリックスの山田も実績十分だ。外国人投手と若手の台頭もあって今年は一軍での登板機会は少ないが、貴重な左腕だけにまだまだ市場価値は十分に残されているはず。


 一方の野手ではロッテの平沢、菅野の2人が面白い。ともに今年は一軍の戦力となっていないが、パンチ力は大きな魅力であり、平沢は若さ、菅野は打つ以外のプレーのレベルの高さも大きな魅力となっている。ロッテも得点力不足に悩んでいるだけに簡単に放出することはなさそうだが、本人たちにとっては環境を変えることがプラスになる可能性もありそうだ。


 もう1人貴重なパワーヒッターとして人気になりそうなのが真砂だ。右打者で柳田悠岐に負けない力強いスイングをすることから“ミギータ”の異名をとるように、そのパワーは誰もが認めるところだが、なかなかその才能を開花することができずにプロ入り10年目を迎えている。チームは他にも若手の外野手が多く、なかなか一軍で出番がないことを考えると、他球団でプレーしている姿を見てみたいと思う関係者も多いはずだ。


 冒頭でも触れたように6月は秋山翔吾の広島入団以外は大きな動きはなかったが、水面下での動きがあることは間違いない。トレードによってブレイクする選手もいるだけに後半戦に向けて、積極的に動く球団が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)


●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。


このニュースに関するつぶやき

  • 左のリリーフが少ない中日で、当たり前のように先頭打者に四球与えるから先発回って、やっぱり四球から崩れる岡田(血行障害で離脱歴あり)を欲しがる球団あるか?
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