コロナ禍で結婚観に変化 2拠点婚ができる一方、経済状況や恋愛経験なく苦戦する人も

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2022年07月02日 11:00  AERA dot.

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写真コロナ禍で生活様式が変わり、結婚観や婚活のスタイルにも変化の兆しが出始めている(photo 写真映像部・高橋奈緒)
コロナ禍で生活様式が変わり、結婚観や婚活のスタイルにも変化の兆しが出始めている(photo 写真映像部・高橋奈緒)
 コロナ前と比較して結婚相談所の入会は3割増加した。外出機会が減り『家族がほしい』という気持ちや、リモートワークによって生活拠点を変えても仕事が続けられることも影響しているようだ。AERA2022年7月4日号の記事を紹介する。


*  *  *


 コロナ禍に就職した20代女性がリモートワークにより仕事への意欲や愛社精神が生まれにくく、結婚を考えるようになった一方で、仕事が比較的、軌道に乗っている30代の女性は、2拠点婚、あるいは移住婚を視野に入れるようになったという。これもコロナ禍における婚活の変化だ。


 東京在住の30代の女性は、都心の企業で多数の部下を率いるキャリア女性。「仕事と結婚生活を両立させること」を条件に、婚活を始めた。結婚相談所で紹介されたのは、なんと静岡在住の40代会社経営者の男性。


 静岡在住ということ以外は、収入や性格などの条件は希望にかなっていた。「とりあえずお見合いしてみては」という勧めに従い、会ってみることに。


 実際に会ってみると、やはり意気投合。だが、「仕事を辞めて一緒に静岡に住んでほしい」と言われたら、断らざるをえない。


 しかし、よくよく考えてみると今、女性の会社はひと月のうち3週間はリモートワークを推奨している。2人で話し合った結果、リモートワークの時期は静岡で生活。女性が借りている東京のマンションは維持し、出社の必要があればそこから通勤することにして結婚を決めた。


 コロナ禍での婚活事情をリポートした『ドキュメント「婚活」サバイバル』(青春出版社)を出版した植草美幸さんは言う。


「コロナ前であれば、婚活は通勤可能な地域に限定して相手を探す方法が一般的でした。遠方の人と結婚した場合は、女性側が仕事を諦めて男性側の居住地に移転するケースがほとんど。しかし、リモートワーク中心になったことで、どこを拠点にしても仕事を続けられるようになりました」


 そして、こう続けた。


「また、時代とともに『夫婦が常に一緒に暮らさなければならない』という感覚も薄れてきたため、男女ともそれぞれ自分の拠点を維持しつつ、リモートワークを組み合わせながら通い合うスタイルも珍しくなくなりました。結婚によって女性が自分のキャリアを諦める必要がなくなったのです」



マクロ的には変化なく


 コロナ禍は少なからず女性のキャリア観、結婚観に変化をもたらしたように見える。これを機に、今後、晩婚化や未婚化に歯止めはかかるのだろうか。


 厚生労働省の調査によると、婚姻件数(21年1〜12月速報の累計)では約51万4千組と戦後最少を記録した。


「婚活」という言葉の生みの親であり、『新型格差社会』(朝日新書)などの著書がある中央大学文学部教授(家族社会学)の山田昌弘さんは次のように指摘する。


「婚活サービスの利用者増加やリモートワークによる結婚後の生活の多様化が結婚観や婚姻件数に大きな変化を与えるとは考えにくい。親と同居している人は結婚して独立すると生活の質が著しく落ちる。この経済状況が根本的に変わらない限り、マクロ的に見れば、結婚適齢期の4分の3は結婚し、4分の1は親と同居したまま取り残される状況は今後も続くでしょう。むしろ収入などのデータ優先の婚活アプリによって、取り残される層は最初からはじかれる。昨今は女性の収入を当てにする男性も増えたので、それは男女とも当てはまる傾向です」


 かくも結婚離れの根は深い。婚活サービスやリモートワークが、結婚離れの歯止めとなるわけではなさそうだ。


 さらに新たな課題も浮かび上がる。他人との接触が制限され、新しい人間関係を築く機会が失われた「コロナ世代」の恋愛離れが加速すると予想されているのだ。


 前出の植草さんによれば、「恋愛経験がないまま婚活を始め、相手とのコミュニケーションがうまくいかず苦戦するケースも増えている」という。


 コロナ禍で「そうだ、結婚しよう」と突然思い立ち、結婚相談所に入会した20代前半の女性。結婚相談所のカウンセリングはリモートではなく、毎回対面を希望し、わざわざ出向いている。


「カウンセリングでお見合い相手とのコミュニケーションの取り方などを教えてもらうことで、『社会の中で生きているという実感がわく』と言っていました」(植草さん)


 職場で学ぶはずの人間関係や社会。それをうかがい知る場が、この女性にとっては「婚活」。こうした変化もコロナ禍特有といえるだろう。


(ライター・安楽由紀子)

※AERA 2022年7月4日号より抜粋


>>【前編】コロナ禍の婚活最前線 「結婚はまだまだ」と考えていた層が相談所に入会する背景は



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このニュースに関するつぶやき

  • 結婚は、生存競争、サバイバルゲームなんで、勝ちにいくしかない( `ー´)ノ
    • イイネ!19
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