49歳、貯金220万円。老後の貯金が足りない中、子どもの金銭的なトラブルに巻き込まれています

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2022年07月02日 20:11  All About

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写真今回のご相談者は、離婚をして、お子さん2人を育て、一人暮らしとなったものの、老後や子どものお金のことで悩みを抱える49歳の自営業の女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
今回のご相談者は、離婚をして、お子さん2人を育て、一人暮らしとなったものの、老後や子どものお金のことで悩みを抱える49歳の自営業の女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

離婚が原因で長年、心療内科に通院、さらに子育ての悩みで病状が悪化しました

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、離婚をして、お子さん2人を育て、一人暮らしとなったものの、老後や子どものお金のことで悩みを抱える49歳の自営業の女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

kokoroさん
女性/自営業/49歳
関東/持ち家(一戸建て)

家族構成

子ども2人、ともに結婚し独立

相談内容

いつか私も相談したいと思いながら読ませていただいていました。特に、深野先生の相談者に寄り添った適切なアドバイスには私自身も励まされています。

離婚して19年、母子家庭で子ども2人を育て、昨年から一人暮らしとなりました。離婚が原因で長年、心療内科に通院、さらに子育ての悩みで病状が悪化。思うように働けず国民年金はずっと全額免除。昨年やっと病気を克服し、パート先で厚生年金に加入しましたが、全額免除の期間が長く、年金支給額は30万6515円。貯蓄もなく完全に老後資金不足で途方に暮れています。

仕事は、離婚前に成り行きで始めた教室がメインで、不足分はパートやバイトを掛け持ち。病状が落ち着かず安定した職には就けず、途中で本業を辞める決心もつかずに今に至ります。自宅以外にも教室を借りていて家賃が3万3000円かかりますが、利便性がよく自由に使えるので撤退できません。パートは毎月20時間以上残業してやっと手取り12万円ほどです。

自分のお人よしな性格が災いし、ものすごい大金を人に貸して返ってこなかったり、訪問販売にひっかかったり、踏んだり蹴ったりの人生です。子どもが作った借金の肩代わりもして、せっかく貯めても何かしらの出費があり、なかなか貯まりません。

一人暮らしになったので、今年から支出を切り詰め、月8万円を貯蓄に回しています。この中からiDeCoとつみたてNISAを始めたいです。孫ができたのでそれぞれの通帳に毎月5000円ずつの貯蓄もしています。あと2、3年はこのペースで貯蓄を続けられると思いますが、教室は年々、生徒数が減少傾向にあり、数年先の検討がつきません。パートも肉体労働のため60歳まで同じ仕事を続けられるか不安です。教室は続けても大丈夫でしょうか。パートも長く続けられる仕事を探した方がよいのでしょうか。決断力がなく何事に対してもなかなか決めることができません。

それと、火災保険とがん保険に未加入なので、今後加入すると合わせて1万円ほど、さらに支出が増えそうです。

一人暮らしになり、やっと自分のことを考えられるようになったのですが、楽しむどころか、これまでのことを後悔したり、自分にもまったく自信が持てず、早死にできないかとまで考えたりしてしまいます。

不安ばかりで、とりとめのない文章になりすみません。どうか今後を生き抜くために背中を押してもらえるようなアドバイスがいただけたらと思います。

家計収支データ

kokoroさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「kokoro」さんの家計収支データ


家計収支データ補足

(1)収入について
・パート収入/12万円前後(残業代含む)
・教室/13万円

教室の収入は、家賃3万3000円を引いた金額です。毎月一定ではなく、13万円前後となります。来月から1万8000円マイナスになります。

(2)貯蓄について
第2子の結婚資金として実家の母から援助してもらったお金と、今年から貯め始めた分です。普通預金に貯めているだけなので、これから貯金のうち2万3000円をiDeCoに回したいです。つみたてNISAも始めたいのですが、20年後の70歳で出口戦略など、自分に考えられるのか不安で躊躇しています。

また、5年ほど前に太陽光パネルを設置しており、売電収入が月6000〜9000円ありますが、毎月9500円(返済期間15年)の支払いがあり赤字。もうかかわりたくなくて、昨年、貯蓄から残債113万円を一括返済してしまいました。

(3)家計収支について
家計収支の差額から、孫の通帳に毎月1万円を貯金。固定資産税を月割り1万円として専用の封筒に積み立てています。それ以外の差額で残った分は数千円でも貯蓄に回しています。

(4)住居費について
・物件価格(新築一戸建て)/1780万円
・諸費用・追加工事/154万円
・親からの援助/1110万円(1000万円と110万円の非課税措置を利用)
・親からの借入/650万円
・自己資金/174万円
・親への返済期間/15年
・毎月の返済額/3万8000円(金利0.7%)

実家は兄弟が同居しており、実家の土地建物は姉が相続するので、私は住宅資金を援助してもらえました。

(5)車両費について
ローンはありません。2万円の内訳は、以下になります。

・ガソリン代/5000円
・自動車保険/5000円
・税金・車検/1万円

自動車税+車検代+メンテナンス費用として、月割りにして1万円を専用の封筒に積み立てしています。8年たっていますが、あと5年は乗りたいです。5年後に軽自動車に買い換え予定(予算100万円程度)。

(6)加入している保険について
・養老保険(死亡保障1000万円、医療特約入院3000円、10年満期60万円、あと2年で満了)=毎月の保険料1万円
・共済(病気死亡100万円、入院3000円)=毎月の保険料2000円
・個人年金保険(60歳で10年確定、年金額24万円)=毎月の保険料5000円
・生命共済(死亡共済金200万円、5年満期共済金110万円)=年払い21万7965円(月割り2万円で計算)

養老保険は、死亡保障を200万円に下げ、毎月の保険料は7600円に減額しました。今後、養老保険と共済を解約して終身医療保険一本にしようかと考えています(死亡保障なし、入院4000円、65歳払込完了、毎月の保険料7300円)。保険料は割高になりますが、65歳以降、保険料を払わなくてもよく、年金生活に入ったあとの負担がなくなるので。生命共済は貯蓄目的で入っているだけです。

(7)働き方について
・教室/週5回、15時〜20時の3〜4時間
・パート/朝5時〜11時まで

曜日や時間帯は生徒の都合に合わせているため、数人しか来ない曜日も夜まで教室を開けていなければならないので、効率が悪いです。

(8)教室について
週5回のうち、2回が自宅、3回は借りている教室へ行っていて、生徒の3分の2が借りている教室に来ています。教室は自宅から近いですが、近所の人が大半なので、撤退すると、生徒の半数は辞めてしまうと思います。ただ、建物が老朽化しているので、あと数年で取り壊しになるかもしれず、その時は撤退しようと思っています。自宅を引っ越ししてから、近所に知り合いもおらず、最近はコロナの影響もあり、生徒の減少と新規の生徒が極端に少ないです。

(9)家族について
第1子は近くに住んでいますが、子どももいるのに金銭感覚がおかしく、パチンコや浪費グセが直らず、上司に借金をしていたり、家賃や光熱費の支払いを延滞したりして、代わりに支払うこともあります。こちらの負担にしかなりません。

第2子は車で数十分ほどのところに住んでいて関係は良好ですが、先日、貯蓄ゼロなのに高額な新築の売買契約を結んでしまい、契約解除について、弁護士を通じて住宅メーカーに交渉中です。こちらの問題が勃発して自分のことが後回しになっていました。解約できなければ、私が今の家を引き払うなりして、第2子と同居して孫の面倒と家のことをし、第2子と配偶者が働いてローンを返していくしかないかなどと考えていますが、今はまだどうなるか、まったくの未定です。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:過去のことは忘れて、これからの自分のことを優先に
アドバイス2:60歳時点で1400万円程度の老後資金ができる
アドバイス3:60歳以降の働き方次第で貯蓄は取り崩さなくてすむ

アドバイス1:過去のことは忘れて、これからの自分のことを優先に

2人の子どもを育てあげ、頑張ってきましたね。いろいろと後悔することがあるかもしれませんが、誰に迷惑をかけることもなく、生活してこられたのですから、もっと自信を持ってください。

ただ、これからは自分のことを優先に考え、前を向いていただきたいと思います。子どもは結婚し、別世帯になっているのです。心配するのは当たり前のことですが、借金を肩代わりしたり、契約問題に必要以上に関わったりしないことです。心を鬼にしてでも、自分たちで問題解決させることです。相談にのってあげるだけで十分で、厳しいことをいうようですが金銭的援助は今後一切しないことです。

第2子の住宅契約については、弁護士をつけ話し合いがされているのであれば、任せていいのではありませんか。第2子の配偶者のご親族もいます。なにもかも自分がやらなくては、と思う必要はまったくありません。

そもそも住宅の契約解除は、一定の損害賠償(手付金放棄など)が発生しますが、解約できないことはありません。ましてや、自宅を処分して同居まで考える必要は、まったくありません。

子どもは経済的な自立をしなければいけませんが、ご相談者も子離れをして、自分の今後のことを最優先に考えてください。お孫さん名義の貯蓄をしているだけで十分すぎます。

アドバイス2:60歳時点で1400万円程度の老後資金ができる

そのうえで、ご相談者は、自分の老後資金をこれからしっかりと貯めないといけません。

教室を続けるかどうか、という悩みもおありのようですが、20年以上続けてこられ、生徒数が安定しないとはいえ、地域での信頼を得ておられるのではありませんか? つらい、しんどい、と思うのなら辞めたほうがいいかもしれませんが、少しでも楽しいと思えるなら、このまま続けてはいかがでしょうか。

なにより老後でも続けることができるのは、強みです。教室の場所や運営の仕方は検討することがあると思いますが、長く続けるために、生徒数を確保するために、どんなことができるのか、考えてみてはいかがでしょう。

逆に、パート・アルバイトは体調が心配です。今回、60歳まで現状の働き方をする前提で試算しますが、体調を崩してまでパートを続けることはありません。健康第一です。

現在、毎月8万円の貯蓄ができていますから、年間で96万円。60歳になるまでの11年間で1056万円。これに現在の貯蓄220万円、いずれ満期になる養老保険の60万円と生命共済の110万円を加えて1446万円。養老保険と生命共済の保険料の払い込みが終れば、その分は貯蓄に回せますので、おおよそ60歳時点で約1600万円を老後資金として確保できることになります。

大きな出費としては、車の買い換えで、あと2回ぐらいは必要。1回100万円とすると200万円。これを差し引くと約1400万円です。今後約10年で、ここまで貯めることができるのですから、何も悲観することはないでしょう。

アドバイス3:60歳以降の働き方次第で貯蓄は取り崩さなくてすむ

60歳以降は、体調次第で考えればいいことですが、58歳で住宅ローンの親への返済は終了します。固定資産税などの支払いがあるので、3万8000円をまるまる貯蓄には回せませんが、2万円程度貯めることができれば、50万円ほどは貯蓄に上乗せできます。さらに住宅費が抑えられますので、60歳以降の家計支出は月10万円程度に削減できます。

ですから、10万円ほどの収入が得られれば、毎月の家計は収支プラスマイナスゼロ。貯蓄からの取り崩しをしなくてもすみます。

65歳以降は公的年金の受給が始まりますが、現段階の見込み額が約30万円。60歳までパート先で厚生年金に加入できれば、少し増額されますが、それでも公的年金だけで生活していくのは厳しいと言わざるをえません。個人年金は年24万円が10年間。これでも生活費は不足します。

つまり65歳以降は、貯蓄の取り崩しが始まることになりますが、少しでも取り崩す額を減らすには、収入を得ることが必要になります。教室を続けていれば、70歳になっても生徒に教えることはできるのではありませんか? 公的年金と個人年金で不足する分が、どの程度になるか、現段階ではわかりませんが、月5万円程度でも収入があれば、貯蓄の取り崩しは最小限で済むので、より長生きに備えることができるはずです。

ただし、kokoroさん自身が体調や気持ち(精神面)の面などを考慮したうえで、年を重ねての教室の継続の有無は判断してください。決して経済的な損得だけで考えるのは得策ではないことを付け加えておきます。

最後に2つアドバイスを。

iDeCoについては、現預金を増やすことが優先なので、NISAも含めて考えなくていいと思います。楽しみのひとつとして少額で始めるのもいいですが、値動きがあるものですから、損失が出た場合、ご相談者はストレスを抱えることになりそうです。まずは現預金を増やして、足元を固めてください。

がん保険への加入は、どうしてもと考えるなら仕方ありませんが、加入は必須ではありません。しかし、自宅の火災保険はすぐに加入してください。いろいろな特約をつけるとその分、保険料は高くなりますので、お住まいの地域のハザードマップなども参考にしながら、できるだけシンプルな保険にしてください。

ようやく一人暮らしになったのです。心配ごとは尽きませんが、1つでも楽しみを見つけて、前向きに生活を送ってください。たまには外食などで気分転換したり、生きる活力を得てください。大丈夫です。もっと自信を持ってくださいね。

相談者「kokoro」さんから寄せられた感想

深野先生、このたびはアドバイスと温かい励ましのお言葉をありがとうございました。70歳までは働く覚悟ですので、何か楽しみも探しながら、これから頑張ります。

第2子の住宅契約に関しては、締結した3日後には表題登記が行われており手付解除ができないと言われ、売買代金の1割を支払って解約することになりました。第2子の配偶者の親は頼ることができないため、こちらに帰ってくることになりました。

人生なかなか計画通りにはいきませんが、先生がおっしゃられたように、なるべく前を向いて生きていきたいと思います。ありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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