BTS、メンバーの覚悟と絆を感じる特別な数字=7 『77Q 77A』の回答からも伝わったグループの一貫したスタンス

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2022年07月03日 10:01  リアルサウンド

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BTS『Proof』

 BTSが公式YouTubeチャンネルにアップした動画『77Q 77A』が興味深い。そのタイトル通り、7人のメンバーがそれぞれ11問ずつ、計77問の質問に答えるという動画だ。


(関連:BTS、それぞれが成熟するために歩み出したソロ活動への道のり J-HOPEやJUNG KOOKには早くも動きが


 質問の内容は、名前、年齢、座右の銘……といった改めて自己紹介的なものから、BTSのこれまでの歩みを盛り込んだ最新アルバム『Proof』にまつわる裏話、「ささくれを剥いたら裂けたvs食事の際に頬の内側を噛んだ、より苦痛な状況は?」といったTMI(Too much information=おまけ情報)まで実に様々。


  例えば「座右の銘」をとって見ると、「必要ないと思っています」(RM)、「最近はありません」(SUGA)、「幸せに生きよう」(JIN)、「楽しく生きよう」(JIMIN)、「健康で幸せに」(V)、「流れる川の水のように生きよう」(J-HOPE)、「情熱なく生きていくならむしろ死んだほうがマシだ」(JUNG KOOK)と、7人の個性をはっきりと感じられる答えの数々が飛び出す。


 特定の価値観に縛られず柔軟に生きること、健康で笑顔に溢れた日々を目指すこと、そして幸せを追求する情熱を燃やし続けること……。一人ひとりが異なる感性や表現力を持ちながら、BTSというグループが目指す同じ理想を抱いていることがひしひしと伝わってくる。


 また印象的だったのが「これから先のBTSを7文字で表現するとしたら?」という10問目の質問だ。「なかなかかっこいい30代」(RM)、「BTS中年老年団」(JIN)、「何があっても大丈夫」(SUGA)、「行こうRun BTS」(J-HOPE)、「心配しないでください」(JIMIN)、「歳を取っても僕たちは青春」(V)、「Moment is Yet To Come」(JUNG KOOK)と、それぞれ韓国語の7文字に収めた7人の答え。


 一見するとバリエーション豊かだが、それらをつなげて読んでみたらどうだろうか。BTSはかっこいい30代へ、そして中年、老年となっても青春を走り続ける。何があっても大丈夫だから、心配しないで。最高の瞬間はまだ来ていないのだから……と、見事にARMY(ファン)へのメッセージとなるではないか。7人バラバラのカラーを感じながらも、BTSというグループとして一本筋の通った答えが見えてくるのも彼らならではかもしれない。


 「BTSは7人がひとつになって曲を完成させるので……」とはインタビューでJINが答えていたフレーズだ(※1)。コロナ禍で思うようにライブ活動ができなかった時期を経て、ようやく開催された『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE』では、それまでの想いを爆発させるかのように7人全員が総出演するセットリストを披露した。


 “BTSは7人でひとつ”。その一貫したスタンスに『2017 BTS LIVE TRILOGY EPISODE III THE WINGS TOUR』で流れた詩の「7つでありながらひとつ ひとつの心臓を分かち合った7人の少年」という一節を思い出す。もしかしたら7人にとってBTSというグループそのものが、ひとつの心臓なのかもしれない。


 BTSにとって特別な数字“7”。かねてより世界各国でも聖なる数字や神秘的な数字として、多くの意味が見出されてきた。ラッキーセブン、七福神、七不思議、七变化、七音音階、7色の虹……1週間が7日で区切られる理由として、7が“完全・すべて“を示しているという説もある。まさにBTSにおける“7”も“完全”であり“すべて”。その“7”をタイトルに起用したアルバム『MAP OF THE SOUL:7』のリード曲が「ON」だったことも、RMの語った「『ON』がBTSのチャプター1のひと区切りだった」という言葉と連動しているようだ。


 ちなみに、生年月日の数字を足して導き出すソウルナンバー診断をBTSのデビュー日(2013年6月13日)に照らし合わせると“7″になるというのも、なんとも運命めいている。そんな数字に守られるように、7人で走り続けてきたBTSのメンバーが、このタイミングで友情タトゥーとして“7”を刻んだことも、より大きな意味を感じずにはいられない。


 もし今後7人一緒に活動することが難しくなったとしても、“7”を見ればBTSとつながり続けているのだと奮い立たせることができる。それぞれの“1”を強くすることで、より大きく強い“7”になることができる。そんな強い決意が表れているようだ。これからソロ活動が充実すると見られるBTS。もちろん寂しい気持ちはありながらも、メンバーの揺るぎない覚悟と確かな絆を感じさせてくれる“7”を感じながら、“完全”となる瞬間を待ちたい。


※1:https://www.gqjapan.jp/culture/article/20220403-cover-story-bts
(佐藤結衣)


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