60代からは家族や友人に縛られない!鎌田實先生が伝授、人生の後半を“ラクに生きる”ヒント

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2022年07月03日 11:00  週刊女性PRIME

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写真1948年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長 鎌田實先生
1948年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長 鎌田實先生

 他人との縁を切らず、ほどよい距離感を保ちながら、ひとりの時間を大切に─。

 長年、緩和ケアの現場で患者と向き合っていく中で、そんな“ちょうどよい孤独”を楽しむ生き方こそ、満足した人生の最期につながると感じている医師で作家の鎌田實先生。ひとり時間を楽しむ力を養うことは、自分の価値観をはっきりさせて自己肯定感を高めることに役立つという。

“ソロ活”の練習を始めよう

「人はいつかひとりになる可能性がある。自分の延命治療・緩和ケアはどうするか、夫に先立たれた後にどう生きるか。自分ひとりで決めなければならないときが必ずきます。そのときに、満足できる“自分流”の生き方を選択することができるか。ひとりで何をするか選んで過ごす“ソロ活”は自己決定の訓練にもなります」(鎌田先生、以下同)

 鎌田先生は、家族や親しい友人など誰かが一緒にいるという恵まれた環境のときこそ、“ソロ活”の練習を始めることをおすすめしている。

「ひとりで過ごす訓練なしにひとりになると、本当につらい。誰かがいるという環境がいつまでも続くわけではないということを元気なうちから意識することも大事です」

 例えば、図書館に行って1時間本を読んで帰るだけでもよい。夫や友人の要望に合わせたり、予定を決めてもらうのではなく、自分で何をしたいか考えて行動する行為が重要。特に子育てが一段落し、定年退職を意識し始める50〜60代は、自分流の生き方へシフトチェンジできるよいタイミング。

“これからは私のやりたいことをやる人生だ”と思って、週に1時間でもひとりで過ごす時間を作ってほしい。“夫や子どもに振り回されるだけの人生だった”なんて、思わないようになると思うし、夫や子どもの自立にもつながります。年齢を重ねたときに“自立したカッコいいおばあちゃん”として孫のことも上手に見守れると思いますよ

 でも、家族が中心の生活から離れて、急にひとり時間を意識するとさまざまな戸惑いが。読者の“ソロ活”にまつわるお悩みから、生き方のヒントを学びたい。

鎌田實先生がお悩みにズバリ!

“ソロ活”を実践。ひとり旅をしてみましたが、楽しめません。

 夫と2人暮らしの50代です。先日、初めて1泊2日のひとり旅に挑戦しました。しかし、観光地や食事時の感動を共有できる相手がいないことが寂しく、道に迷うのではという不安もあり、あまり楽しむことができませんでした。ひとりで海外旅行を楽しむ友人もいるのに、私は“ソロ活”が向いていないのでしょうか?

鎌田's アドバイス

「まずは、1〜2時間からひとり時間を過ごすのがいいですよ」

 ひとり旅は、合う人と合わない人がいると思うので、ムリはしなくても。とはいえ、1回のトライで“私はひとり時間を楽しめない”と決めつけるのはもったいない。まずは、カフェで本を読むなど、週に1〜2時間でもひとりで過ごす時間を持つことから始めるのがいいと思います。夫婦での旅行なら午後の2時間だけ夫と別行動をしてみるとか。いろいろなひとり時間を試すことで、自分に合う“ソロ活”を見つけられるだけでなく、自己決定の訓練にもなると思います。

何でも私に頼る夫。なんとか“ひとり立ち”してほしい。

 定年を迎えた夫はいわゆる“昭和の親父”。「お茶くらい淹れられるように教えてあげる」と言っても覚える気はなく、基本的にソファに座ったまま。夫が定年退職したら私も専業主婦を卒業して、自分の趣味を楽しみたいと思っていたのに……。私が先立ったらという心配もありますし、夫を変えるよい方法はありますか?

鎌田's アドバイス

「“週末のお昼だけ”と妥協案を出して、いない時間を作ってみては?」

 本当は主婦を定年退職したいけど、それは困るだろうから、まずは週1回のお昼だけ定年退職させて、と妥協案を出してみてはどうでしょう?

 “ご飯を作ったり、自分のことがいろいろできるようになっておくことは、あなたのためにもなるわよ。今のまま私が先立ったら困るでしょ”ということも伝えて。親身になって話せば、きっと伝わります。それでもダメと言うならば、“本当に主婦を定年退職するわよ!”と、ちょっと脅してみるのも策ですよ(笑)。

実家の父がひきこもりぎみです。たまには外に出たらいいと思いますが……。

 実家でひとり暮らしをする70歳の父。コロナ禍も重なってますます外出が減り、1日中、家でテレビを見たり、ベランダの花に水やりをして過ごしています。もう少し外に出たほうがいいと思うのですが、父になんと言葉をかけるのがよいですか?

鎌田's アドバイス

「ひきこもりは認知症のリスクを高めることをはっきり伝えてみては?」

 お父さんは家にひとりでいる生活に満足されていて、ご自身では充実していると感じられているようですね。でも、ひきこもって誰にも会わない生活は、認知症のリスクを高めることが医学的にも証明されているので心配です。運動不足も認知症になる確率を高めますから、まずウォーキングをおすすめしたい。それから僕の著書『認知症にならない29の習慣』をぜひ読んでもらいたいね(笑)。

コロナ禍でひとり暮らしが不安に。孤独死してしまうのではと考えると怖いです。

 5年前に夫と離婚をし、アパートでひとり暮らしをしている67歳です。パートも楽しく、週末には近くに住む実姉を訪れるなど、充実した毎日だと感じています。しかし、コロナ禍で誰にも頼れず苦しむ患者の姿をテレビで見てから、ひとりで住むことが不安になってきました。遠方に住む娘は「同居する?」と言ってくれるのですが……。

鎌田's アドバイス

「孤独死は本当に不幸? 今が充実しているならその時間を大切に」

 永六輔さんは、生前に“大好きな旅の途中で野垂れ死にがいい”とユーモアたっぷりに言っていました。確かに生きているときが幸せならどこでどう死ぬかは二の次だと思います。だから孤独死=不幸ではない。患者さんで「意識がなくても救急車を呼ばないこと。私は人生に満足しているから、慌てないで」と書いて冷蔵庫に貼っている人もいますよ。生きているときの幸せを手放してまで死ぬときの安心を選ばなくていいんじゃないかな。

近所に友達と呼べる人がいません。自治会の集まりでも寂しさを感じます。

 夫が亡くなり、6年前に県外に住む息子夫婦の家へ引っ越し、同居を始めました。息子家族との関係は良好ですが、同年代が多い自治会の集まりにもなじめず、いまだ近所に友人と呼べる人がいません。習い事など始めようかと考えているのですが……。

鎌田's アドバイス

「公民館で開催されている習い事の教室なら同じ趣味の人を見つけやすいはず」
地方では、公民館活動というのがわりと活発に行われていて、さまざまな教室が開催されているので、少し勇気を出して飛び込んでみては。もし1つの教室がちょっと閉鎖的で嫌だなと思っても、同じ内容で別のグループが開催している教室がある場合も多いので、諦めないで。友人がいなくてもできる趣味を持つのも手。

“いつも一緒”を求めてくる習い事の友人。どう付き合っていけばいい?

 50代の主婦です。趣味で習字を習っていますが、最近教室が終わった後に3〜4人の生徒で行うお茶会がおっくうでたまりません。いつの間にか“参加するのが当たり前”の空気になっていて、たまに気分が乗らずに断ると「マイペースすぎる」と言われます。私はわがままなのでしょうか。友人たちとどう付き合うべきかわかりません。

鎌田's アドバイス

「束縛し合う関係なら、思い切って解消することも大事です」

 お茶会をしなければ仲間に入れないような教室なら、思い切ってやめてもいいと思います。趣味の教室もお茶会もそれぞれが楽しく過ごせる場でなければ、自立したソロ活に向きません。勇気のいることかもしれませんが、現状にこだわらず、関係をリセットすることは大事です。マイペースでいることは、ひとり時間を生きる素養としてとても大切。だから、“マイペースで何が悪いのよ、自分の人生なんだから”と思っていいのです。

頻繁に会っていた友達に距離を置かれて、とても孤独を感じています。

 ここ数年、よき散歩仲間として付き合っている近所のAさん。最近、2世帯住宅を建てて息子夫婦との同居が決まり「孫の面倒をみる」という理由で散歩をやめると言い出しました。私にとって、Aさんとの散歩の時間だけがリフレッシュの時間だったのに。せめて週1回でも散歩を続けようとお願いしたいですが、間違っていますか?

鎌田's アドバイス

「“ひとり立ち”のチャンスと捉えて、友人の選択を尊重すべき」

 正直に言うと、“散歩を続けよう”と言わないほうがいい。それまでの友人関係が変わることに不安があるかもしれませんが、それはお友達から自立して“ひとり立ち”するチャンスでもあるわけです。「お孫さんの相手で疲れたらいつでも連絡をして。愚痴を聞くわよ」と、お友達の選択を尊重しつつ、困ったときに助けてあげられる間柄を目指しましょう。そのほうがカッコいいですし、よい関係が続くと思います。

鎌田實先。1948年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長。患者の心のケアまで含めた地域一体型の医療に携わり、長野県を健康長寿県に導く。『ちょうどいい孤独』(かんき出版)ほか著書多数

<取材・文/河端直子>

このニュースに関するつぶやき

  • ソロ活、一昔前の片付けブームみたいな感じがする。
    • イイネ!1
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