歯磨きしながらのかかと運動、温泉、アロマ…メンタルヘルスに有効なプチルーティンとは

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2022年07月04日 11:00  AERA dot.

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写真香りを上手に生活に取り入れれば、リラックス効果が期待できる(gettyimages)
香りを上手に生活に取り入れれば、リラックス効果が期待できる(gettyimages)
 仕事に無理して取り組みすぎた結果、心身に不調をきたす人は少なくない。心身共に健康的に生きていくための解決策とは。AERA 2022年7月4日号から。


【写真】軽い運動や筋トレは健康面でも美容面でも効果的
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 ストレスフルな社会を健康的に、美しく生きていくためにはどうすべきか。いくつかのエビデンスのある方策を紹介したい。


 メンタルヘルスへの良好な効果が国内外の様々な研究で明らかになっているのが、運動だ。WHOやNICE(英国立医療技術評価機構)のガイドラインでは、うつ病の予防・治療に推奨されている。


「体を鍛えることは一つ一つが挑戦。自己肯定感が高まり、人生を豊かにするきっかけになる」


 こう話すのは、パーソナルトレーナーとして年間1千本以上の指導を行う中川雅子さん。最初はスクワット10回を3セットで精一杯だった人が、次第に回数が増え、体重や体脂肪率が減る。「デニムが緩くなった」「痩せてきれいになったと言われた」などの成功体験が積み重なる。


「メンタルも、『私なんて』と尻込みしていた人が、『やればできる。次は◎◎に挑戦したい』と変化する。社会に出ると、努力しても報われないことがままあります。けれども、運動や筋トレは、必ず目に見える結果として表れます」



 運動は美容面のメリットも多い。睡眠の質が向上し、血流が良くなって肌が整う、筋肉がつき美しい姿勢を保てる、などだ。


「運動というと、経験の少ない人はハードルが高く感じるかもしれませんが、一歩を踏み出してほしい。歯磨きをしながらのかかとの上げ下げなど、できることからで十分です」


 温泉もメンタルヘルスに有効だ。泉質を問わず共通する一般的適応症として「自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)」が挙げられる。つまり、医学的にストレスにいいと証明されている。


 さらにうれしい効果もある。温泉ビューティー研究家の石井宏子さんは言う。


「転地療法という言葉があるように、温泉へ出かけ、日常の繰り返しから離れることは心のリフレッシュになります。温泉は地球がくれた“天然のビューティーツール”です」


アロマでリラックス


 塩系の温泉なら保温保湿が期待できる。血行をよくする温泉なら、肌のくすみが明るくなる。


「浸かる時間は5〜10分程度を目安に。日頃の生活で、手元にスマホもなくゆっくりできる時間はそうない。心の放電を満喫してください」(石井さん)


 香りも有効だ。東京医療保健大学東が丘・立川看護学部看護学科の朝澤恭子准教授によれば、近年、アロマセラピーの市場が拡大し、医療機関で補完代替医療として注目されている。



「私が介入した、日常生活で疲れている産後のママや育児中の女性を対象にした研究では、リラックス効果や疲労感減少、爽快感や眠気の誘発、癒やしなどの結果が出ています。また、代表的なアロマであるラベンダーは、睡眠を改善するという論文が多数発表されています」


 香りの分子が鼻腔を通り感情や本能を司る大脳辺縁系に伝わり、その情報は視床下部へ運ばれ、自律神経系、免疫系、内分泌系のバランスを整える。


 ティッシュに垂らして枕元に置いたり、お風呂に数滴垂らしたりすればOK。香りは好みで選べばいいが、ラベンダー、イランイラン、オレンジなどがリラックスの定番だ。



コミュニケーション大切


 瞑想という手段もある。「EDIT YOGA WORKS」代表の池田光希さんは、更年期症状に苦しんでいたとき、マインドフルネス瞑想に出合った。


「気分の上下が激しく悩んでいた時、心が落ち着き、とても楽になったんです」


 マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に心を向けること。マインドフルネス瞑想とは、今に心を向け、瞑想することだ。


「何も考えていないようでも脳は常に働いていて、過去の失敗、未来の不安などが頭の中で渦巻いています。それから解放してくれるのがマインドフルネス瞑想です。私は、嫌な経験をしてもムカッとする前にちょっと立ち止まることができるようになり、怒りっぽくなくなりました」


 マルチタスクの時代、池田さんが勧めるのが、タスクとタスクの間に1分間目を閉じて呼吸を数える方法だ。次のタスクに行く前に脳の回転を一旦止めることが目的だ。


 つい頑張りすぎてしまう働く人へ、最後に東京都大田区の本妙院住職、早水文秀さんの言葉を伝えたい。


「『相手がわかってくれるはず』というのは自身の欲求でしかない。他人が自分の思い通りに動いてくれることはないし、言葉に出さなくても理解してもらえるというのも違う。だからこそ、コミュニケーションを取るよう努めることです。気持ちの齟齬から生じるストレスは軽減し、関係性も改善すると思います」


(ライター・羽根田真智)

※AERA 2022年7月4日号より抜粋


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