「独身おじさん友達いない」問題が意外に深刻 「会社以外ではいつも一人ぼっち」の中年男性はどうすればいいのか

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2022年07月05日 07:00  AERA dot.

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写真年齢が上がるにつれて「友達づくり」は難しくなる…。写真はイメージ(PIXTA)
年齢が上がるにつれて「友達づくり」は難しくなる…。写真はイメージ(PIXTA)
小学生の頃は「友達100人できるかな」なんて歌っていたのが、40歳を過ぎたら「あれ? 俺って友達一人もいなくない?」と愕然とする中年男性は少なくない。特に独身の場合は、家庭を持った友人とは疎遠になり、いつの間にか、話し相手がいるのは会社だけ、なんてことにもなりかねない。さらには「今さら友達づくり? 恥ずかしい」と男のプライドが邪魔をして、どんどん“ぼっち”になってくという悪循環に……。でも本音を言えば、「友達」が欲しくてたまらない! という人だっているだろう。じゃあ、どうすればいいのか。40代からの“友達のつくり方”を聞いてみた。


【データ】年齢によってまったく違う「孤独感」。1位となった年代は?
*  *  *
「別府の良い温泉を教えろ」「彼氏に浮気された」などのメッセージが寄せられ、よろず相談室と化しているらしいライターのヨッピーさんのLINE。6月のある日には、こんなメッセージが届いた。


「会社以外の知り合いが全くいなくて、危機感を覚えているのですが、いい年した独身のおっさんはどうやって友達を作れば良いのでしょうか」


 すかさず、こんな返事をするヨッピーさん。


「えーなんだろ。友達の飲み会に混ぜてもらってそこから友達の輪を増やしていくとか……?」


 ところが続く”おっさん“の返信に、全ネットが泣いた。


「その友達がいないんですが」


 ヨッピーさんはこのやりとりを「胸が痛い」というツイートとともに投稿。たくさんのリツイートと「いいね」を集めた。


 ネットでこの三段オチのお手本のようなやりとりを見て、笑ってばかりもいられなかったのが40代の独身会社員氏だ。


「そういえば自分も、昔のように友達をつくれない。それに気がついたのは、数年前。40歳を迎えたころのことですかね。四半世紀前に卒業した大学時代からの男女の友人はいるものの、数えるほど。結婚はまだしも、子どもが生まれるとみんなパタンと会わなくなって、つながっているのはLINEだけですよ。だから平日はともかく、土日は飲みにいく相手がいない。さみしいものです」



 人と話すのは好きで、会社になら話す相手は何人もいる。でもいつか仕事をリタイアする年齢になって、もしも独身を通していたら……。この会社員の場合、そう考えて一番どんよりするのは、やはり食事のことだ。自炊も好きだが、店に食べに行くのも好き。そんなとき、一緒に行きたい相手といえば、やはり友達。食べたり飲んだりは、「恋人より友達のほうが楽しかったりすることも多い」からだ。


 会社の50代の先輩に『一人で飲みに行けば、友達なんていくらでもできるだろう』と言われたこともあるが、飲み屋で出会った人とその場は盛り上がったとしても、友達として長続きするかは別。


「だいたいおっさんが、友達ほしさに誰かに話しかけたりするのだって面倒。まして『連絡先教えて』なんて、異性に聞くより恥ずかしくないですか? 要は面倒くささと恥ずかしさが、友達ほしい願望を上回っているということ。そのくせ、さみしいのです(笑)」


 さまざまなコレクションの趣味もあるが、30年以上続けているともう立派なベテラン。今さら人とつるんで、気を遣いながら掘り出しものを探しにいくのも、考えただけでめんどくさい。最近「友達紹介するよ」という友達からの声がけがまったくなくなったのは、「そんな自分にも問題があるのでは?」と考えて、ジイジイ……じゃなかった、イジイジする日々だ。


 ちなみに若いころは恋人選びじゃあるまいし、友達ひとり作るのにこんな逡巡は1ミリもなかったという。いつの間にか自分を「おっさん」と呼べる立派な年齢になったことも、自分の友達づくりを邪魔している気がして、会社員の心のどんよりを、さらにディープにしている。


 ではそんな迷えるおっさんたちは、どうしたらいいのか。まずはヨッピーさんにLINEのメッセージを送ってきた「会社以外に友達が全くいないおっさん」へ寄せられた、ネットのみなさんのアドバイスから。


「会社以外に通うところを見つけるのがいい」「ボルタリングジムは、一人で来ている人が多いのでおすすめです」「(新たな友達を求めて)会社を転職するのはどうでしょう」「小さい店で一人のみの常連になる」。



 かく言う自分はおばちゃんだが、最近仕事の場面以外で、新しい友達がまったくできない事情はおっさんたちと同じ。ボルタリングに、がぜん興味が湧いてきた……というか、そんなことより、おっさんへのアドバイスだ。


 せっかくなので、当のヨッピーさんにも聞いた。ヨッピーさんが見習うべきお手本として挙げてくれたのが、2年前、ヨッピーさんの「口車に乗せられて」、縁もゆかりもない佐賀県の唐津に移住した、編集者の中川淳一郎さん(48)だった。ヨッピーさんによると、中川さんは今では町の有名人。


「一緒に唐津で飲み歩いていると、あちこちから『中川さん!』と声がかかるほど。いつのまにか町の人気者になって、唐津の町を牛耳り始めていたのでびっくりしました。例えば『イカ釣りに行こう』とか『ニラを育てよう』とか、誰に何を誘われても、『おお!やりましょう!』と楽しそうに出かけて行くんです。そんな中川さんに、誘った方もうれしくなって、またあちこちから声がかかるんですよね」


 あるときは唐津の居酒屋で、絵に描いたようなぐでんぐでんの酔っ払いと居合わせたこともある。


「でも中川さんは実に楽しそうに、その知らない人と仲良く飲み始めたりする。あー、中川さんはこうやって、唐津の町や人を受け入れたから、この土地に受け入れられたのだな、と思った。他人に自分を受け入れてほしいなら、まず自分が他人を受け入れようと。友達作りも、たぶんそんな具合ですよね」


 最後に「超雑談力」や、最新刊「部下 後輩 年下との話し方」などの著書がある、作家で心理カウンセラーの五百田達成(いおた・たつなり)さんが言う。


「先日、大きな病院の待合室でずっと待っている人を観察していたのですが、女性は若い人から高齢者まで、いつのまにかほかの患者さんとおしゃべりが始まっている。それに対して男性は、ひとりイライラしながら、むっつりして座っている人がほとんど。私の本の読者を見ても、友達を上手につくれないのは既婚未婚にかかわらず、男性のほうが多い傾向はありそうですね」



 その解決法を、五百田さんはこう話す。


「若い世代は別ですが、今の40代以降の人のなかには、女性らしさや男性らしさを押しつけられて育った人も多い。その結果コミュニケーションでも、つい人と競争してしまい、人に議論をふっかけたり、マウントしようとする男性が少なくない印象です。他人との平和な会話に慣れていないので、まず人と雑談する場数を踏むのがおすすめ。当たり障りのないゆるふわな雑談トークでも数をこなせば、必ずや気の合う人が見つかります。そういう人に出会ったら、あとはじっくり友人としての仲を深めていくのがいいですね」


 長引くコロナ禍で、他人とのリアルなコミュニケーションがない生活が常態化。「もう友達なんていなくても生きていけるもんね」と、両手の人さし指をツンツンしている人もいるかもしれない。でも、アドラー先生も、瀬戸内寂聴先生も、金八先生もみんな言っている。「人はひとりでは生きていけない」らしいのだ。


 前出ヨッピーさんも、こう語る。


「やっぱり、人間ってひとりで生きてくようには設計されてないのかなぁ〜」


 ちなみに五百田さんによると、相手と仲良くなれる雑談の一番のコツは、「情報を交換することより、気持ちをやりとりする」こと。競争心を捨て、丸腰で人の懐に入っていくことが、「友達100人できるかな」と不安だった小学校入学時以来の、友達作りのポイントになりそうだ。おっさんたちの健闘を祈る。(福光恵)


このニュースに関するつぶやき

  • 面倒くさい友達に振り回されるぐらいなら一人の方がマシな気もするけどなぁ。
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