育休中の社員さんは「アカネさん」といって初めてのお子さんを出産したママだそうです。最初の派遣の方がすぐやめてしまったと聞いており、その後に派遣されてきた私は直接業務の引き継ぎを受けていません。ただ業務の経験者ということもあり、周りの人に聞きながらなんとか仕事をこなしてきました。
やがて職場にアカネさんが「まもなく育休から復帰します」と挨拶に来られました。お子さんを連れて挨拶に回るのはこの会社の慣習だそうです。無事に復帰されることを喜ぶべきなのかもしれませんが、代替派遣の私はモヤモヤした気持ちを抱えてしまいます。
みんなから聞いて想像していたアカネさんは、明るくて気配りもできる人でした。でもいざ対面してみると、アカネさんは私のことだけ無視をするのです。自分の代わりに業務をこなしていた私のことが面白くないのでしょうか? それとも私は「もうすぐいなくなるからどうでもいい」存在なのでしょうか。わかっていたこととはいえ、あからさまに冷たくされてショックを感じた私でした。
【第2話】へ続く。
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