au通信障害、「デュアルSIM」を使えば大丈夫だった? スマホユーザーが考えたい有事への備え

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2022年07月05日 10:42  ITmedia NEWS

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写真SIMカード
SIMカード

 7月2日から4日にかけて起きたKDDIの大規模な通信障害。同社史上最大という今回の障害では、個人向け・法人向け問わず最大3915万回線が影響を受けたという。発生当初はTwitterなどでユーザーから困惑の声が続出。事態を回避しようと試行錯誤する人の声も相次いでいた。



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 中でも話題になったのは。SIM(加入者識別モジュール)カードを2枚使い、1台のスマートフォンで2つの回線を使えるようにする「デュアルSIM」だ。片方の回線が使えなくなっても、もう片方が使えればトラブルに備えられるので、ユーザーが取れる障害対策として注目を浴びた。



 今回の障害は休日に起きたが、仮に平日だった場合、BYODのスマホが使えないといった問題につながり、仕事に支障が出る可能性もある。今後、KDDI以外の通信キャリアで類似のトラブルが起きないとも限らない。デュアルSIMなら、そんな事態への対策にもなるかもしれない。



●そもそもSIMカードって何? 1枚じゃダメなの?



 そもそもSIMカードとは、キャリア事業者が提供する、契約者の情報を記録したチップのことだ。これをスマホなどに挿入することで、事業者がユーザーの情報を識別でき、電話やデータ通信が可能になる。



 スマホによっては、組み込み型のSIMカード「eSIM」を搭載しているものもある。eSIMに対応している場合、キャリア事業者はユーザーの契約情報などを遠隔操作で変更できる。この場合、ユーザーはSIMカードを手動で挿入せず、通信プランなどの利用を始められる。



 キャリア事業者は基本的に、回線を1つ契約するごとに1枚のSIMカード(またはeSIM)を提供している。スマホの中には、SIMを2枚使えたり、物理的なSIMカードとeSIMを併用できたりするものもある。これを活用し、1台のスマホで2社の回線を使うのがデュアルSIMだ。



 例えばiPhoneはiPhone XS以降のモデルから物理的なSIMカードとeSIMの併用に対応。iPhone 13シリーズはeSIM同士でのデュアルSIMにも対応している。



●節約や公私での使い分けにも デュアルSIMの利点



 このデュアルSIMには障害対策の他にもいくつか利点がある。例えば、携帯料金の節約につなげられる可能性だ。



 デュアルSIMを使う場合、2つの回線を契約することになるので、データ通信と音声通話をそれぞれ別々のプランで契約することが可能だ。データ通信と音声通話がセットになったプランを契約するより、2つのプランを組み合わせた方が安くなったり、通信の品質が良かったりする場合がある。



 他には、用途ごとに回線を使い分けられるメリットもある。例えば仕事はA社が提供する回線で、プライベートはB社の回線で──と使い分ければ、1台のスマホで2つの電話番号が使えるので、“2台持ち”の必要がなくなる。



 今回の障害なら、片方がKDDIの回線でも、もう片方がソフトバンクの「LINEMO」や、ドコモの「ahamo」などであれば、トラブルの影響を低減できた可能性がある。実際、Twitterでは障害の発生中に「デュアルSIMで助かった」などと投稿している人もいた。



●契約する回線やスマホ機種に注意 デュアルSIMの確認点



 一方で、こういったデュアルSIMのメリットを享受するに当たっての注意点もいくつかある。1つは契約する回線だ。



 KDDIで発生したような障害への対策としてデュアルSIMを使う場合、同じキャリアの回線を契約してもあまり意味がない。使っている通信網が同じなので、障害時には両方が使えなくなる可能性がある。



 特に注意が必要なのは、MVNO(いわゆる“格安SIM”)のプランを使う場合だ。MVNOは自社で通信設備を持っているわけではなく、KDDIなど大手キャリアのインフラをレンタルしてサービスを提供している。



 仮に大手キャリア側で障害が起こると、MVNO側も共倒れしてしまう可能性があるので、契約時には留意しておく必要がある。実際にKDDIの障害では、KDDIのメインブランドだけでなく、サブブランドの「UQmobile」やオンライン専用プラン「povo」に加え、同社の回線を使っている「IIJmio」や「mineo」などの一部プランに影響が出た。



 もう1つは、SIMカードをスマホがどう認識するかだ。デュアルSIMのとき、各回線をどのように使い分けられるかはスマホによって異なる。特に2つの回線を頻繁に切り替えたい場合などは、自分のスマホがどんな方式でSIMカードを認識するか、確認が必要になる。SIMカードの認識方式は4種類ある。



DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)



 DSSSは、2つのSIMカードが使えるものの、都度どちらかの回線を有効化・無効化しなければいけない方式だ。通話やデータ通信は有効化している回線でのみ可能。無効化しているSIMは圏外扱いになり、電話の着信やデータ通信ができない。



DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)



 DSDSは、デュアルスタンバイと名が付く通り、回線の切り替えが不要になるので、2つの電話番号のどちらに着信があっても反応できる。片方のSIMでデータ通信を使っている間、もう片方のSIMで通話することも可能だ。



 ただし、片方のSIMで通話中に、もう片方のSIMでデータ通信ができない他、2つの回線のうち片方は5G/4Gが使えるが、もう片方は3Gのみに限定される。



DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)



 DSDVは基本的にはDSDSと同じ使い方が可能だ。ただしDSDSと違い、2つの回線で5G/4Gが使える。



DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)



 DSDAは、2つのSIMが常時併用できる。片方の回線で通話中に、もう片方の回線でデータ通信することも可能だ。切り替えも必要ない。両方の回線を5G/4Gで利用できる。



 2021年にはドコモでも大規模障害が発生しており、通信が高度化・日常での重要なインフラになる中で、通信障害が長期化する可能性が今後もないとは限らない。もしものときを考えて、今から対策を考えるべきだろう。


このニュースに関するつぶやき

  • 2枚目の電話番号も双方共に認識しておく必要があるのだが。現実的な話をしてくれw
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