写真![]() 難しい年金制度に対する疑問に専門家がお答えします。ここでは、ボーナスを支給されると年金保険料や将来もらえる年金にどんな影響があるのかという質問に回答します。 |
Q. ボーナスの金額が多いほど天引きされる年金保険料も多くなるの?
「会社から年2回ボーナスをもらっていますが、金額が多くなると天引きされる年金保険料が高くなったり、将来もらえる年金も多くなったりするのでしょうか?」(40歳・会社員)A. ボーナスから厚生年金保険料が引かれ、将来、年金を多くもらえます
毎月の給与からは、税金の他に、厚生年金保険料、健康保険料(40歳以上の人は介護保険料も含みます)、雇用保険料が引かれていると思います。ボーナスからも同じように引かれます。毎月の給与から引かれている厚生年金保険料(令和4年度・ 協会けんぽ・東京)は、標準報酬月額×保険料率(18.3%)で計算されます。標準報酬月額とは、給与をもとに1等級から32等級まであり、等級があがれば標準報酬月額もあがります。
つまり、給与が高い人ほど標準報酬月額が高くなるという仕組みです。
ボーナスから引かれる厚生年金保険料は、ボーナスの額面金額(1000円未満切り捨て)×保険料率(18.3%)で計算します。厚生年金保険料は勤務先と折半しますので、実際には18.3%の半分(9.15%)が引かれています。
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厚生年金に加入していると、将来、老齢基礎年金と老齢厚生年金をもらうことができます。老齢基礎年金は払った「期間」によってもらえる年金額が変わりますが、老齢厚生年金は払った(給与天引きされた)「金額」によって変わります。
給与が高い人は厚生年金保険料も多く引かれることになり、ボーナスをもらった人も金額に応じた厚生年金保険料が引かれるので、その分、もらえる老齢厚生年金も多くなるということです。
監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)