もう「万が一」ではない 通信障害の被害を防ぐための自衛手段

1

2022年07月05日 12:22  ITmedia Mobile

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia Mobile

写真KDDIの通信障害は、約3915万回線に影響を及ぼした
KDDIの通信障害は、約3915万回線に影響を及ぼした

 7月2日1時35分頃から発生しているKDDIの通信障害は、2日半がたった4日16時頃にようやく「ほぼ回復」し、5日夕刻に完全復旧する見通しとなった。KDDIの回線で起きた障害のため、auだけでなく、UQ mobileやpovoにも影響を及ぼした。



【その他の画像】



 スマートフォンを使ってさまざまなことが可能になるほど、通信が不通になることのインパクトも大きくなる。通話やメッセージのやりとりができなくなることはもちろん、(バーコードを表示させる)スマホ決済や、インターネットでの情報収集もできなくなる。さらに緊急通報もできないとなると、人命にもかかわる。



 振り返ると、KDDIだけでなく、ソフトバンクとNTTドコモも大規模な通信障害を起こしている。2018年12月にはソフトバンクが約4時間半、2021年10月にはドコモが約12時間にわたって全国で通信障害を発生させた。約4年半で3件もの大規模な通信障害が起きており、もはや「万が一」と言えない頻度になっている。



 今回のように通信障害が1日や2日も続くとなると、日常生活に大きな支障をきたす。ユーザーとしては、自分が使っている回線が通信障害に遭遇したとしても、代替の通信手段を確保する、あるいはダメージを最小限に抑えるよう対策を講じておく必要がある。



●サブ回線は「povo2.0」と「IIJmioのeSIM」がオススメ



 まず、最もシンプルな対策が、サブ回線を持つことだろう。ITmedia Mobileでも、2022年4月12日にサブ回線を持つ意義とオススメのサービスを紹介している。



 最もオススメできるのは、この記事でも紹介している、基本料金が0円から利用できる「povo2.0」だ。180日間で一定の課金が必要なものの、使わない月は0円なので、「いつ使うかは分からないけれど、取りあえず維持したい」という用途にマッチする。しかし、povoはKDDI回線を用いているため、今回のようにKDDIで通信障害が起きたら、povoも使えなくなる。従ってpovoをオススメできるのは、ドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルなどKDDI以外の回線を持っているユーザーとなる。



 他に0円で維持できる回線として、1GBまでは0円で利用できる楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」があったが、このプランは2022年6月末で終了。現在は「Rakuten UN-LIMIT VII」を提供しており、最低料金が1078円になってしまった(2022年10月末までは、キャンペーンにより1GBまでの料金は実質無料)。



 一方、楽天モバイルでは無料の通話アプリの「Rakuten Link」を国内通話がかけ放題で利用でき、固定回線にもかけられる。11月以降は月額1078円〜の料金が発生するが、楽天モバイルは通話が多いユーザーにとって魅力的なサブ回線といえる。



 auユーザーにオススメしたいサービスの1つがIIJmioのeSIMだ。IIJmioではドコモ回線でeSIMのサービスを提供しており、ドコモ以外のユーザーなら複数回線を手に入れられる。通話には対応しておらず、データ通信専用なのは注意が必要だが、月額料金が2GBで440円からと安い。しかも2022年7月31日までに申し込むと、月額料金が300円×6カ月間割り引かれ、eSIMの初期費用が3300円から550円に割り引かれる。つまり半年間は2GBなら550円+月額140円で運用できるので、これを機に申し込んでみるのも手だ。



 この他、日本通信(ドコモ回線)の「合理的シンプル290プラン」は1GBでも月額290円、HISモバイルの「自由自在290プラン」は100MB未満なら月額290円で回線を維持できる。OCN モバイル ONEの「500MB/月コース」も月額550円と安価だ。



 なお、MVNOサービスを選ぶ際に注意したいのが、回線の種類だ。通信障害が発生すると、そのキャリアの回線を使っているMVNOサービスでも障害が起きる。auユーザーがau回線を使っているMVNOサービスを契約しても、au回線を2つ持つことになるので、KDDIで障害が起きたらMVNOサービスも使えなくなってしまう。auユーザーならドコモやソフトバンクの回線、ドコモユーザーならauやソフトバンクの回線、ソフトバンクユーザーならドコモやauの回線を用いたMVNOサービスを選ぼう。



●eSIMのサービスを押さえておく



 少額でも維持費が発生するのに抵抗がある……という人は、eSIMを契約できるサービスを押さえておくといいかもしれない。物理的なSIMの発送を必要としないeSIMなら、オンラインで申し込んで即日利用を開始できる。つまり通信障害が起きてから契約をするというパターンだ。



 キャリアショップで新規契約すればeSIMにこだわる必要はないが、eSIMの方がスピーディーに契約から通信開始までを完了できる。ただしpovoでは、20時以降にeSIMを発行した場合、アクティベーションが完了するのは翌日の9時30分以降となるので注意したい。



 eSIMは他に、ドコモ回線はドコモとahamo、KDDI回線はUQ mobile、ソフトバンク回線はソフトバンク、Y!mobile、LINEMOも対応している。ただしドコモについては現在のところ、オンラインでのeSIM発行は受け付けておらず、ドコモショップで発行してもらう必要がある。



 現在、携帯電話の解約金は撤廃されているので、必要なときにだけ申し込んで、不要になったら無料で解約できる。こうした状況からも、eSIMは利用しやすくなっているといえる。



●スマートフォンはnanoSIM+eSIM対応が安心



 デュアルSIMやeSIMに対応したスマートフォンを使うことも重要だ。iPhoneの場合、iPhone XS以降のモデルはnanoSIM+eSIMのデュアルSIMに対応している。Androidスマートフォンについても、Pixelシリーズ(Pixel 4以降)を中心にeSIM対応機種が増えている。メイン回線にnanoSIMを使い、サブ回線用にeSIMを確保しておくと安心だ。



 eSIMの対応機種(動作確認済み機種)は、IIJmioのWebサイトから確認できる。



 なお、SIMロックがかかっているスマートフォンを使用している場合、他キャリアのSIMを使う際に、SIMロックを解除する必要がある。



●家族で異なる回線を持つ



 家族で暮らしているという人は、夫と妻など、家族それぞれが異なる回線を契約することも、家庭全体で見れば通信の冗長性につながる。例えば夫の回線が不通になっても、妻の回線がつながれば、情報収集や外部との連絡が可能になる。



 家族で同じキャリアを契約することで、家族割引を受けられる、通話料が安くなるといったメリットもあるが、それぞれが格安ブランドを契約することで、トータルの通信料は逆に安くなる場合もある。



 MVNOは、ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線といったマルチキャリアでサービスを提供しているところが多いので、同じMVNOサービスを契約するにしても、家族によって回線を分けるのも有効だ。IIJmioの「ギガプラン」の音声SIMは、ドコモ回線とau回線を提供しており、同一mioID内でデータ容量をシェアできる機能は、回線が異なっていても利用できる。



●固定回線を持つかどうか



 先述したeSIMを利用するには、プロファイルをダウンロードするのに、別途Wi-Fiなどの回線が必要になる。外出先にいれば公衆Wi-Fiを利用すればよいが、自宅にいるなら固定回線が必要になる。通信障害が発生してからeSIMを契約しようとしても、Wi-Fiがなければ、eSIMの設定ができなくなってしまう。



 もちろん通信障害に備えるためだけに固定回線を持つ必要はないだろうが、固定回線があって自宅の中でWi-Fiの環境を確保できていれば、通信障害が起きても、データ通信を用いてメッセージを送ったりLINE電話を使ったりして連絡を取ることはできる。



 最近はモバイル回線を利用した固定通信の代替サービスも増えているが、通信の冗長性や安定性を考えると、固定回線を持っていない人は、これを機に検討してみるのもいいだろう。



●公衆電話の場所を把握しておく



 サブ回線を持っておらず、固定回線やWi-Fi環境もない状況で通信障害に遭遇してしまったが、すぐに連絡を取りたい――そんなときは公衆電話を使うしかない。携帯電話の普及ですっかり利用機会の減ってしまった公衆電話だが、いざというときのために使える連絡手段として、自宅や職場の近くにある公衆電話の場所を把握しておきたい。



 NTT東日本とNTT西日本のWebサイトで、地域ごとの公衆電話の設置場所を検索できるので、確認しておくといいだろう。



●スマホ決済にも代替手段を



 通信障害が起きた際に、よく聞くのが「スマホ決済が使えず買い物ができなくなってしまった」という話だ。ここでいうスマホ決済とは、PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイなど、QRコードやバーコードを表示させたり、店頭のバーコードを読み取ったりして支払うサービスのことを指す。これらのサービスではバーコードを表示させたり、決済したりする際にデータ通信が必要になるため、圏外では利用できなくなる。



 そこで、対応機種をお持ちなら、スマートフォン自体は圏外でも利用できる、FeliCaの非接触決済サービスに登録しておくといいだろう。具体的にはiD、QUICPay、Suica、楽天Edy、nanaco、WAONなどだ。ただしこれらのサービスも、決済端末側で通信が必要になる場合があるため、利用回線に障害が起きていると決済できなくなる可能性はあるが、決済手段は複数確保しておくにこしたことはない。



 そして究極の対策は、やはりいざというときのために「現金」も持ち歩くことだろう。



 ここまで、通信が不通になることの影響と対策を説明してきたが、1人暮らしか、家族と暮らしているか、固定回線があるかないかなど、生活環境によってそのインパクトや対策方法は変わってくる。自分の生活環境を考えながら、“万が一とは言えなくなった事態”に備えていただきたい。


    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定