50歳一人暮らし、貯金3500万円。現在マレーシア勤務ですが、リタイアして帰国したい

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2022年07月05日 22:21  All About

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写真相談者は、マレーシアで勤務する50歳の会社員男性。早期リタイアして、実家で暮らしたいと希望していますが、リタイアのタイミングやマネープランについて知りたいとのこと。FPの深野康彦さんがアドバイスします。
相談者は、マレーシアで勤務する50歳の会社員男性。早期リタイアして、実家で暮らしたいと希望していますが、リタイアのタイミングやマネープランについて知りたいとのこと。FPの深野康彦さんがアドバイスします。

リタイア可能なマネープランを知りたい

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、マレーシアで勤務する50歳の会社員男性。早期リタイアして、実家で暮らしたいと希望していますが、リタイアのタイミングやマネープランについて知りたいとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

はやさん(仮名)
男性/会社員/50歳
マレーシア/賃貸住宅

家族構成

一人暮らし

相談内容

マレーシアに住んでいますが、リタイアし実家に戻りたい。日本に帰ったら田舎のため車は必要、日本に戻った後はあまり働くつもりはない(必要であればします)のでリタイア可能かどうか知りたい。

実家は一戸建て母親(現在72歳)名義。いつまで海外で働けばいいでしょうか。また、投資資産はどういうタイミングで売却した方がいいでしょうか。転職したため退職金はありません。

家計収支データ

はやさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「はや」さんの家計収支データ


家計収支データ補足

(1)ボーナスの使いみち
母親へ送金20万円、貯蓄20万円

(2)払い込み終了の保険について
以前勤務していた会社を退職した際の退職金で支払った。詳細は以下。

終身保険(死亡保障1000万円)
養老保険(満期金500万円、2030年満期)
個人年金保険(60歳から10年確定、年金額24万円)

(3)帰国後の一時費用について
車両費は諸経費込みとして200万円程度。他に生活準備費用として50万円。

(4)リタイア後の生活費について(目安)
母親と同居中=税金、社会保険料も含め15万〜16万円
その後=20万円

(5)母親の資産について
土地1000万円(家屋は築40年のためゼロ)、国債1000万円、貯蓄等は不明。

親族(相続人)は他に弟。土地家屋は相談者が相続。他は土地家屋相当額を弟に。さらに余れば残りは折半。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:退職3年延期かセミリタイアが選択肢
アドバイス2:セミリタイアの場合、事前の情報収集と検討を
アドバイス3:iDeCoやつみたてNISAは退職後も継続を

アドバイス1:退職3年延期かセミリタイアが選択肢

早期リタイアが可能かどうかのご相談ですが、まずは今すぐ退職した場合を考えてみます。

現在の金融資産は3580万円。これに払い込みが終了している保険商品がありますので、これを前倒しで加算します。終身保険は何歳のときに解約するかで解約返戻金の金額は異なります(保険証券で確認できます)が、死亡保障1000万円がすべて主契約ならば、70歳で解約して700万〜800万円でしょうか。

他に養老保険が満期金500万円、個人年金保険の保険金の総額が240万円。あと、退職金はなしということですから、合計約5000万円。ざっくりとですが、保有する金融資産を5000万円(投資商品の評価額の変動は考慮せず)とします。

退職して日本に帰国した場合の一時的出費として、車の購入と生活準備資金で250万円。これを差し引くと4750万円となります。

この資産を持って、日本でのリタイア生活を開始します。希望はあくまでフルリタイアですから、働いて収入は得ないとします。まず公的年金が支給開始となる65歳までの15年間。データによれば、お母さんとの生活での、はやさん負担の生活費は15万〜16万円とのことですから、間を取って15万5000円とすれば、15年間で2790万円。

ただし、この間、クルマの買い替えが1回ないし2回はあるでしょう。他に車検、その他の整備費用、自動車保険などのランニングコストを加味すれば、余裕を持って(60歳以降も乗ることを考慮して)500万円ほど別途予算取りしておく必要がありそうです。

結果、この間、他にまとまった支出がなかったとしても、3300万円程度取り崩すことになります。結果、手元に残る資金は1500万円程度となります。

65歳から公的年金が支給されますが、データには「見込額12万円」とあります。これが額面か税・社会保険料を差し引かれた手取り額は不明ですが、ここでは手取り額としておきます。

はやさんが一人暮らしになる時期を、お母さんが95歳まで生きられたとすれば、はやさん73歳のとき。ここまでは毎月3万5000円の赤字ですから、8年間で336万円、老後資金を取り崩すことになり、残金は1100万〜1200万円ほど。それ以降、生活費が20万円にアップするとのことですから、取り崩す額は月8万円。結果、86歳を迎える前に老後資金は底を尽きます。

もちろん、投資商品の売却益や配当金を加味していませんので、実質もっと資産は多くなるでしょう。また、はやさんが想定されている老後の生活費には予備費も含まれていますが、さらなる車の買い替えや住宅の修繕、家電の購入、自身の医療費、介護費なども考慮すれば、実際のキャッシュフローはもっときびしくなる可能性もあります。

アドバイス2:セミリタイアの場合、事前の情報収集と検討を

すぐに退職して、リタイアする場合、老後資金はきびしいと言わざるを得ません。ではどうすべきか。老後の生活費をさらに下げるという方法もありますが、金額的に大きく下げることには無理があります。

したがって、現実的な対策としては以下の2つ。退職時期を数年延期する、あるいは退職はするものの帰国後ある程度の収入を得る、のどちらかです。

退職延期の場合、例えば3年延長したらどうなるでしょうか。現在の貯蓄ペースは月16万3000円、ボーナスからは20万円ですから、3年間で647万円。同時に、リタイア生活による老後資金の取り崩しが3年分で558万円。これで計1200万円、老後資金アップとなります。

したがって、73歳のときの手持ち資金は2100万円。ここから予備費として300万円を差し引いても、手持ち資金は19年、91歳までカバーできることになります。

次にすぐに退職して、帰国後多少働くセミリタイアの場合を考えます。収入は年間100万円とします。65歳になるまで15年間なら1500万円。3年間の退職延期より300万円老後資金はアップしますので、さらに3年ほど、94歳までカバーできることになります。

どちらがいいかは、はやさんの想い、希望次第です。すぐにでも退職したいならセミリタイアの形となりますし、そもそも退職時期を3年程度先と考えているなら、それでもいいでしょう。あるいは2年後に退職して、帰国後も働くといった形も当然あります。

ただし、年収100万円程度でも、地域や職種など、はやさんが帰国後すぐに働ける条件が整っているかどうかは不確定です。また、はやさんが1年くらいゆっくりしたいと思うかもしれません。それも含めて、事前の情報収集をした上で、慎重に考えておきたいところです。

アドバイス3:iDeCoやつみたてNISAは退職後も継続を

最後に投資商品について。現在、保有資産の42%が投資商品となっています。独身であり、ローンがないわけですから、決して比率が高すぎるとは言えないでしょう。それでも、今後のライフプランを考えれば、基本的には老後に向けて徐々に現金化していくことが望ましいと考えます。

いろいろ手広くされていて、投資経験も知識も豊富でしょうから、それについてははやさんの考えで進めていいのでは。また、税制上有利なiDeCoやつみたてNISAは退職後も継続していいと思います。

相談者「はや」さんから寄せられた感想

診断ありがとうございました。リタイア時期が明確になり、また見込んでいた他の必要な経費のアドバイスがあり参考になりました。まずは、質問する段階で漠然としていた将来のお金の流れが自分で見えてきました。

それに対してのアドバイスがあり目標が明確になってきました。今後もさらに検討材料を増やし、リタイアに向けて具体化していきます。深野先生含めマネープランクリニックの方々には心より感謝します。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:清水京武
(文:あるじゃん 編集部)

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