森保一監督が絶賛する町野修斗の実力は? E−1選手権代表選考は若手重視でいいのか

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2022年07月06日 06:31  webスポルティーバ

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 7月19日から始まるE−1選手権に向け、現在は代表メンバー選考の真っ只中だろう。FIFA管轄の大会ではないので、メンバーは国内組、すなわちリーグ選抜という形になる。さらに、過去にワールドカップに出場経験のある選手の選考は、今回は見送られるという。

「若手重視」

 森保一監督は、そう明言している。ただ若手の定義は、やや曖昧か。実質的には、U−23アジアカップで3位に入ったパリ五輪世代のU−21代表、もしくは東京五輪世代までになるだろう。

 そもそも、E−1選手権の位置づけは難しい。

「代表への登竜門」

 そうなるだろうが、実際はカタールW杯日本代表には直結しないだろう。なぜなら、国内組と欧州組ではあまりに実力差があるからだ。欧州組のほうが場数を踏んでいるし、適応力も高く、あらゆる面で上回る。例えば、Jリーグの若手FWで南野拓実、古橋亨梧、あるいはベルギーに移籍が決まった上田綺世と対抗できる選手がいるだろうか。

 カタールW杯までに、国内組の若手が序列を覆すことはないと言ってもいいだろう。




 森保監督が、J1で8得点を挙げている22歳のFW町野修斗(湘南ベルマーレ)に言及したことで、E―1選手権での代表招集の可能性が高まっている。

 7月2日、第19節で湘南と対戦した名古屋グランパスの長谷川健太監督は、「昨シーズンも、町野は(才能の)片鱗を見せていました。もともとポテンシャルは持った選手で。今シーズンは川崎(フロンターレ)戦で得点を取るなど、結果を出して自信を得たのが(活躍の要因として)大きいかもしれません」と賛辞の言葉を贈っている。

 ただし、町野はまだ成長途上にある。彼に対するマークはこれから厳しくなるだろう。大きな体躯を生かし、パンチ力のあるシュートで貢献してきたが、今後、自由度は低くなる。そうなるとストレスを受け、この日の名古屋戦のように決定機を外すことになる。それが二度、三度と続けば、すぐにスランプに陥るだろう。代表に招集されるにはその試練を乗り越えるべきで、もう一回り、二回り上のレベルでの活躍が必須だ。

残留争うチームにも日本代表の候補が

 一方、代表候補に名前が挙がっているわけではないが、代表に呼んで「面白い」と思える選手が、同じ湘南にいた。中盤の底でプレーするMF田中聡(19歳)だ。

 田中は局面での五分五分のボールに対し、ファイトできるし、負けない。名古屋戦は背後を取られる場面もあったが、腰の強さと反応の鋭さでリカバリーしていた。何より頭のよさを感じる選手で、ポジションをやたら動くことはせず、敵の2トップへのコースを遮断。周りを動かしながら、奪ったボールをダイレクトで差し込めるビジョンを持っている。

 田中のもうひとつの利点は、左利きであることだろう。体を開かずに右にボールを預けられるし、タイミングが右利きと違い、ボールの巡りに変化を生み出せる。経験は圧倒的に足りないが、遠藤航、守田英正、田中碧、柴崎岳など、森保ジャパンのMFにはないアドバンテージだ。

 実は湘南と同じく降格圏にいるクラブであっても、登竜門に立たせて面白い選手はいる。最下位、ヴィッセル神戸の若手でも、21歳の左利きのセンターバック、小林友希は線の細さは残るが、左足でつけるパスやポジショニングなどセンスを感じさせる。清水エスパルスの20歳のFW、鈴木唯人も森保監督好みのスピード系だ。

 しかし、話をひっくり返すようだが、代表選手を選ぶのに若さを重視すること自体、競争原理には反する。若手の大会はアンダー世代であるもので、日の丸を背負う以上、その時点で最もふさわしい選手が選ばれるべきだろう。「若手は伸びる」かもしれないが、「ベテランは衰える」というのは間違いで、明らかに早熟、遅咲きというタイプはいる。

 たとえば30歳を超えての代表初選出があれば、少なくともJリーグの活性化にはつながるだろう。同じ第19節にいい例があった。

 現在、首位を走る横浜F・マリノスのMF水沼宏太は、代表招集歴はない32歳だが、選ばれるに値するプレーを示している。清水エスパルス戦も、試合を決定づけるふたつのアシストを決めた。右足のクロス、ラストパスは今やJリーグナンバー1と言える。プレーに幅、深みを作り、緩急も生み出せる、首位に立つクラブのベストプレーヤーだ。

「若手重視」

 その括りだけで水沼のような選手を外すことは論外で、選手価値基準の不当さを生む危険がある。

 代表はJリーグをけん引し、Jリーグは代表を下支えするべきもの。その相互関係を考えた場合、若手にだけ特権を与えるべきではない。まったく同じレベルなら若手を抜擢するというのはひとつの考え方だが、最初から年齢で区切ってしまうと、プロの世界では必ず齟齬が生じる。未成熟な選手が代表ユニフォームを着るとしばしば浮かれてしまうもので、一方で習熟した選手が輝ける檜舞台を奪うことになるのだ。

<若手主体だから負けた>

そんな言い訳だけは許されない。

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