遅咲きのゴールスコアラー…30代になってから代表初得点を記録した選手たち

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2022年07月06日 16:06  サッカーキング

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30代に入ってから代表初ゴールを決めた遅咲きの選手たち [写真]=Getty Images
先月のUEFAネーションズリーグでは、スペイン代表のMFガビが同代表における最年少ゴールを決めて話題になった。

 バルセロナに所属する若武者は、6月5日に行われたスイス戦で前半終了間際にネットを揺らして「17歳304日」でスペイン代表の最年少ゴール記録を樹立して見せた。だが、若くして結果を残す逸材もいれば、もちろん遅咲きの選手だっている。



 ネーションズリーグのグループ1では、オーストリアのFWアンドレアス・ヴァイマンが6月10日のフランス戦で代表初ゴールをマークした。プロデビューして以降、ずっとイングランドでプレーしてきたヴァイマンは、今ではイングランド2部リーグに所属しているが過去にはアストンヴィラでプレミアリーグ113試合(17ゴール)に出場した経歴を持つ。そして2012年に代表デビューを果たし、10年の歳月を経て、今年6月に代表18キャップ目にして初めてゴールを決めたのだ。「30歳309日」での代表初ゴールだった。



[写真]=Getty Images

■イングランド



 このように、英紙『The Guardian』によると30代に入ってから代表初ゴールを決めた遅咲きの選手は他にもたくさんいるという。イングランドで有名なのはリッキー・ランバートだろう。2017年に現役を退いた元ストライカーは、若い頃に4部リーグなどでプレーした後、サウサンプトンで大ブレーク。同クラブを3部からプレミアリーグに引き上げる活躍を見せ、2013年に初めて代表に招集されると、代表デビュー戦でいきなり結果を残した。

 同年8月のスコットランド戦でFWウェイン・ルーニーに代わって後半途中に投入されると、ピッチに立ってわずか2分43秒でコーナーキックを頭で合わせてゴールネットを揺らしたのだ。「31歳179日」での代表デビューゴールという快挙だった!その後、ランバートはプレミアリーグで2季連続での2桁ゴールをマークしてリヴァプールに引き抜かれるも、アンフィールドでは活躍できずに1年でチームを去った。

 イングランドでは、30代に入ってから代表初ゴールを決めている選手が他にもいるようで、1966年のワールドカップでイングランド代表を世界一に導いた名将アルフ・ラムゼイも、そんな一人だ。現役時代に右DFとしてトッテナムで活躍したラムゼイは、1948年に代表デビューを果たすと、その3年後に31歳にして初めて代表ゴールを決めた。ラムジーの現役時代の同僚だったトッテナムの英雄、ビル・ニコルソンなどは1951年に32歳にしてイングランド代表デビューを飾り、その試合でゴールまで決めている。だが上には上がおり、戦前にダービーで活躍したジミー・ムーアは、1923年に「34歳10日」で代表デビューを果たしてゴールネットを揺らしたという。

■イタリア



 イタリアにも30代で代表初ゴールを決めた選手がいる。歴代最高のDFの一人に挙げられるファビオ・カンナヴァーロもゴールを決めるまでに時間がかかった選手だ。イタリア代表歴代2位の136キャップを持つカンナヴァーロだが、ゴールは2点だけ。初ゴールは代表78試合目となった2004年の親善試合のチュニジア戦。「30歳260日」での初ゴールだった。

 2006年のワールドカップでイタリアを頂点に導いたDFマルコ・マテラッツィは「32歳307日」で代表初ゴールを決めた。同大会のグループリーグのチェコ戦でネットを揺らしたのだ。そしてマテラッツィの2点目にして代表でのラストゴールは、フランスとの決勝戦で生まれた。コーナーキックを頭で合わせて同点ゴールを奪った同選手は、延長戦にジネディーヌ・ジダンを退場に追いやり、イタリアの4度目の栄冠に貢献した。

 Jリーグの清水エスパルスでもプレーしたFWダニエレ・マッサーロも、代表チームでは不発が続いた。1982年に21歳で代表デビューを果たすも、代表で初ゴールを決めたのはその12年後のこと。1994年ワールドカップに出場した同選手は、グループリーグのメキシコ戦で「32歳」にしてようやく代表初ゴールを決めたのだ。イタリアは順調に勝ち上がるも、決勝でPK戦の末にブラジルの前に涙を呑み、マッサーロ自身も代表では通算15試合に出場するがゴールは1点だけに留まった。

 近年のイタリアで遅咲きのストライカーと言えば、FWフランチェスコ・カプートだろう。サンプドリアに所属する34歳のベテランストライカーは、セリエBでの下積みを経て2019-20シーズンにサッスオーロで36試合21ゴールとセリエAで大爆発。2020年9月に代表デビューを果たすと、翌月のモルドバ戦で「33歳62日」にして代表初ゴールを決めた。

■スペイン



 スペインでは、アリツ・アドゥリスが遅咲きのストライカーとして有名だ。2015−16と2017−18シーズンにアスレティック・ビルバオでヨーロッパリーグの得点王に輝いた同選手は、2010年に29歳にしてスペイン代表デビューを飾ったが、その後は代表から遠ざかることに。ようやく初ゴールを決めたのは6年後の2016年3月のこと。「35歳42日」にして代表2キャップ目で初ゴールを決めた。

 そのアドゥリスは、同年11月のW杯予選のマケドニア戦でもゴールを決めて偉大な記録を樹立することに。「35歳275日」でのゴールは、1930年にホセ・マリア・ペーニャが打ち立てた35歳225日を超えてスペイン代表の最年長ゴール記録となったのだ。その後もアドゥリスは2020年に39歳で引退するまでプレーを続けた。

■その他



 他の国ではアドゥリスの35歳の記録を超える選手がいる。デンマークでは、マンチェスター・Uで活躍した偉大なGKピーター・シュマイケルが36歳で代表初ゴールを決めた!レスターに所属するGKカスパー・シュマイケルの父親は、2000年6月のベルギーとの親善試合では自身唯一のゴールを決めた。EURO 2000に向けた最終調整の一戦でPKを決めたシュマイケルは「自分の代表キャップの横に“得点0”と書かれているのが嫌だったのさ!」と試合後に冗談を飛ばした。デンマーク代表で歴代最多129キャップを誇る偉人は、121試合目での初ゴールとなった。

 韓国では“韓国サッカーの父”と呼ばれるキム・ヨンシクが偉大な記録を持つ。1910年生まれの同氏は1950年4月15日の香港戦で国際Aマッチでの初ゴールをマーク。「39歳9カ月」のゴールは同代表チームにおける最年長ゴール記録となっている。

 一方で、バレンシアで活躍した元フランス代表DFジョスリン・アングロマは「41歳」にして出生地であるグアドループの代表チームで初ゴールを決めた。フランス代表として37試合1ゴールの成績を持つアングロマだが、グアドループがFIFAに加盟していないため同代表でもプレーが許され、40歳を超えてから2度目の“代表初ゴール”をマークした。

 だが、これを超える記録を持つ選手がいる。それがアメリカ領ヴァージン諸島のキースロイ・コーネリアスだ。西インド諸島のクリケットの代表選手だったコーネリアスは、サッカーではアメリカ領ヴァージン諸島の代表選手として2014年ワールドカップの予選に参加。そして2011年11月15日のキュラソー戦で代表初ゴール。「43歳196日」でのゴールは、男子の代表戦における最年長ゴールの1つと言われている。

(記事/Footmedia)

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