北陸新幹線&西九州新幹線の建設で技術力が評価、4つの学会賞受賞

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2022年07月06日 16:51  マイナビニュース

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鉄道・運輸機構は、建設中の整備新幹線に関する施工課題への取組み等が評価されたことにより、土木学会、プレストレストコンクリート工学会、地盤工学会、電気学会から4つの学会賞を受賞したと発表した。


土木学会からは、「生産性向上と工期短縮を実現したフルプレキャストラーメン高架橋の建設(北陸新幹線、福井開発高架橋)」に技術賞が贈られた。JR北陸本線とえちぜん鉄道の営業線に挟まれた福井開発高架橋では、11連の新幹線RCラーメン高架橋に対して、鉄道土木工事では初という「フルプレキャスト工法」を採用。コンクリート工事の施工省力化による生産性の向上と大幅な工期短縮という課題を達成し、RC構造物の耐久性向上による長寿命化・維持管理の合理化にも寄与したことが高く評価された。



プレストレストコンクリート工学会からは、「北陸新幹線 細坪架道橋」に作品賞(土木部門)が贈られた。細坪架道橋は北陸新幹線加賀温泉〜芦原温泉間に位置するPCエクストラドーズド橋。国道8号をまたぐ155mの中央径間は新幹線橋梁で最長であり、構造や工法など、「優れた特色を有し、プレストレストコンクリート技術の発展に貢献した」と認められたという。

地盤工学会からは、「九州新幹線(武雄温泉・長崎間)におけるGRS構造物の標準化に向けた取り組み」に技術業績賞が贈られた。西九州新幹線として開業予定の武雄温泉〜長崎間に数多くあるトンネル間の短い明かり区間「まばたき区間」において、ほぼすべての土構造物にGRS構造物(盛土補強土擁壁、GRSトンネル坑門、補強土橋台、GRS一体橋梁など)を採用。設計・施工指針の整備等の標準化を図ったことが評価された。



電気学会からは、「新幹線電車線設備用ピンヨーク型装柱金具の開発・実用化」に電気学術振興賞進歩賞が贈られた。2016(平成28)年の熊本地震で、トロリ線の張力を一定に保つ「自動張力調整装置」の金具に多くの被害が出たことから、地震時の負荷を低減させた構造の「ピンヨーク型装柱金具」を開発したことが評価された。現在建設中の西九州新幹線武雄温泉〜長崎間、北陸新幹線金沢〜敦賀間でも採用しているという。(佐々木康弘)
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