美大生4人「インボイス。あれはやばい」 記者が恥じた狄瓦竜離瓠崑梢融じゃない」…浅草で聞いた本音

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2022年07月07日 07:00  ウィズニュース

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写真東京・浅草の街で、浴衣姿で写真を撮っていた大学生たち。同世代の記者が、「あなたの心と、投票所の距離はどれくらい……?」と問い掛けてみました=御船紗子撮影
東京・浅草の街で、浴衣姿で写真を撮っていた大学生たち。同世代の記者が、「あなたの心と、投票所の距離はどれくらい……?」と問い掛けてみました=御船紗子撮影

もうすぐ参院選の投票日。「若者の投票率が低い」「政治に関心がない」といわれますが、そもそも「若者」たちは暮らしのなかでどんなことに問題意識を感じているのでしょうか。それは「選挙」で争点になっているのでしょうか。「あなたの心と、投票所の距離はどれぐらいですか――?」 同世代の記者が街を歩いて尋ねてみました。
東京・浅草で同世代の記者が出会ったのは、卒業後の自身の進路を真剣に考える美大生たちでした。

<担当記者・御船紗子:1994年、奈良生まれ。2017年に入社。
「あなたにとって投票所はどんな存在?」。そんな問いを若者にぶつけてみたいと、今回は東京・浅草寺周辺で、浴衣姿の若者たちに声をかけました。
すると、記念写真を撮ろうとしていた4人組が。彼女たちに聞いてみることにしました。>

【画像】インボイス制度って?画像で解説 「自分たちも他人事じゃない」美大生の危機感

浴衣姿の4人組 高校の美術部仲間
田中さん(19):八王子市、男性、グラフィックデザイン専攻
鈴木さん(20):江東区、女性、油絵専攻
太田さん(20):大田区、女性、子ども向けのイラスト専攻
小林さん(19):江戸川区、女性、文化史専攻
※高校の美術部仲間。みんな別々の美大に通う2年生。いずれも仮名

<それぞれと投票所の心の距離=ゼロ/徒歩5分/ドアtoドアで1時間/近所のコンビニ>

御船記者:写真撮りましょうか?

小林さん:あ、お願いします。あそこ(宝蔵門)の前がいいかな。 ありがとうございます!

御船記者:ところでみなさんはなんの集まりで?

鈴木さん:高校の美術部の同期です。みんな別々の美大に進学したんですけど、いまでもちょくちょく会うんですよ。

みんなで話す「将来、不安だね」
御船記者:素敵な交友関係ですね! みんなで集まったら何を話すんですか。

太田さん:将来のこととか。めっちゃ不安だねって。

田中さん:就職するかフリーで生きていくか、悩むんですよね。うちの大学、卒業生でもそのまま作家になるひとは1割しかいないらしくって。
フリーで食べていくには学生のうちから収入基盤をつくっておかなくちゃダメなのかなって。

御船記者:それは確かに悩みますね。私は学生時代、企業への就職しか考えていなかったけど、確かに作家はフリーランスも多いですよね。

鈴木さん:フリーでやるには準備が必要といっても、専攻によってはめちゃくちゃ忙しいんです。
私は油絵をやっていて、週6で大学へ通っている。課題があるから家に帰ってからも創作して、きょうも朝まで頑張ったけど、まだ終わってない(笑)

田中さん:本当にやばいと思う。僕はグラフィックデザインやってるんで、ぶっちゃけパソコンがあれば完結するんですよ。
でも彼女はキャンバス組み立てて、画材もそろえないといけない。

鈴木さん:課題の度にお金がかかって大変なんです!でも忙しいからバイトは週2が精一杯。

田中さん:え、そんなにシフト入ってるの? 偉いね。
僕は課題に時間を使いたいから、財布がカツカツでも極力バイトをやりたくない。だからSNS経由で自分の絵を売っています。

御船記者:NFTアートってやつですか。

田中さん:ではないんですけど。NFTはまだかなり新しいジャンルなので、様子見中なんです。
それにNFTはかなり高額で取引されることもあるんです。学生のうちから確定申告したくないし、税金対策でいくらまで稼ぐか見極めています。

<学生時代、企業への就職しか考えていなかった記者にとって、フリーランスになる事前準備の重要性を聞くのも新鮮でした。>

御船記者:大学生になったいま、気になることってありますか。

鈴木さん:インボイス制度。あれはやばい。

太田さん:有名な漫画家さんでも制度が導入されたら創作活動を辞めると宣言している人がいる。
せっかくの日本文化がなくなってしまうんじゃないかって不安です。小規模の創作活動を誰もやらなくなってしまう。

田中さん:自分たちも将来、フリーの作家でやっていく可能性があるので他人事じゃない。

<フリーランスや小規模事業者から反発の声が上がっているインボイス。大学生の口から飛び出したのは意外でした。
2023年に導入されようとしていますが、免税事業者はインボイス(適格請求書)を発行できません。

取引先は、インボイスが発行されないと仕入税額控除を適用できなくなるので、免税事業者を取引相手から外したり、価格の引き下げを求めたりする恐れがあります。「フリーランスや小規模事業者への実質的な増税」との批判もあります>

「選挙は楽しみだし、行く」
御船記者:7月に選挙があるのは知ってますか。

(一同、うなずく)

小林さん:誰に入れるとか、政策の話はしないけどね。

太田さん:でも投票いったかどうかくらいは話すよね。選挙楽しみだし。

御船記者:えっ、楽しみなんですか。

<選挙取材をする記者ですが、楽しみだと思ったことはありません。>

太田さん:各候補を調べて、この党はこういう考えを持っているんだとか、知りながら誰に入れるか選ぶのが楽しい。
去年の選挙(2021年10月の衆院選)では最高裁の裁判官の国民審査も兼ねていたじゃないですか。誰がどういう判例を扱っているのか調べるのも勉強になっておもしろかった。

鈴木さん:でもまあ、投票行くの面倒くさいって子もいっぱいいるよね。周りをみると(選挙行く人と行かない人が)半々くらいかな。

小林さん:私たち4人は選挙楽しみだし行くタイプ。
選挙は頭いい人だけ行くみたいなイメージもあったけど、SNSを見ていると、各候補が伝えるべき訴えをしていないからあえて白紙で投票するという人もいた。
意思表示が大事なんだと思う。

田中さん:選挙は大事だから、投票へ行く。投票して損はないし。

小林さん:投票所って若い人ほとんどいないじゃないですか。街中から投票所へ入ると、平均年齢がぐっと上がる感じ。
若い人が投票いかないってニュースでやっているけれど、私たちが投票して関心あるぞと示すことで、政治家も若い人向けの政策をつくってくれるようになると思う。

投票所との距離 ちょっと面倒だけど…
御船記者:そうですね。みんなの話を聞いて、私も期日前投票をはやく済ませておこうと改めて思いました。
最後に、投票所とあなたとの心の距離を教えてもらえますか。

<水を差してはいけないと思い言いませんでしたが、記者にとっては「雨の日に実家でくつろいでいたら、家族から急に『迎えにきて』と言われ、仕方なく駅まで車を出す」くらいの距離感です。まあまあ面倒です。でも行きます。>

田中さん:ゼロ距離。

鈴木さん:徒歩5分。

太田さん:自宅からここ(浅草)までくらい? ドアtoドアで1時間、かな。ちょっと面倒なのは確かなので。

小林さん:近所のコンビニ。

鈴木さん:あ、なんか私、子どものころ親の投票についていって、風船もらったこと思いだしたかも(笑)

(一同、笑う)

取材を終えて
<4人の価値観に終始驚かされることになりました。
大学生のうちから将来のことを具体的に考え、日常と同じ文脈で選挙を捉えている彼女たち。投票所までの心の距離は記者よりずっと近くて、記者は己を恥じることになりました。

若者の投票率の低さが報じられる度に「政治への関心が薄れている」という意見を耳にしますが、そもそも「若者」とひとくくりに捉えている現状が間違いなのかもしれません。
私自身も20代であることを思いだし、より一層そう思いました>

このニュースに関するつぶやき

  • インボイスやばいと思いますが、こんなに意識高い学生もいると知ってほっとしてます。美大生だから当事者意識があるんですね。
    • イイネ!4
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