古都決戦・京都は「反維新」で共闘?の自民と立憲 北海道は総力戦の両党 岸田首相、泉代表がニアミスも

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2022年07月07日 07:00  AERA dot.

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写真北海道の自民候補の応援に駆けつけた岸田首相
北海道の自民候補の応援に駆けつけた岸田首相
 参院選は7月10日の投開票まで1週間を切った。激戦区をみると、北海道には自民、立憲民主の両党幹部が多数押し寄せ、党を挙げての戦いに。一方、京都では、日本維新の会に議席を取らせないという、同じ政治的な狙いを両党で共有しているようだ。


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●安倍、麻生両氏も投入の自民、立憲は枝野前代表ら党幹部で応戦


 7月3日、札幌市の繁華街・大通公園で西日を浴びながら、聴衆に手を振る岸田文雄首相。


「参議院選挙もラストサンデーです。なぜ私がここ、札幌にきているのか。北海道で2議席をお願いするためです。未来を切り開くことができるのは我々だ」


 と声を張り上げると大きな歓声が上がった。


 参院選も終盤を迎え、北海道選挙区では自民と立憲が「三つの椅子」のうち、2席の確保をめぐり、熾烈(しれつ)な選挙戦が繰り広げられている。


 この日、岸田首相は、午前中にテレビの討論番組の出演と東京選挙区などでの応援演説。午後には北海道に入り、自民から立候補している長谷川岳、船橋利実両氏の応援で2度マイクを握った。


 一方、立憲の泉健太代表も、岸田首相の立つ街頭から徒歩で数分の札幌駅前にいた。


 立憲の候補者、石川知裕氏の応援演説に立ち、


「物価上昇を止めなければならない、自民党では国民目線の政治ができない。ぜひ立憲民主党に」


 と訴えていた。



 同じ日のほぼ同時刻に、自民と立憲のトップが札幌で演説するという異例の展開。自民はすでに、首相経験者の安倍晋三氏、麻生太郎氏も北海道で支持を訴えており、


「連日、自民の幹部、閣僚が北海道に来ている。それほど激しく競り合っているということだ」(自民幹部)


 立憲も、泉代表だけでなく、枝野幸男前代表や小川淳也政調会長ら幹部が石川氏や徳永エリ氏の支援に駆けつけており、両党とも総動員の様相だ。


 前回2019年の参院選は自民、16年は民進党が、それぞれ2議席を確保。昨年10月の衆院選でも、小選挙区12のうち、五つの区を立憲が取っており、今回も激戦が必至だ。



 各社の世論調査の数字では、長谷川氏を追って徳永氏が次につけており、当選圏内といった見方が大勢のようだ。そして、三つ目の椅子を石川氏と船橋氏で奪い合う構図。


「世論調査でも、社によって石川氏がリードというところもあれば、その逆もある。差は1、2ポイント程度しか開いていない。最後までわからない情勢だ」(立憲幹部)


 ある北海道議は、


「自民は長谷川氏、立憲は徳永氏に組織票の多くを流している。石川氏と船橋氏は無党派層の票がとれるかどうかが勝負の分かれ目」


 と読む。


 石川氏は演説で、


「私には大きな組織はない。それでも接戦になっている。れいわ新選組が、立憲民主党の候補の中で推薦をしてくれているのは、私だけです」


 と浮動票を意識した話に。


 船橋氏も岸田首相の横で、


「今は4番目だ。なんとか押し上げてほしい」


 と訴え、演説終了後は人気の高い北海道知事の鈴木直道氏とともに有権者と記念撮影に余念がない。最後まで、デッドヒートが続きそうだ。


●京都では「反維新」の自民、立憲


 北海道と同様に激戦の京都選挙区。


 2議席をめぐり、自民の新顔・吉井章氏、立憲の前幹事長・福山哲郎氏、維新の楠井祐子氏の3人が激しく争っている。


 各社の世論調査の数字によると、吉井氏が頭一つ抜け出し、福山氏、楠井氏の順番で続いているようだ。福山氏と楠井氏の差はどの社も5ポイント程度。終盤での追い込みが勝敗をわけることになりそうだ。


 だが、不思議なことに、この選挙区では自民と立憲が、「反維新」でまとまりつつあるのだ。


 楠井氏の応援には連日、維新の大阪府知事の吉村洋文氏、大阪市長の松井一郎氏らトップが繰り出す。


「京都は最、最、最重点の選挙区。大阪の改革を京都で楠井さんにやらせてほしい」


 と吉村氏は訴え、一度話し出すと10分以上しゃべり尽くす。


 今回は、維新と組む国民民主党の前原誠司代表代行も、


「維新のような改革が京都、日本に必要だ。今の野党で政権交代はできない」


と声をあげる。候補者の楠井氏がすっかりかすんでしまうほどの力の入れようだ。




「吉村氏も松井氏も、大阪より京都に長くいるんじゃないか、なんて冗談が出るほど。有権者が投票用紙に『吉村知事』なんて間違って書かないか心配だ」


 とは維新の国会議員。


 福山氏は楠井氏を徹底的に意識し、


「なぜ京都に大阪がやってくるのか。京都のことは京都で決めよう」


 と反論する。



 それに呼応しているのが、自民だ。


 昨年の衆院選で維新は、京都は比例復活が1人だけだったが、大阪は公明党の候補がいる4選挙区を除く15選挙区に候補者を立ててすべてで勝利。お隣、兵庫県でも小選挙区で1、比例復活で8人を当選させた。


 自民にとっては、その勢いが京都でも、という脅威があるためだ。自民の西田昌司政調会長代理は、


「参院選で維新が勝つと、先々、自民の議席が奪われるかもしれない。維新の勢力を伸ばしてはいけない。京都が『大阪化』してしまう」


 そして、元衆院議長の伊吹文明氏も演説会で、


「京都のことは京都でと、立憲のポスターにある。(立憲も)いいことを言うこともある。大阪は京都にちょっかいを出さないで」


 と反維新を意識した発言。


 自民の京都府議も危機感を募らせる。


「ここで維新がとれば、来年の統一地方選でも大量に擁立してくるはず。2年後の京都市長選でも候補者を出すでしょう。だから、最初にたたいておかなければいけない、というのが自民党京都府連の思いだ。大阪の勢いが兵庫にも及びつつある。そうなってからでは手遅れ。こちらの票を福山氏に分けてでも当選してもらい、京都の維新の増長を抑えたい」


 自民と立憲のタッグが維新の猛攻を食い止めることができるのだろうか。


●長野では“外から”の崩しでさらに激戦か


 長野選挙区は、自民の新顔でタレントの松山三四六氏が、立憲の現職、杉尾秀哉氏を相手に、互角の戦いを挑んでおり、混沌(こんとん)とした情勢だ。


 羽田孜元首相の地元でもある長野は、過去、国政選挙でも民主党系が優位に戦いを進めてきた。前回は、元TBSキャスターという知名度もプラスになって、杉尾氏が勝利を収めた。



 しかし、今回は杉尾氏をしのぐ地元の人気タレント、松山氏の出馬ということで、


「松山氏は長野のテレビやラジオで何本もレギュラー番組を持ち、妻が女優の網浜直子さん。杉尾氏の新鮮味が薄れてしまい、世論調査でも2〜3ポイント、松山氏がリードしているようだ」(長野県議)


 しかし、この終盤になって、松山氏の女性問題、金銭スキャンダルが週刊文春で報じられたため、両者の差は詰まっている可能性がある。最終日には、岸田首相も長野入りの予定があるようで、一進一退の戦いが続いている。


(AERAdot.編集部・今西憲之)


* * *


◇北海道選挙区の候補者


大村小太郎(諸新)船橋利実(自新)浜田智(N新)斉藤忠行(N新)沢田英一(諸新)畠山和也(共新)長谷川岳(自現)森山佳則(諸新)臼木秀剛(国民新)徳永エリ(立現)石川知裕(立新)石井良恵(N新) 


◇京都選挙区の候補者


武山彩子(共新)福山哲郎(立現)平井基之(諸新)橋本久美(諸新)星野達也(N新)安達悠司(諸新)近江政彦(N新)楠井祐子(維新)吉井章(自新)


◇長野選挙区の候補者


手塚大輔(維新)松山三四六(自新)杉尾秀哉(立現)サルサ岩渕(無新)秋山良治(緒新)日高千穂(N新)


【候補者の見方】


・敬称略、届け出順


・自=自民、立=立憲、公=公明、維=維新、共=共産、国民=国民、N=NHK党、その他は諸=諸派。


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  • 京都は反維新、大いに結構。雅な京都にそろばん勘定の大阪気質は要りまへん。
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