知名度抜群の山本、生稲、乙武3氏の戦いは 参院選・東京選挙区の話題の候補者を追う(上)

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2022年07月07日 07:00  AERA dot.

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写真秋葉原駅前であった山本太郎氏の「盆ダンスパーティ」(写真撮影はいずれも上田耕司)
秋葉原駅前であった山本太郎氏の「盆ダンスパーティ」(写真撮影はいずれも上田耕司)
 参院選も7月に入り、いよいよ後半戦に。改選数6に対し34人の候補者がひしめく東京選挙区では、連日あちこちで街頭演説の声が響いている。参院選は知名度が大きな武器となるだけに、元タレントといった経歴を持つ候補者が多いのも特徴だ。話題の候補者の戦いを2回に分けてお伝えする。


【写真】生稲晃子氏と応援に駆けつけた岸田首相

「山本(太郎)氏が出馬すると言ったことで、東京選挙区はかなり混沌(こんとん)とするようになりました。公示日前後の各社の情勢調査で山本氏は当落線上だったけど、その後は上がってきているという調査結果もありますから」(東京都関係者)


 衆院議員の任期を残し、参院議員へのくら替えで出馬した、れいわ新選組代表の山本太郎氏。街頭演説では、エンタメの要素を採り入れていることでも話題になっている。ある日は秋葉原駅前で「れいわ 景気爆上げ 盆ダンスパーティー」を開催。千葉県から来た「CHIよREN北天魁(ちよれんほくてんかい)」のメンバー約20人が、「よさこいソーラン鳴子踊り」を披露し、ほかにも講談師や盆踊りなども会場を盛り上げた。


 山本氏はゆかたを着て登場。参院選では比例区に出馬している水道橋博士氏、長谷川羽衣子氏、蓮池透氏らも登壇した。演説が始まると、キーボードとギターの生演奏が流れるという趣向だった。別の日には錦糸町駅前で、山本氏が16歳でテレビ番組に出演した時に扮したキャラクターとほぼ同じ姿で登場し、その当時のキャラクターが現在の山本氏に対して応援演説するという形をとった。


 秋葉原での演説が終わった山本氏を直撃した。


 2019年の参院選では、山本氏自身も比例区から立候補し、最多の約99万票を獲得。自分以外の2人を「特定枠」で当選させた。


 3年前と今回との違いを聞くと、


「19年の時より社会状況が悪くなってますね。当時の方が人々の中にまだエネルギーがあった。19年以降、だんだんみんな元気がなくなってきています。それだけ疲弊しているんだろうなと思います。政治がちゃんと向き合って、生活の底上げをするということをさっさとやらないと。物価高ということに対しても、対応をほとんどしてないじゃないですか」



 選挙戦では東京選挙区の6議席目を巡り、熾烈(しれつ)な戦いになっていることについて、


「はっきり言って、どこもライバルだとは思っていない。他と比べて戦うものじゃない。無党派にどれだけ食い込めるかですよ、うちは。自分たちがやれることをやるしかない。情勢調査は各社違うし、そこに一喜一憂してもしょうがない」


 集会で、山本氏は「山本太郎アンチとか大好きです。アンチの人いませんか」と、集まった人らに自身に対する批判的な質問を歓迎していた。


「だって、そっちのほうが面白いじゃないですか。『ディスり』の方が盛り上がるじゃないですか。一番、勉強になります。アンチがきてくれるほうが。話し合いの内容によってはわかっていただけて、『じゃあ応援する』という人も出てきますから。いろんな意見で盛り上がった方がいいんですよね」


 盆踊りやよさこい、演説中の音楽など、趣向を凝らした狙いについて聞くと、


「自分が楽しいことが好き、というだけかもしれません。(選挙期間の)18日間、同じことをやり続けていたらおかしくなりますよね。ちょっと気分を変えたい。そうしないと自分がもたないですよ。演説も切羽詰まった話が多い。政治の話を聞くと落ち込むような現実があるから、それをもうちょっとマイルドにするためでもあります。辛い現実を突きつけられるだけだったら、いっぱいになりますよ。しゃべっていても嫌になるし。(候補者の)“汗だく”“つゆだく”の熱意とかあんまり受け取りたくないんですよね」


  ■  ■  ■


「自民の朝日健太郎、生稲晃子、立憲の蓮舫の各氏が3強と言われていて、4〜6位の順位が入れ替わる混戦となっています」(元自民秘書)


 新顔でありながら“3強”に入っているという生稲氏。いわずと知れた80年代に人気を博したアイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーだ。


 6月末、東京・吉祥寺駅前での生稲氏の応援演説に駆けつけた岸田文雄首相は、




「生稲さんについては36年、芸能界で活躍されてこられた。私も若いころ、テレビで見させていただいた。今、生稲さんの真剣な横顔を見ながら、あの頃のことを思い返していました」とかつてのエピソードを紹介。生稲氏が以前、政府の「働き方改革実現会議」のメンバーに心理カウンセラーの立場で参加したことなどから、


「心理カウンセラーはみなさんの様々な悩みを聞くのがお仕事です。私も『聞く力』を売りにしている一人ではありますが、まさしく私を超える『聞く力』でみなさんの心によりそって国政に思いを届けてくれる。それが生稲さんであることを私たちは確信しています」と支持を訴えた。


 岸田首相はその後、7月3日にも渋谷駅ハチ公前での生稲氏の演説に応援に入る熱の入れよう。だが、岸田氏の演説中には、暑さのためか男性が倒れ込み、救急車で搬送されるというハプニングも起きた。


 吉祥寺駅前。生稲氏がマイクを握ると、聴衆から「あきこ〜」という声が上がった。


「私は、42歳の時に乳がんを経験し、摘出手術をしました。その時に娘は5歳でした。参院選にチャレンジをして病気を抱えながらも仕事をしているみなさんを守っていきたいと強く思っています」と闘病経験と仕事の両立などについて語った。選挙カーから降りると男性からサインを求められ、応じる場面もあった。


 こちらも直接話を聞こうと声をかけたが、返ってきたのは「ほほ笑み」。後ろにいた秘書らしき人が「私が後で代わりに答えます」と言い、本人の話は聞けずに立ち去られてしまった。


 ■   ■   ■


「五体不満足、国政へ。」――。


そう書かれた政策ビラを、銀座三越前で乙武洋匡氏の陣営が通行人に渡していた。


 女性の支援者たちが「こんにちは、誰もが諦めずに生きていける社会を作るのが乙武洋匡です。参議院選挙に立候補しています」と声をかけながらビラを一枚一枚配る。


 乙武氏も「無所属で立候補しております」と声を上げると、通行人から握手を求められたり、女性から「写真を撮らせてください」と申し込まれたりするなど、有権者の受けは良さそうに見えた。




 取材に乙武氏は、


「ほんとに、あちこちで声をかけてもらい、街頭演説をやると多くの方に耳を傾けていただいています。インターネットで集まった(資金援助が)3千万円を突破し、勢いを感じているんですよ」


 と話した。


 各種の情勢調査では6位の当選ラインからは離されている、と水を向けると、


「無所属なので非常に苦しい立場だと思いますけれども、かなり勢いは出てきているのかなと思います。これから一生懸命追い上げていきたいと思っております」


 今回、無所属での選挙にチャレンジしているが、政党から誘いがあったのかについては、


「名前は伏せますけれども、いくつかの国政政党からはお声がけはいただいたんですが、私を応援してくださっている方にそのまま応援していただくにはやっぱり、無所属がいいかなと判断しました」。


 そう話す乙武氏が一番訴えたいことは、「子育てしやすい社会にしていくことが、結果的に何よりも重要なことだと思っています」。


 6年前の参院選で出馬を検討していたが、複数の女性との不倫が週刊誌に報じられ、出馬を辞退することになった。その件についての影響について聞くと、


「今回、議席を争っている政党の支持者の方からは6年前のことを攻撃されることもありますが、私の周囲から批判の声というのはそんなに起こっていません」


 その後、妻と離婚した乙武氏。今はお付き合いしている人がいるのか聞くと、


「そこは政治と関係ないので」。


(AERAdot.編集部・上田耕司)


※東京選挙区のすべての候補者は以下のリンクから確認できます


https://www.r4sangiinsen1.metro.tokyo.lg.jp/


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