SNSで反響呼ぶ“かわいい”コントローラー『Xbox Design Lab』が支持を集める理由

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2022年07月09日 10:31  リアルサウンド

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『Xbox Design Lab』

 米・マイクロソフト社が6月9日に国内展開をスタートした『Xbox Design Lab』が反響を呼んでいる。


 『Xbox Design Lab』はなぜフリークたちの心を掴んでいるのだろうか。サービスの概要、市場のトレンドから支持の理由を考える。


【写真】Fall Guysカラーも作れる! 可愛いコントローラーとして話題の『Xbox Design Lab』


・自分だけのコントローラーを作るオーダーメイドサービス『Xbox Design Lab』


 『Xbox Design Lab』は、Xboxワイヤレスコントローラーの外観を自由にカスタマイズし、購入できるオーダーメイドサービスだ。調整できる部位は、ボディ全体や背面、グリップ、ボタンなど9種類。それぞれあらかじめ用意されたカラー・デザインの中から、ユーザーの好みで自由に選択できる。基本価格は7,678円(※)だが、一部追加料金が必要なメニューもある。すべての有料オプションを選んだ場合の価格は1万2,198円(※)。注文から4週間以内に手元に届く仕組みだ。


 同サービスは2016年、かねてからXboxプラットフォームが流通してきた欧米よりスタートした。2020年には一度提供が休止となったが、2021年6月にXbox Series X/S用コントローラーを対象に再開されている。今回、追加提供となった国は、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、シンガポール、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、ノルウェー、スロヴァキア、スイスの11か国。今夏には、アジア圏から台湾が追加されることもすでに発表されている。


※価格はすべて税別・送料込みの数字。


・支持の理由は、“MNG文化”と「カスタマイズ」「パーソナライズ」のトレンドに


 対象地域の拡大から約1か月が経過し、日本国内の利用者の手元にも、ようやく注文商品が届き始めた。SNSには連日、「自分だけのコントローラー」を画像とともに紹介する投稿が集まる。あらためて界隈は盛り上がりを見せている現状だ。


 注目すべきは、Xboxを所有していないユーザーにも同サービスが利用されている点。見ていると、PCやモバイル端末でのゲームプレイにXboxコントローラーを活用する目的のようで、本来の同機器の市場とは異なる範囲にまで影響が波及しつつある。コンバーターなどを使えば、PlayStationやNintendo Switchでのゲームプレイにも流用できる。今後は、追加機器込みで両プラットフォーム用にXboxコントローラーを作る流れも生まれるかもしれない。


 古くからガジェットの領域では、新たに自身の環境に取り入れた道具に対し、「my new gear…(MNG)」と愛着を持って表現する文化があった。『Xbox Design Lab』をめぐる一連の流れは、まさに同文化を体現したものであると言えるだろう。


 一方、飲食・小売などの分野では近年、サービスをユーザーの特性・趣味・嗜好に合わせる形で提供する「カスタマイズ」「パーソナライズ」といったトレンドが注目を集めている。「100種類以上のラインアップの中から、ユーザーのそのときの気分に合わせたおやつを食べきりサイズで提供する『snaq.me(スナックミー)』」、「利用者の悩み・髪質に合わせ、5万通りの組み合わせからぴったりのヘアケア商品を提供する『MEDULLA(メデュラ)』」などは、その一例だ。『Xbox Design Lab』もまた、これらと同様の文脈にあるサービスだと言える。「自分だけが持つアイテムによって、生活が彩られていく」そのような体験こそが、「カスタマイズ」「パーソナライズ」の魅力なのだろう。


 過去を振り返ると、「ゲーム機本体、及び周辺機器のカラー・デザインを特定の人気タイトルのイメージで統一したパッケージ」が人気を博したり、「付属品とは異なったカラー・デザインのコントローラー」が2つ目以降に選ばれたりと、たしかにここには一定のニーズがあったが、これまでは「既製品」しか提供されていなかった。現代の消費者に求められるサービスを実現した結果が、日本での反響にもつながっているはずだ。ゲームの分野においては、『Xbox Design Lab』が「カスタマイズ」「パーソナライズ」の初の成功例となっていくに違いない。


 また、このようなサービスが、ソニーや任天堂といった国内プラットフォーマーではなく、米・マイクロソフト社から生まれたことにも納得がいく。アメリカはこうしたリテールマーケティングの先進国であり、日本市場は一般に数年遅れでこれに追随しているとされるためだ。現にサブスクリプション・クラウドゲーミングサービスにおいても、同社は国内2社の1歩先を行く。『Xbox Design Lab』に集まる反響は、プラットフォーマー勢力図の変化の前触れのひとつと捉えることもできるかもしれない。


 現時点では、既製品のコントローラーと大差ない価格、かつ予定どおりの納期で利用できる『Xbox Design Lab』だが、円安や注文殺到の影響を受け、状況が変化することも考えられる。気になるフリークは、早いうちに利用しておくのが良さそうだ。(結木千尋)


このニュースに関するつぶやき

  • いやPCというかwindows環境での利用は最初期からの構想なんだが?記事書いた人間はXBOXコンの基本を理解して無いな
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