180キロの巨大エイがボートに飛び込む いつの間にか出産した赤ちゃん4匹の姿も(米)

74

2022年07月23日 06:11  Techinsight Japan

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Techinsight Japan

ボート後部に乗り上げた巨大なエイ(画像は『AL.com 2022年7月18日付「Spotted eagle ray flies into boat at fishing rodeo
今月15日、海に出て釣りをしていた一家が乗るボートに巨大なエイが飛び込む珍事が発生した。体重約180キロと推定される巨大なエイが突然現れ一家はパニックとなったが、急いで岸に戻り近くにいた人と協力してエイを持ち上げて海にかえしたという。その後ボートには小さなエイが4匹残されており、飛び乗ってきたエイはなんと船の上で出産していたことが明らかになった。『AL.com』などが伝えている。

【この記事の他の写真を見る】

米アラバマ州モビール南部の沖合にあるドーフィン・アイランドにて、今月14日から17日にかけて世界最大の釣り大会である「Alabama Deep Sea Fishing Rodeo」が開催された。今月15日に同大会に参加したエイプリル・ジョーンズさん(April Jones)は、夫のジェレミー・ジョーンズさん(Jeremy Jones)と息子のガナー君(Gunner、8)、そして夫の祖父と共に海に出ていた。

同大会では30のカテゴリーが用意され、それぞれ1〜3位に選ばれると賞品をゲットすることができる。なんとか大きな魚を釣って上位を目指したかったエイプリルさん一家だったが、なかなか獲物はかからなかった。そこで垂らしていた釣り糸を巻き上げたエイプリルさんは、ジェレミーさんに「他の場所に移動しよう」と提案した。

そしてボートを操縦していたジェレミーさんがスピードを上げて移動していた時、ボートに大きな衝撃が加わった。エイプリルさんは「最初は大きな波にぶつかったのだと思っていました。たくさんの海水がボートの中に入ってきて、それから私の体に何かがぶつかったのを感じました」と当時を振り返っており、あまりに激しい衝突だったため数秒の間意識が飛んでいて何が起きているのかも分からなかったとも明かしている。

「ボートの後ろの方から“バンバン”という音が聞こえると息子は叫び、夫は『あれは何だ!?』と声をあげ、一緒にいたジェレミーの祖父も恐怖で震えていました。3人はサメだと思っていたようですが、私はハッキリ見えずただの塊にしか見えませんでした」とエイプリルさんは当時の混乱ぶりを語った。

エイプリルさん一家を大混乱に陥れた正体は、なんとエイだった。ボートの上に飛び込んできたのはマダラトビエイ(spotted eagle ray)で、幅は約7フィート(約2.1メートル)、体重約400ポンド(約180キロ)と推定される巨大な個体だった。この事態にエイも驚いていたようで、ボートの上でバタバタと暴れて海に戻ろうとしていたという。しかしボートの後部に引っ掛かり上手く抜け出せず、あまりに重かったことやエイが興奮状態だったこと、毒針もあったこともあり持ち上げて海にかえすことはできなかった。

エイプリルさんは「私たちが乗っていたのは小さなボートで、海水がたくさん入ってきていたのでボートが沈んでしまわないかと不安でした」と話しており、どうにもならなかったので急いでボートを走らせて岸まで戻った。エイプリルさんが近くの海洋研究所に応援を求めに行っている間、通行人らが協力して約180キロのエイを海に戻したという。


これだけでも衝撃的な出来事だが、エイプリルさんたちにさらに驚くべき事実が待ち受けていた。エイを海にかえすと、ボート後部から4匹の小さなエイが見つかった。なんと巨大なエイはエイプリルさんたちのボートに乗り込んできただけでなく、出産までしていたのだった。

エイプリルさんは「あの大きなエイがいつ赤ちゃんを産んだのか分かりませんでしたが、4匹のエイの赤ちゃんは動いていませんでした」と明かしており、のちに海洋研究所のスタッフが4匹の死を確認したそうだ。海洋研究所の学芸員であるブライアン・ジョーンズさん(Brian Jones)よると、エイは強いストレスや危険を感じるとその場で出産することがあると言い、この現象は子孫を残すための行動で他の野生動物にも見られるという。


ブライアンさんは「特にエイは網にかかると子どもを産むことで知られています。エイの赤ちゃんは母体の中で十分に成長しすぐに泳げることもありますが、未成熟の状態で誕生して生き残れない場合もあります。今回のマダラトビエイの赤ちゃんが死産であったかどうかは外見からだけで判断することはできませんが、もし生きて生まれていたのであれば一家が気付いていたと思いますね」とコメントした。

マダラトビエイが人前に姿を見せるのは珍しく、同研究所で25年働くブライアンさんも5回しか見たことがないという。なお命を落としたエイの赤ちゃんたちは、子どもたちへの教材となるそうだ。

画像は『AL.com 2022年7月18日付「Spotted eagle ray flies into boat at fishing rodeo, sends Alabama woman to ER: ‘We were both in the wrong place’」(Courtesy of April Jones)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

このニュースに関するつぶやき

  • 巨大エイでボスタングという怪獣級のエイの宇宙人の兵器を連想した人はウルトラQを知ってる世代だな何も考えずに生きてた幼稚園児の頃が懐かしいな
    • イイネ!17
    • コメント 8件

つぶやき一覧へ(51件)

前日のランキングへ

ニュース設定