『私の解放日誌』で遅咲きブレイク! ソン・ソックが圧倒的な存在感を放つ韓国ドラマ6選

0

2022年08月05日 08:11  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

ソン・ソック『最高の離婚〜Sweet Love〜』(KBS公式サイトより)

 全身から色気が溢れており、冷たさと温かさを自由自在に表現する唯一無二の俳優といえば……今注目のソン・ソック。『私の解放日誌』では、謎めいた男性ク氏を演じ話題を集めた。本記事では、数々の作品で圧倒的な存在感を放ってきた彼の出演ドラマを紹介したい。


【写真】ソン・ソック出演作5選


■『私の解放日誌』


 心にしがらみを抱えた男女が、今この瞬間を“歓待”しながら生きる意味を探そうとする物語。舞台は、ソウルから離れた京畿道のサンポ市という架空の街。そこに、3人の兄妹が両親と暮らしていた。“不幸ではないけれど、幸せでもない”。そんな日々に疲れながらも、毎日電車に揺られ通勤し、解放されたいと願う。本作は、自分自身と向き合い、今を受け止めながら前へ進んでいく姿をゆっくりと丁寧に描いた人生ドラマだと思う。


 昼は無口で働き続け、夜は1人で酒を飲む。とにかく謎に包まれた男性ク氏を演じるのが、ソン・ソックだ。劇中では、最終話の手前まで、本名が明かされない。そのため、ク氏について知らないことの方が多いのだけれども、なぜか目が離せない。その理由は、鋭い目つきと柔らかくなる瞬間のギャップ、何度も聞きたくなるミジョン(キム・ジウォン)を呼ぶ声、ただそこにいるだけで溢れ出てしまう色気など、中毒性のあるものばかりだ。5分間の積み重ねで少しずつ変化していくク氏を、最後までたっぷりと堪能いただきたい。


■『D.P. −脱走兵追跡官−』


 事情を抱えた脱走兵と、彼らを追う追跡官を描いた物語。第58回百想芸術大賞テレビ部門では作品賞を受賞、既にシーズン2の制作も発表されている。ただ追跡する姿を描くというよりも、過酷な状況の中で鉄格子を超える選択をした脱走兵達の意図を辿っていくような一作。誰にも頼ることができず、追い詰められていく展開は、とにかく苦しく胸が痛い。心を蝕み人格までもを変えてしまう環境下に焦点を当てながら、もし自分だったら? と視聴者に問いかけてくるような作品で、エンドロールは最後まで見逃せない。


 新任の補佐官イム・ジソプ大尉を演じるのが、ソン・ソック。部下には威圧的で、上司には調子の良い役柄だ。目の前で起こる出来事の数々や上司の考えに、複雑な表情を浮かべ始めるのが見どころの一つ。葛藤の末にどんな答えを出すのか、その時の彼の表情の変化も見逃せない。


■『サバイバー:60日間の大統領』


 元学者の男性が、ある日突然60日間だけ大統領代行を任されることとなるノンストップサスペンス。ジェットコースターのような作品で、危機的状況が落ち着いたかと思えばすぐに新たな出来事が発生し、息つく間もない。代行として常に二択を迫られながらも、最善を尽くそうと奮闘する主人公の姿が見どころの一つ。また、周囲を取り巻く登場人物と一つのチームを作っていく過程が素晴らしく、どのシーンも胸が熱くなる。


 ある事件以降、“大統領にしたい人を見つけたか?”という問いに悩み続ける秘書室長を演じるのが、ソン・ソック。正義感があり、自分を責めながら過去の出来事を後悔している男性だ。最初こそ代行のことを信頼しきっていなかったが、その関係性は物語を追うごとに劇的に変化していく。情熱的で、義理堅く、気になったことは真正面から切り込みながら代行を支える姿は、涙なしに見れない。“いい人が勝つのを見たい”。その一心で、喜怒哀楽する彼の演技を、これでもかというほどに味わえる一作だと思う。


■『恋愛体質〜30になれば大丈夫』


 30代に突入した、子どもじゃないけど大人になりきれない3人の女性を描いた物語。新人脚本家の主人公が、過去を抱えた映画監督や制作会社で働くシングルマザーと同居する日々を映し出していく。本編では、3人の友情・仕事・恋愛がリアルで名台詞が多く、急に涙が溢れたり笑い転げたりと観ている側の感情は大忙しだ。本作は、映画『エクストリーム・ジョブ』のイ・ビョンホン監督が手がけている。


 撮影現場で声を荒げブチ切れる監督を演じるのが、ソン・ソック。一見怖い役柄に見えるのだが、すぐに言い負かされてしまうお茶目な一面も垣間見える。独特の間を空けた話し方と色気漂う空気感が印象的で、”抱きしめましょうか”という神シーンは、是非観ていただきたい。また、過去のソン・ソックの出演作を意識したのでは……と思ってしまうセリフの数々も見逃せない。


■『マザー〜無償の愛〜』


 虐待を受ける少女を救うため、連れ去ることを決意した女性の逃避行を描く物語。綱渡りのようなヒューマンサスペンスで、第54回百想芸術大賞テレビ部門では作品賞を受賞。本作は、坂元裕二が脚本を手がけた日本のドラマ『Mother』(日本テレビ系)のリメイク作となる。傷だらけの少女と女性が、数々の困難を乗り越えながら親子としての絆を深めていく姿は、涙なしにみることができない。


 ソン・ソックは、子どもとその母と同居する男性イ・ソラクを演じる。気に食わないと子どもを虐待する残虐的な役柄だ。気だるそうで、暴力的で、ソラクが登場する度に観る人を震え上がらせるような威圧感を放つ。そんなソラクもまた、トラウマを抱える設定だ。自分を責めながら暴走していく姿は、やりきれず目に焼き付いて離れない。劇中では、苦しみの中でもがき続けるようなソン・ソックの演技を観ることができる。


■『最高の離婚〜Sweet Love〜』


 結婚や人生、家族に悩む2組の夫婦を描いた物語。本作もまた、坂元裕二が脚本を手がけた日本のドラマ『最高の離婚』(フジテレビ系)のリメイク作だ。価値観が合わず離婚を決めた夫婦と、夫の浮気を見て見ぬフリする夫婦が、本音をさらけ出しながらお互いに向き合っていく。“終わったはずの恋愛”にスポットを当て、台詞の掛け合いによって物語が展開していくのが面白い。


 ソン・ソックは、何を考えているのか摑みどころのない夫ジャンヒョンを演じる。美大の教授で、浮気は日常茶飯事。幸せが壊れてしまうことが怖くて、本気で誰かに愛されることも愛することも避けてしまうようなキャラクターだ。そんな彼が、大切な何かに気付き、変化していく過程が見どころの一つ。序盤は謎めいて見えるが、回を重ねるごとに無邪気な少年のような一面や子犬のような愛らしい姿が見られ、ソン・ソックの可愛さが爆発している一作だ。


 どの作品も、ソン・ソックらしさがあるが、全て違って見えるのが凄いところ。役柄に合わせた喜怒哀楽や、印象的な目の演技に、気付けば沼ってしまう。独特の空気感と色気をまとった彼の次回作が、待ち遠しくて堪らない。


(韓国ドラマ好きのだらだら子)


    ニュース設定