「傷」負った被害者、支援今も=「電車乗れない」「人混み怖い」―小田急線刺傷から1年・警視庁

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2022年08月06日 07:32  時事通信社

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写真小田急線刺傷事件を受け、負傷者の支援を続ける警視庁犯罪被害者支援室の藤平旭警部補=2日、東京都千代田区
小田急線刺傷事件を受け、負傷者の支援を続ける警視庁犯罪被害者支援室の藤平旭警部補=2日、東京都千代田区
 東京都世田谷区を走行中の小田急線の車内で、男に刃物で切り付けられるなどして乗客10人が重軽傷を負った事件は、6日で発生から1年となる。逃げ場のない電車内で乗客が無差別に標的となった事件は、居合わせた多くの人の心身に傷を残し、今も支援が必要な被害者がいる。警視庁犯罪被害者支援室の警察官が取材に応じ、当時の様子や思いを言葉にした。

 藤平旭警部補(39)は、事件で重傷を負った女性について「電車に乗ることができなくなった」と語る。男と似た人物を見ると当時の状況が鮮明によみがえるフラッシュバックを起こすこともあり、「『人が敵に見える』と話していた」と振り返る。

 交通手段をバスにして移動に倍以上の時間がかかるなど、女性の生活は大きく変化したが、カウンセリングや電車に乗るための訓練を繰り返して少しずつ回復しているという。

 「『自分の行動が良かったのか』『逮捕に協力すべきだったのか』と話す救護者もいた」と語るのは石井宏明警部補(43)。現場で負傷者の救護に当たった女性に触れ、「東京になじみの無い方で、人混みに怖さを感じるなどのダメージを負った」と話す。救護者の中には、インターネット交流サイト(SNS)で誹謗(ひぼう)中傷を受けた人もいた。

 支援室は事件の被害者らに、経済的支援やカウンセリングの付き添い、刑事手続きの説明などを続けてきた。「答えがない分野だがベストと思うことをやるしかない」と語る石井警部補。「事件前の状態に戻ることはないかもしれないが、少しずつ日常生活を取り戻してもらいたい」と力を込めた。 

小田急線刺傷事件を受け、救護者の支援を続ける警視庁犯罪被害者支援室の石井宏明警部補=2日、東京都千代田区
小田急線刺傷事件を受け、救護者の支援を続ける警視庁犯罪被害者支援室の石井宏明警部補=2日、東京都千代田区

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