カイトは私と同じ一重まぶたなのですが、中2になってすぐの頃から二重を作るメイクグッズを使いはじめました。
ふと、自分の若い頃を思い出します。私も若い頃は一重がコンプレックスで、二重グッズをいろいろ試しました。しかし私が不器用なせいか、どれを使ってもまったく二重を作れず……そのうち諦めて、一重でも似合うアイメイクを研究して、「そのままの自分でOK」という方向にシフトしました。もしかしたら二重のほうが人生楽しかったのかもしれませんが……人並みに恋愛も結婚もできたし、そこそこ人生を楽しめています。
「容姿なんて関係ない、人間は中身だよ」
親だったらそういう徳のある言葉で諭し、整形しない方向にもっていくべきなのでしょう。でもカイトは真剣に悩んでいるのです。自分の顔が嫌いで、「前を向いて生きていけない」と本気で私に訴えかけてきています。これを精神論で諭すのは……なんか違うのかな、と思いました。
カイトの考えに寄り添ってあげたいと思うのには、いろいろと理由がありますが、その一番の理由は私が一重だからです。ちなみに夫はくっきりとした二重。娘も夫と瓜ふたつの顔で二重です。
|
|
私も二重だったなら、もしかしたらカイトもそれに似て、二重になってくれていたのかもしれません。でも、私に似てしまったせいで……そう責任を感じずにはいられないのでした。
【第2話】に続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・ちょもす 編集・木村亜希