私が中学生の頃の話です。教室でいつも私は仲良しの直子ちゃんと一緒に過ごしていました。するとある日、少し不思議な雰囲気をまとったAちゃんが転校してきました。
私たちは転校生のAちゃんがどんな家に住んでいるのか興味津々だったのです。しかし連れて行かれた場所は「ここに人が住んでいるの?」と思ってしまうようなひどく古びたアパート。緊張しながらお邪魔すると薄暗く湿気を帯びていて、なんだか得体のしれない気味の悪さを感じました。
トイレから帰ってきた直子ちゃんは顔が青ざめていて気持ち悪そうです。その後は一言もしゃべらなくなってしまいました。Aちゃんの家にはクーラーがなく蒸し暑かったので「具合でも悪くなったのかな」と思いました。しかしその後、私もトイレを借りようとすると……。
トイレには足の踏み場もないほどの、おびただしい数の人形。そしてその首はすべて切られていたのです。ご丁寧に首の部分は縫い込まれていました。見たことのない光景に立ちすくみます。驚きのあまり思わず悲鳴をあげそうになりましたが、とっさに口をおさえて平静を装いました。「この家、なにかおかしい……!?」夏の忘れられない体験です……。もしあなたが同じシチュエーションに遭遇したら、どうしますか?
後編へ続く。
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