60年ぶりにいとことの再会を願って、スクーターで6500キロ超の旅に出た77歳男性(仏)

9

2022年08月10日 22:11  Techinsight Japan

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Techinsight Japan

写真「いとこに会いたい」とスクーターで6500キロ超を走行した高齢男性(画像は『Nice-Matin 2022年7月24日付「A 77 ans
「いとこに会いたい」とスクーターで6500キロ超を走行した高齢男性(画像は『Nice-Matin 2022年7月24日付「A 77 ans
77歳のフランス人男性が、60年間会っていなかったポルトガル在住のいとこに会うため、スクーターで約6533キロを走行する旅に出た。いとこの古い住所だけを頼りにした10日間の長旅だったが、男性は必要最低限の準備で挑戦したという。

先月24日に『Nice-Matin』などが伝えたところによると、無謀とも思える10日間の旅を成し遂げたのはフランス南部ニースに住む77歳の男性、アンドレ・ソヴァジェさん(André Sauvaget)だ。アンドレさんはある朝、60年近く会っていなかったポルトガルに住むいとこを探すため、スクーターでの長旅にチャレンジすることにした。しかし目的地の唯一の手掛かりは、母親の書類の中から見つけたいとこの古い住所のみであった。

アンドレさんが出発したのはフランス南部プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏マンドリュー・ラ・ナプールで、いとこが住んでいるとみられるポルトガルのオディヴェーラスまでは往復約6533キロの道のりである。

そんなアンドレさんの旅のお供は、彼が「最強中の最強」と考えるホンダのスクーター「Forza(フォルツァ)350」とわずかな生活用品だけであった。鞄にはパジャマと必要最低限の洗面用具、そして彼の長旅を救うことになるレインコートを備えた。道中で何が起こるか分からない状況で十分な装備とは言い難いが、アンドレさんは「観光は全くしなかった。スーパーで食料を買い、ホテルで寝たが、その他には何も訪ねなかった」と旅を振り返った。

答えを求めてポルトガル人のいとこエンリケさん(Henrique)の近況を心待ちにしたアンドレさんは、旅に出た当時の心境を「60年間、いとこに会っていなかった。家族が少ない上、お互いに会おうとしてこなかった。私の子供たちのために再会したかったんです」としみじみと語った。

現在77歳のアンドレさんは結婚して53年になり、2人の娘と6人の孫、2人のひ孫がいる。そんな彼にとって自身の“ルーツ”は、何度も受けた腰の手術の痛みや歩くときの嫌な痛みよりも重要なものだという。

しかしいとこに会いたかったとはいえ、アンドレさんの年齢などを考えるとスクーターでの長旅は無謀とも言えるが、このチャレンジはバイク愛好家の彼だからこそ成し得たことかもしれない。アンドレさん自身も「二輪車に乗ると、何も感じないんです。子供に戻ったようで…」と話している。さらに旅のアルバムを見返してみると、自撮り写真を除いてスペインのジローナ、バレンシア、マラガ、ポルトガルの首都リスボンで撮ったのはホンダのフォルツァの写真しかなかったそうだ。

だが今回の旅で結局、いとこを見つけることはできなかった。記載されていた住所にはフランス語を話せない女性がいて、明らかにいとこのことを知らないようであった。警察にも行ったがそこでもフランス語が通じず、英語やポルトガル語を話すことができないアンドレさんには為す術がなかったそうだ。

「誰も助けてくれない」と絶望したアンドレさんは、墓地で墓石を眺めている自分に気づいた。そこで墓地の管理人に藁にもすがる思いでいとこについて尋ねた。すると管理人は奇跡的にいとこのことを知っていたという。しかし喜びも束の間、いとこは9か月前に亡くなっていたことが分かった。アンドレさんは「もっと前にいとこ探しを決めていれば…」と後悔したが、自宅に戻る前にお墓参りをすることができたそうだ。

気を取り直して、アンドレさんは行きとは別のルートで帰路につくことにした。「私のポルトガルとのルーツは決定的に断たれた…」とアンドレさんは言う。残されたのは、10日間にわたる非日常的な“冒険”の記憶とアンドレさんの“冒険”を興味深く見守った家族のプライドである。

アンドレさんは「なぜ、その日に出発を決意したのか」という質問に対して、「仕事があったから。そしてお金がなかったから」と答えている。いとことの再会は叶わなかったアンドレさんだが、「最終的にはやり遂げたんだ」と語っていた。

なおアンドレさんの今回の“冒険”に、Twitter上では「何度もガソリンを補給しなければならなかっただろうね」、「6500キロ、かなり遠いです。ほとんど大西洋横断ですね!」といった声があがっている。

画像は『Nice-Matin 2022年7月24日付「A 77 ans, il parcourt plus de 6.500 km à scooter jusqu’au Portugal pour retrouver un cousin」(Photo DR)』『Ouest-France 2022年7月28日付「À 77 ans, il enfourche son scooter pour rallier le Portugal depuis la Côte d’Azur」(Carte : Ouest-France)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

このニュースに関するつぶやき

  • やはり、ヨーロッパの中でも言葉の壁は大きいようだね。いまならスマホなどの翻訳機能など便利なものがあるが、おじいちゃんには使えなかったのかな?
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(8件)

前日のランキングへ

ニュース設定