『六本木クラス』平手友梨奈が起爆剤に 視聴率V字回復に寄与した日本風のローカライズ

28

2022年08月11日 08:30  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

写真11日に第6話を放送する『六本木クラス』(C)テレビ朝日
11日に第6話を放送する『六本木クラス』(C)テレビ朝日
 俳優の竹内涼真が主演するテレビ朝日系連続ドラマ『六本木クラス』(毎週木曜 後9:00)の第5話が4日に放送され、世帯平均視聴率が9.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ 以下同)を記録。2話、3話で一度落ち込んだ視聴率を、話題性のあった初回とほぼ同じ数字にまで持ち直した。テレビプロデューサーの経歴も持つメディア文化評論家の碓井広義氏に、その理由を聞いた。

【場面カット】葵が新の腕に寄り添い膝枕…恋が愛に変わる瞬間?

■視聴理由が“話題性”から“面白さ”へ 六本木で生きるキャラクターたちに感情移入する視聴者が増加

 本作は、Netflixで大ヒットした韓国ドラマ『梨泰院クラス』を日本に置き換え、「日韓共同プロジェクト」としてリメイクした物語で、初回は9.6%と好調のスタートを切ったが、2話は8.6%、3話は7.0%と右肩下がりに。しかし、4話には8.1%となり5話で初回とほぼ同じ視聴率までV字回復を遂げた。碓井氏は、物語の中盤にさしかかる5話で数字を持ち直したのは「正直言って、極めて珍しい」と話す。

 現在放送されている連続ドラマの多くが視聴率一桁台であることに触れ「第1話(の視聴率)が最も高く、そこから下がっていくパターンが一般的です。そんな中で、2週連続で1%以上も上がる事はまれですし、今クールの連ドラでは、『六本木クラス』だけの現象です」と特異性を指摘。その背景として「当初、『梨泰院クラス』日本版という認識で見始めた人たちも、『六本木クラス』独自の物語世界の魅力に気づき、それがSNSなどで広がっていったと思われます」と説明する。

 実際に、ドラマ放送時には関連ワードがトレンドに並ぶ現象が続いており、初回見逃し配信の再生回数も274万回を越え、今クールの連続ドラマで全局トップを獲得。2、3話の見逃し配信も200万回を超えた。また、Netflixでも、本家の『梨泰院クラス』を抜いて2位に浮上していた(8月6日時点)。

 碓井氏は、その要因について「テレビの視聴方法が明確に変わり始めている」と推察。「特にドラマは、録画や配信で、自分の時間が取れる時に落ち着いて見たい、という視聴者が増えてきています。つまり、リアルタイム視聴を反映する視聴率だけでは、ドラマの人気は測れないようになってきているのです」と“テレビドラマ”の評価基準が変わってきたとしつつ「『六本木クラス』を見る理由が“話題性”から“面白さ”へとシフトした」と分析する。

 人気ドラマのリメイクということで、当初は『梨泰院クラス』との比較で語られることが多かったというが、碓井氏は3話から、日本の“六本木”で生きる、宮部新(竹内涼真)、優香(新木優子)、葵(平手友梨奈)たちに感情移入する視聴者が増えてきたと言及。「特に、葵役の平手友梨奈さんが起爆剤の役割を果たしていること」をポイントに挙げ、「『梨泰院クラス』を見た人の多くが、『誰もキム・ダミが演じるイソは超えられない』と思っていたかもしれません。しかし、平手さんはイソではなく、別人格である麻宮葵を見事に造形しています。その存在感と演技力が、『六本木クラス』の印象を強め、全体をけん引する力になっているのではないでしょうか」と言う。

■『六本木クラス』は竹内涼真の代表作となるか 

 原作をベースとしている以上、物語の大筋は同じだが、細部には、しっかりと日本風のアレンジが施されている。たとえば、4話で登場したトランスジェンダーのりく(さとうほなみ)のエピソードは、原作では描かれていない。

 碓井氏は「日本と韓国ではトランスジェンダーに対する意識も違うので、その辺りをきちんと補強したのではないかと思います」と考察し、「原作の大きな流れは踏襲しつつも『梨泰院クラス』ファンを幻滅させない形で、日本風のローカライズを行っている」ことで、本作ならではの奥行きがあるとする。

 『六本木クラス』は、全13話と一般的な連続ドラマよりも話数が多いことも特徴。今後の展開について碓井氏は、「視聴者が登場人物の喜びや困難に、どこまで感情移入してくれるかが鍵になる」と語る。

 続けて「原作を見ている・見ていないに関わらず、『六本木クラス』の新、優香、葵たちと、『時代を共有してみよう』とする視聴者が増えています。また、葵役の平手友梨奈さんと龍河役の早乙女太一さんは、すでにネットでも大きな話題となっていて、その人気はさらなる広がりを見せるはずです。そして、主演の竹内涼真さんは、冷静と情熱の両方を併せ持つ“信念の男”を好演しており、このドラマが彼の代表作の一つになるかもしれません」とした。

 最初は話題性だけで見てみた視聴者も、その日本ならではのストーリー、キャストに引き込まれ、見逃し配信やNetflixでドラマに追いついた結果、リアルタイム視聴に切り替えているのだろう。碓井氏は「見る人の気持ちを、“快感”だけでなく“感動”で揺さぶるのが、いいドラマであるならば、『六本木クラス』が今後、今クールで『最も視聴率を獲得する連ドラ』となる可能性は十分にあるのではないでしょうか」と期待を込めた。

■碓井広義(ウスイ・ヒロヨシ)プロフィール
1955(昭和30)年、長野県生まれ。メディア文化評論家。2020(令和2)年3月まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。慶應義塾大学法学部政治学科卒。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年、テレビマンユニオンに参加、以後20年間ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に『人間ドキュメント 夏目雅子物語』など。著書に『テレビの教科書』、『ドラマへの遺言』(倉本聰との共著)など、編著に『倉本聰の言葉――ドラマの中の名言』がある。

このニュースに関するつぶやき

  • 最初は観てましたけど、店の客を殴るとかの暴力行為や理不尽なお金持ちの横暴な粛正とか、今の時代との乖離を強く感じてからは観たくなくなりました。ごめんなさい。
    • イイネ!10
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(21件)

ニュース設定