Squareが国内初のコード決済対応に「PayPay」を選んだ理由

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2022年08月12日 10:42  ITmedia Mobile

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写真PayPayの支払いに対応したSquare
PayPayの支払いに対応したSquare

 決済サービスの「Square」がPayPayに対応した。同社としては国内初のQRコード決済対応で、追加費用なく既存のSquareでPayPayが利用できるようになる。米Block(日本のSquareの米国本社)のSquare ペイメント グローバルマーケティング責任者のEd Lin氏に話を聞くとともに、新しいPayPay対応Squareをチェックした。



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●日本市場にとってコード決済は極めて重要



 SquareのPayPay対応では、利用客がPayPayアプリで店舗のQRコードを読み取るMPM方式を採用する。ただ、一般的な店頭にQRコードを掲示するタイプではなく、Squareハードウェアや店舗側のスマートフォン画面上に表示する動的店舗提示型のQRコードを利用する。



 固定したQRコードを使わないため、レジ周りなどにQRコードを張り付けたPOPなどを設置する必要がない。画面を搭載したSquareターミナルやSquareスタンドに加え、スマホアプリ「Square POS」を使ってQRコードを表示できるので、画面のないSquareリーダーでもPayPayでの決済が利用可能。



 Square自身は、米Blockの関連会社が提供するCash Appで既にQRコード決済には対応している。今回、初めて日本でのQRコード決済対応としてPayPayをサポートした。



 PayPay対応は、日本でのコード決済の利用が拡大しているからだ。コロナ禍もあって日本ではキャッシュレス比率が増加し、その中でコード決済がキャッシュレス決済に占める割合も5.6%に達して拡大している(2021年)。その中でPayPayは3分の2のシェアを占めており、まずは利用者の多いPayPayへ対応した。



 Lin氏は「日本市場にとってコード決済は極めて重要」との認識を示し、対応を決めたという。日本では他にも多くのコード決済サービスがあるが、Lin氏は「Squareでは常に新しい決済手段を検討していて、その中で別のコード決済を検討することはある」と述べるにとどまり、現時点では明確な対応予定は聞けなかった。



 ちなみに、PayPayのQRコードはLINE Payとも互換性があるが、Squareで利用するQRコードは、現時点でLINE Payでの読み込みには対応していない。PayPay対応後の加盟店側のニーズ次第で対応を検討する。



●加盟店にとって素晴らしい体験を提供する



 今回の仕組みを導入するにあたって、Lin氏は「加盟店にとって素晴らしい体験を提供すること」を目指したという。そのため、動的店舗提示型を採用し、利用客側が読み取るだけで金額も確定して、入力の手間や入力間違いなどの心配がないようにした。しかも、QRコードを店頭に掲示する必要がないので、レジ周りのデザインもスッキリする。



 実装の難しかった点についてLin氏は、PayPayが部分返金に対応していない点や、加盟店契約に必要な情報が異なる点を上げるが、Cash Appの経験もあり、それほど難しくなかったようだ。



 実際に試してみると、店舗側は通常の決済と同じように入力し、最後の決済手段選択でPayPayを選べばいいだけなので簡単。QRコードが画面上に表示されたら、それを利用客に見せてアプリで読み取ってもらって支払いを行う。QRコードの有効時間は1分間なので、期限が過ぎたらもう一度決済をやり直す必要がある。



 支払いが終わったらSquare側の画面がすぐに切り替わるので、決済が確実に完了したのも明確に分かる。最後にレシートを紙で発行するか、メール・SMSで送信するかを選択して決済が完了する。基本的には、QRコードを客に示すこと以外は通常の決済と変わらない。



 部分返金ができないというPayPayの仕組み上、返金する場合は決済全体を取り消す必要があるが、現行のUI(ユーザーインタフェース)を確認したところ、現在は部分返金ができているように見えるUI(実際は返金されない)状態だった。この点は修正する予定だという。



●決済手数料は3.25%と高いがメリットは?



 加盟店側は、加盟店契約として新たにPayPayを追加契約する形になる。決済手数料は税込み3.25%。PayPay側に支払うフィーなどのコストを積み上げた結果、クレジットカードなどと同等の手数料となった。



 PayPayは直に契約すると1.98%。ただしこれは税別なので、税込みだと約2.2%となる。「PayPayマイストア ライトプラン」(税込みで月額2178円)に加入することで決済手数料が1.76%になり、いずれにしてもSquareよりも手数料は安価になる。



 この点、Squareは3.25%の決済手数料以外の料金がかからない点や、他の決済手段の売り上げとまとめて管理・分析できる点、最短翌営業日の入金も無料である点などをアピール。QRコードを店頭に掲示しなくても済む点も含めてメリットがあるとしている。特にクレジットカード、電子マネー、PayPayと異なる決済手段の入金や売り上げをSquare上で管理できるのはメリットだろう。



 Squareは、米国だけでなくカナダのInterac Debit、オーストラリアのeftpos、そして最近もフランスの就労者向けフードバウチャーに対応しており、各国の事情に合わせた決済手段に対応してきた。



 日本でもFeliCaを使った電子マネーをサポートし、今回日本独自のQRコード決済であるPayPayをカバー。各国のニーズを踏まえた事業展開をしている点は、グローバル企業ながら同社の強みだ。



 Lin氏は、コロナ禍が終息して渡航制限が解除されると、再び中国のAlipayやWeChat Payのニーズも高まると予測。日本での他の決済手段への要望も注視しつつ、さらなるサービス拡充につなげていきたい考えを示している。


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