節電ポイントもいいけれど…熱中症で入院すると、1泊2日で5〜9万円の自己負担! 本当の節約は「健康を損ねないこと」

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2022年08月12日 17:10  まいどなニュース

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写真自室でぐったりしているところを発見された高齢女性…エアコンが苦手で使っていなかったそうです ※画像はイメージです(ururu/stock.adobe.com)
自室でぐったりしているところを発見された高齢女性…エアコンが苦手で使っていなかったそうです ※画像はイメージです(ururu/stock.adobe.com)

この夏も猛暑が日本中を襲い、電力不足の不安のため政府は「節電ポイント」を導入すると発表しました。「なんだか節電しないといけない」と無理して、熱中症にかかってしまう方が増えるのではないかと看護師としては心配です。特に65歳以上の方、私たちの親世代にあたる方々のリスクが高いです。実際に熱中症で入院された方はどのように過ごされていたのか、熱中症になると医療費がどのくらいかかってしまうのかをお伝えします。

【漫画】ご用心!室内プールでも熱中症! 水辺で暑さをしのいでいたはずが…救急搬送

60歳以上の4割の方はエアコンがきらい!?

真夏日を超えると増えるのが熱中症や脱水で入院される患者さんです。すでに熱中症で救急搬送されている方が、昨年の同期間と比較して約2.5倍に増加しています。

実際に入院された方は、自宅でどのように過ごされていたのでしょうか。

Aさん、80歳の女性。自室でぐったりしているところをヘルパーさんが発見しました。救急搬送され、熱中症の診断で入院に。数年前に旦那さんを亡くした後は一人暮らしでしたが、娘さんが近所に住んでいて定期的に顔を出していました。

話を聞いて私はびっくりしました。「ちょっと前から暑くて食欲がなかったの。水分は意識して結構、摂っていたと思う。体が冷えて嫌だからエアコンは使ってない。いつも娘が来るとエアコンを入れるけど、もったいないし帰ったらすぐ消して、扇風機を使っていた」 

テレビでも熱中症予防にエアコンの使用を促しているが、いまだに使用しない方がまだまだ多いのです。パナソニック株式会社が年代別のエアコン利用状況を調査した結果によると、60代以上の方の4割近くは使わないと回答がありました。使わない理由として「電気代がかかる」「冷えすぎる」「体に悪いと思う」と。

医療従事者からすると驚愕の事実なのですが、本人は至ってまじめです。熱中症で倒れた方が体もお金も大変だけど「私は大丈夫」と思ってしまうのでしょうか……。

熱中症で入院したら想定外の出費。節電とどっちがお得?

節電ポイント導入は現在、東京電力や関西電力など主要な電力会社と、全体の1割ほどの電力小売会社が発表しています。節電プログラムに参加すると1世帯2000円相当のポイントがもらえ、さらに節電に協力できた場合はポイントを上乗せするとのこと。現在では100万世帯が申し込みしました。

東京電力では8月10日時点で26万人が参加しています。東京都在住の方など条件が制限された一部の方で、5日以上節電を達成できた場合に500円相当のポイントが付与されます。つまり、節電ポイントは「参加するだけで2000円相当」「さらに節電できれば500円相当」を東京電力の場合は獲得できるということです。プログラムに参加するだけで2000ポイントをもらえるので、体を壊すような無茶な節電をすることがないようお願いしたいものです。

体調を崩して病院にかかるとかなりお金がかかります。正直、ガマンして節電するよりも健康でいる方が安上がりです。

病院によって算定の違いがあるため、差は出ますが、救急車で運ばれて点滴を打って帰宅した場合、軽症で最低限の処置の想定で3000円は3割の自己負担でかかると想定されます。重症であり処置や薬剤を使用しないといけなかった場合は8000円近くの負担になります。

救急車で運ばれて入院した場合、1泊2日で5万〜9万円程度の自己負担が想定されます。重度になった場合は入院が長引き、さらに費用は跳ね上がります。高額療養費制度があるため、世帯の収入によって負担の上限はありますが、一時的に全額支払わなければならない場合もあり痛い出費になることも。

さらに体は一度ダメージを受けると回復するまでに時間を要します。本調子になるのも数日はかかるし、万全に戻らないこともあります。

重度の熱中症になった場合、脳に影響を及ぼして後遺症をきたす可能性もあるので、用心してほしいのが本音です。

熱中症予防で覚えておきたいこと

結論から言うと、エアコン・扇風機を上手に使用すれば熱中症は予防できます。年を重ねるごとに、温度を感じる機能は鈍くなります。

適切な室内環境について調べてみましたが、外気温との関係もあるため「これが正解」とは絞りきれませんでした。なので、看護師国家試験の問題にも出てきた、適切な病室環境を参考にお伝えいたします。

病室は夏は25〜27度、湿度は50〜60%を保つように設定します。病院では院内感染などが生じない衛生的な環境を保つためや、ストレスを感じず心地よく入院生活を送れる環境を整えるための設定です。もちろん、患者さんによっては温度の感じ方が違うので、個々に配慮するように努めています。自宅には室温計・湿度計を置き、客観的に環境が適しているか判断しましょう。

真夏日では室温も上がるのでエアコンなしでは、熱中症になるリスクは高いでしょう。毎日、真夏日が続き熱中症で運ばれる方も少なくありません。もちろん節電も大事です。限りある資源であり、電力不足も懸念されています。節電ポイントも気になりますが、健康を損ねない無理のないように取り組んでほしいと願います。

さて、Aさんなのですが、入院後、元気になって動けるようになると部屋のエアコンを消して汗だくで過ごすように。看護師とAさんでエアコンの電源を入れたり、消したりと攻防を繰り返す中、退院されました。再三、家での過ごし方をお伝えしましたが、すぐに再入院とならないことを願うばかりです。

(看護師ライター・松井 英子)

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