「公立でこれはすごい!」 県立奄美高校の斬新な生徒募集ポスターが話題…「逆風」っちなんですか?

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2022年08月13日 07:00  まいどなニュース

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写真斬新すぎる生徒募集ポスター?!強風で髪型が乱れまくり…!(提供:鹿児島県立奄美高等学校)
斬新すぎる生徒募集ポスター?!強風で髪型が乱れまくり…!(提供:鹿児島県立奄美高等学校)

 鹿児島県立奄美高等学校の、あまりにも斬新な新年度の生徒募集ポスターがSNSで話題です。向かい風にあおられて髪が乱れようとも動じない表情の生徒たちが、なんともユーモラスで目を引きます。生徒たちに混ざって写っているモフモフしたキャラクターは、奄美大島に伝わる妖怪、または木の精霊ともいわれている「ケンムン」です。

【写真】青い海がキレイ…2022年の学校案内リーフレット

 2022年8月1日にリリースしたばかりの「逆風」ポスターですが、キャッチコピーにも奄美大島の方言が取り入れられ、遊び心が詰まっています。「逆風っち、ぬぅだりょん?」は、「逆風って、なんですか?」という意味で、「私たちはそんなこと気にしていませんよ」というニュアンスで制作されたそう。

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「逆風」っちなんですか?
コロナ?少子化?経済低迷?ライバル校の人気上昇中?
なんだか最近、向かい風強めではありますが、
私たちはいつも「風」の強い、この“奄美”で学んできました。
いつの時代も風当たりが強いことはきっとたくさんあるけれど、
大丈夫。私たちは“奄美”出身。
逆風なんて、なんのその。

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 SNSでは、「面白いデザイン!」「県立高校で、このオシャレなポスターはすごい!」「CDジャケットみたいで最高!」「多様性への理解がある学校だね、きっと」「めっちゃ好きw」と反響を呼びました。

 ポスター制作の背景について、奄美高等学校の商業科の教員である広報担当の飛松先生に聞きました。

——ポスターデザインのコンセプトを教えてください。

企画を依頼したエビス製作室のMITSUI RYUTAさんが企画・立案してくださったコンセプトがこちらになります。

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何かと向かい風をうけている社会や状況の中、その「風」・「逆風」自体をデザインテーマに出来ないかと考えました。海に囲まれた奄美では、強風の日が多くあります。特に、それを実感するのは日々徒歩や自転車で通学する児童や生徒たちであるのと同時に、悪天候の中でも長年通学してきた生徒たちは急に変わる天候にも動じず強く育っていきます。

「向かい風が多い社会」や「奄美は風が強い」は、幅広い多くの人が共感を抱けるテーマであると思います。ポスターの卒業アルバムの写真では、向かい風が吹き荒れ髪や制服が乱れているにも関わらず、生徒や先生たちが一切動じず凛とした表情をして写っています。

「奄美(奄美高校という意味で)出身の生徒たちは逆風に強い」という直接的な印象と、「逆風」が持つマイナスイメージを逆手にとって攻めの姿勢を取る奄美高校の独自性と柔軟性を、島内外の生徒や保護者にPR。強風をびくともしない生徒たちの表情、かっこいいんだけどどこか笑える、インパクト強めなデザインです。

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予想を超えすぎる提案をいただいたので最初は驚きましたが、さすが地元島民ならではの視点とプロならではの角度からのアプローチで、MITSUIさんなくしてはこのポスターは誕生しませんでした。

――今回のようなポスターは、初めて制作されたのでしょうか?

今回は初めて、奄美大島在住のプロのデザイナーさんたちに企画を依頼してポスター制作をしました。おかげさまでアイキャッチのあるポスターに仕上がり、大きな反響をいただくことができました。インターネット、SNSの拡散力の高さにも驚いています。MITSUIさんに企画・構想を練っていただき、尚味さんが素敵なロゴやケンムンのデザインをしてくださいました。

ただ制作を依頼して終わりではなく、地域協働活動の一環として、ポスター制作過程も含めて生徒たちに経験させたいと思い、校内でも取り組みました。ポスターに映っている本校の生徒たちには、ポスターの企画趣旨や肖像権についても説明して了承を取っています。

――やはり公立高校で、こうした斬新なポスターは珍しいのでしょうか?

私は奄美高等学校に赴任して5年目、広報係としては4年目になりますが、全国的に見ても、広報活動に力を入れている公立高校はまだまだ少ないと思います。学校教員の仕事は多岐にわたり、クラス運営や授業の準備、部活動の指導などとも並行して、多くの仕事を限られた時間でやらなければならず、なかなか広報活動の時間まで取るのは難しいというのが本音かもしれません。

しかし、これからの時代は、少子化で子どもの数は減っていきます。県中心部の学校はまだ良いかもしれませんが、地方校は手を打たなければなりません。奄美高校は専門高校ということもあり、その特色を活かした広報活動を通して、近隣校や県内の高校にも良い影響が与えられたらと思い、毎年、趣向を凝らしてきました。教育現場というところは発信力が不足していると感じている中で、私自身、発信することの大切さについてお話しされていたマーケターの森岡毅さんの言葉が心に響き、何をどう伝えるかを意識して取り組んでいます。

いろいろな背景はありますが、今回のポスター制作にもさまざまな「今」の時代に即した広報戦略を取り入れ、高等学校の新しいスタイルを入れて挑戦しました。ポスターデザインをもとにしたプロモーション動画もアップしています。HPやブログ・Instagramでの発信や各種広報物にも力も入れており、今年は学校案内パンフレットや広報誌「あまこう通信」のデザインを刷新したり、卒業生の方にスポットを当てるコーナーを充実させたりと、手に取って読んでみたいと感じてもらえるように工夫しました。

まずは島内の生徒募集が本校のミッションですが、奄美大島の人口を増やすためにも、Iターン誘致や地域の活性化といった長期的な視点も見据えて、前向きに活動していきたいと考えています。2021年7月の世界自然遺産登録を機に、奄美大島としても大きな転換期を迎えていると思います。全国各地の主要空港から奄美空港まではLCC含めて直行便が多く出ていますし、先日、タレントのIMARUさんが奄美大島との二拠点生活を始められるというニュースも拝見してうれしく思っています。奄美大島の魅力をもっともっと広めていけるように、これからも奄美高校から発信していきたいです。

◆MITSUI RYUTA/エビス製作室(Instagram@ebisseisakushitsu)
1980年 奄美大島生まれ。
幼少期に、奄美大島に現れる自然光(散乱・反射光含)や環境音などに多大な感覚的影響を受ける。幼少期から絵を描き続けていたが、2004年頃、グラフィックデザイン、写真、映像を表現に取り入れ奄美大島を中心に活動を始める。
動的な紙面。湿度や匂いを帯びた映像。認知→知覚へ表現などに作家青春をかける。

◆尚味(なおみ)(Instagram@naomi_illust_work)
大阪府出身。2014年に夫の故郷である、東洋のガラパゴス・奄美大島へ移住。
夫婦でオープンさせたアウトドアショップ「GUNACRIB」を拠点に制作活動。現在は2児の母。
独特の世界観、オリジナリティがあり、親しみやすいデザインで人気。キリンビール世界自然遺産限定缶のデザインや雑誌の挿絵など多方面で活躍中。

(まいどなニュース/ラジオ関西・ししまる555)

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  • 卒業後 どれだけ島に 残るやら クラスメートに 妖怪いても
    • イイネ!4
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